コロナ禍での行動制限などにより家計の貯蓄が積み上がるなか、円安が落ち着き始めたことで、”リベンジ海外旅行”の機運が高まりつつあります。そこで今回は、出国(アウトバウンド)関連に注目してご紹介します。
日本からの出国人数も回復基調に
2022年12月の訪日外客数(推計値)は137万人と、11月の93万4500人から急増しましたが、日本人の海外出国(アウトバウンド)も回復し始めています。
コロナ禍前、2019年の出国日本人数は約2008万人でした。当時の月平均が約167万人だったのに対し、2022年11月は約38万人となっています。
円安一巡で海外旅行へのハードルが和らぐ
コロナ禍での行動制限・行動自粛により、積み上がった家計の過剰貯蓄は足元で50兆円程度に達しているとも言われています。「with コロナ」の流れとともに、この資金の一部がいわゆる“リベンジ消費”や“リベンジ旅行”に回ることに期待が高まっています。
また、新型コロナの水際対策が緩和された2022年秋頃は1ドル=150円台にまで円安が進行したものの、足元では安値から1割以上円高に転じています。様子見ムードだった海外旅行への“心理的なハードル”は下がりつつあると言えます。
アウトバウンド依存度の高い銘柄に出遅れ感
主なアウトバウンド関連銘柄のうち、「 エアトリ 」など、旅行代理店やオンライン旅行関連銘柄の一部は2019年末の株価水準をすでに上回っています。「Go To トラベル」や「全国旅行支援」などの恩恵を受け、国内事業の回復が業績をけん引したようです。
一方、海外オプショナルツアーの予約サイト運営がメインビジネスである「 ベルトラ 」や、個人向け海外旅行の取り扱いに強い「 エイチ・アイ・エス 」などは、国内の取り扱いを増やしているものの苦戦が続き、株価も出遅れ感が強い印象です。また、成田、羽田、関空など国際線発着が多い空港へのアクセス路線を運営している鉄道関連にも注目しておきたいですね。