2017年4‐6月は日経平均株価が2万円台を回復するなど、株式市場は良好な相場環境となりました。そんな中、国内のIPO市場では計12社(REITとインフラファンドは除く)が上場を果たしています。初値が1番上がった銘柄は? 上昇した銘柄の特徴は? 4-6月のIPOをかんたんに振り返ってみましょう。
初値2倍以上の会社比率が最大に
2017年4-6月に上場した企業は合計で12社でした。上場数はやや少なかったものの、初値が公募価格よりも上回った銘柄は10社となり、IPOの人気が継続していることがわかります。また、初値が2倍以上になった銘柄は9社にものぼり、その比率はなんと75%*にも達しました! アベノミクスが始まった2013年以降でみると最大の比率となっており、上場数が少なかった分、限られた銘柄に期待が集まった様子がうかがえます(*の付された本記事内の各種データに関しては、文末のご留意事項をご覧ください)。
初値上昇率トップはビーブレイクシステムズ
つぎに個別企業ごとの初値パフォーマンス(運用成績)についてみてみましょう。上場した12社のうち、一番パフォーマンスが優れていたのは、クラウド技術を用いたシステム開発を手掛けるビーブレイクシステムズという会社です。公募価格1670円に対して、初値は7700円と上昇率は361%にも達しました。2位にはEC事業者に対して支援サービスを展開するテモナ、3位には仮想デスクトップサービスを提供するアセンテックがそれぞれランクインしました。
生産性をアップさせるIT企業に注目集まる
上昇率上位の企業の特徴は、ITを活用してクライアント(顧客)のコスト削減や生産性向上を促す事業が多いことです。働き方改革や人手不足に伴う人件費の増加などを背景に、株式市場でも関連企業の注目が集まっているようですね。引き続きIPO市場でもこうしたテーマに携わる企業は人気が高まりやすいと考えられます。
オーダーメイドの旅行会社・旅工房
そんな中、じっくりとお客様の要望を聞いてくれるオーダーメイドのサービスを売りにしている企業もありました。旅行サイトを手掛ける旅工房です。オンライン旅行会社では捕捉しきれない現地の観光ポイントや食事などを提案することで、20~40代の女性の支持を集めているとのことです。かゆいところに手が届く、そんなサービスを展開しているかどうかもIPO投資をする上で参考にしてはいかがでしょう。
上場数が少なかった一方で、初値2倍以上の会社比率が75%*とアベノミクス以降で最大になった4-6月のIPO市場。2017年後半も好パフォーマンスを期待したいですね。
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