ハムも玩具もカタログも! 優待祭り3月20選【後編】

優待ライター厳選! 今月の株主優待/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

自社商品にカタログギフト、優待券、QUOカードなどバラエティに富んだ789銘柄の株主優待が楽しめる3月。【後編】では、カタログギフトで人気の「オリックス」や、自社商品がもらえる「日清オイリオグループ」「伊藤ハム米久ホールディングス」など、注目しておきたい10銘柄をご紹介します!

※特別に記載がない場合、権利付最終日は3月29日(水)です。
※日興フロッギーで購入して優待をもらう場合には、保有する株式が3月27日(月)までに単元株以上になるよう購入してください。
※NISA口座は、同一年内に単元株数に達した場合のみ、単元株に振り替えられます。複数年にまたがった買付けで単元株数に達した場合は、振り替えは行われず、従って株主優待を受け取ることはできません。
※単元未満株の優待(端株優待)であっても、日興フロッギーでは単元株数以上保有していないと優待はもらえません。

全国各地のグルメ満載カタログギフト【オリックス】

■銘柄名(コード):オリックス(8591)
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:24万4150円(2/28終値2441.5円×100株)
■配当金額(会社予想):85.6円
■予想配当利回り:3.50%

リース事業からスタートして、その後事業分野を徐々に広げていった「 オリックス 」。現在は、法人金融や環境エネルギー、生命保険、不動産などさまざまな分野で事業を展開しています。また、世界28カ国・地域にも拠点を設けています(2022年9月末時点)。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間はセグメントによって状況がまちまちで、保険や米国、欧州が前年同期比で減益となった一方、事業投資や環境エネルギー、輸送機器などは増益を達成。全体としては、前年同期比で純利益は横ばいの結果となっています。

優待内容は、100株以上で自社取引先の取扱い商品を集めたカタログギフト「ふるさと優待」(3月のみ)と、株主カード(3月、9月)の2本立てです。

例年、カタログには全国のグルメ商品のほか、オリックス・バファローズの野球観戦で当日券を購入できる金券などが掲載されています。

長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有で優待内容がグレードアップ。また株主カードでは、ホテルや施設レンタカーなど自社グループのサービスを割引料金で利用できます。なお、同社の株主優待は来年2024年3月を最後に廃止が決定しています。

Switchソフトやおもちゃがもらえる【ハピネット】

■銘柄名(コード):ハピネット(7552)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:18万3600円(2/28終値1836円×100株)
■配当金額(会社予想):65円
■予想配当利回り:3.54%

ハピネット 」は、玩具や映像音楽、ビデオゲームなどのメーカー約700社と、量販店や専門店など約1200社の販売店の間で販売支援や物流、情報提供などを行うエンタテイメントの総合商社。玩具、映像音楽、ビデオゲーム、アミューズメントの4つの事業を展開しています。

2023年3月期は、玩具事業でコンビニ向け商品が好調だったことや、アミューズメント事業での販売機会拡大などから、第3四半期決算発表のタイミングで期初の会社予想を上方修正。新たな会社予想は、増収かつ前期比1.5%の減益を見込んでいます。

株主優待は、自社の株主優待カタログから好きな商品を選ぶスタイルで、100株以上で1点、500株以上で2点、1000株以上では3点を選択できます。優待カタログから商品を申し込むと、それに加えて「こども商品券」を、500株以上で2000円分、1000株以上では5000円分もらえます。

優待カタログの内容は毎回変わりますが、過去の優待内容は公式サイトの「株主優待」ページで確認可能です。ちなみに前回は「『ベンツG55』の1/14スケールR/Cカー」をはじめとした玩具やNintendo Switch用のゲームソフト、映像音楽ソフトなど全部で22商品でした。

100株で丸亀製麺の優待券3000円相当【トリドールHD】

■銘柄名(コード):トリドールHD(3397)
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:27万2600円(2/28終値2726円×100株)
■配当金額(会社予想):7.5円
■予想配当利回り:0.27%

讃岐うどん専門店の「丸亀製麺」で知られる「 トリドールHD 」。ほかにも、カフェ業態の「コナズ珈琲」「肉のヤマキ商店」、焼き鳥の「とりどーる」などさまざまな外食業態があり、さらに中国やインドネシア、米国でも事業を展開しています。国内外の直営・FCを合わせた店舗数は1753店です(2022年12月末時点)。

2023年3月期の第3四半期は、主力の丸亀製麺(事業)で「俺たちの豚汁うどん」が大ヒット。訴求力を高めた商品開発などが功を奏したことで、第3四半期までの累計期間としては過去最高の売上収益を達成しています。

株主優待は、100円分の優待券を100株以上で30枚、200株以上で40枚、1000株以上で100枚、2000株以上なら150枚です。「丸亀製麺」のほか「とりどーる」「肉のヤマキ商店」「立呑み 晩杯屋」などグループ企業の各ブランドで利用できます(券売機利用の一部店舗を除く)。

お釣りは出ませんが、1枚が100円分と金額が小さく、一度の利用枚数制限もないので、利用しやすいのが魅力ですね。さらに長期保有優遇制度もあり、200株以上を1年以上継続保有した場合には100円優待券が30枚追加されますよ!

料理の必需品、食用油をお届け【日清オイリオグループ】

■銘柄名(コード):日清オイリオグループ(2602)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:33万3000円(2/28終値3330円×100株)
■配当金額(会社予想):90円
■予想配当利回り:2.70%

1907年に創業し、2002年に日清製油、リノール油脂、ニッコー製油の3社が経営統合して誕生した「 日清オイリオグループ 」。ホームユース(食用油)や業務用食用油、加工油脂を扱う油脂事業が中核事業ですが、チョコレートや調味料などの加工食品・素材事業、化粧品油剤などのファインケミカル事業も展開しています。

2023年3月期は、進行中の中期経営計画の方針に基づいた取り組みやコスト上昇に伴う価格改定などにより、売上高・利益共に好調に推移。第3四半期決算発表のタイミングで通期の会社予想を上方修正し、2ケタの増収増益を見込むとしています。

株主優待は、100株以上で1500円相当、200株以上で3000円相当の自社商品詰め合わせです。

たとえば、前回の100株保有の優待品は「日清ヘルシーキャノーラ油」「日清ヘルシーベジオイル」「日清ヘルシーオフ」など3本の詰め合わせ。200株以上の場合は内容が異なりますが、やはり食用油6本の詰め合わせでした。

さらに、3月末と9月末時点の株主には、自社商品優待販売の案内が配当関連の書類に同封されますよ。日清オイリオファンには、こちらもうれしい特典ですね。

ボリューム満点! 特選ハムとベーコン【伊藤ハム米久HD】

■銘柄名(コード):伊藤ハム米久HD(2296)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:71万4000円(2/28終値714円×1000株)
■配当金額(会社予想):24円
■予想配当利回り:3.36%

2016年4月に「伊藤ハム」と「米久」が経営統合して誕生した「 伊藤ハム米久HD 」。持株会社として、ハムやソーセージなどの食肉加工品、調理加工食品、総菜類の製造・販売を行うグループ企業の経営管理などを手がけています。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間では、加工食品事業と食肉事業の売上が共に好調で前年同期比で増収となったものの、原材料価格や光熱費の上昇の影響により減益となっています。また、来期以降については、加工食品事業では3回目の価格改定、食肉事業では海外事業の収益安定やブランドミートの強化などに取り組んでいくとしています。

株主優待は、1000株以上で5000円相当の自社グループ商品です。たとえば、前回の場合は伊藤ハムの特選ロースハム「伝承献呈」400gと、米久の謹製ベーコン「米久楽宴」300gの詰め合わせでした。

どちらも丸々1本なのでボリューム満点! 商品は6月から順次届く予定で、少し早めの「お中元気分」が味わえそうですね。なお、株主優待を獲得するには1000株が必要なので、初心者の方は間違えないように注意しましょう。

【新設】100株保有で便利なQUOカード【高速】

■銘柄名(コード):高速(7504)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:19万100円(2/28終値1901円×100株)
■配当金額(会社予想):46円
■予想配当利回り:2.41%

高速 」は、食品容器やフィルム、ラミネートなどを扱う食品軽包装資材の専門商社です。また、シール機や包装機などの包装に関わる機械、紙製品やラベルも扱っています。取扱い品目は14万点以上に上り、さらにグループ企業との連携による商品開発力や営業提案力などにも強みがあります。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間で4~12月は、顧客への商品の安定供給、企画提案や情報提供をこれまで通り継続した結果、増収増益を実現。通期の会社予想も増収増益を見込んでいて、前期比2円(中間配当、期末配当で1円ずつ)の増配も予定しています。

株主優待制度は、今回から新たに導入します。詳しい優待内容は、100株以上で500円分のQUOカード300株以上はカタログギフトで、300株で3000円相当、500株以上で5000円相当、1000株以上で1万円相当です。

100株保有ならコンビニなどで便利に使えるQUOカードを、300株以上ならグルメ商品などが楽しめるカタログギフトを受け取れるのが魅力です。なお、区分ごとの優待相当額を世界自然保護基金か国連WFP寄付するという選択肢も用意されています。

【創立記念】今回限定カレー優待【ハリマ化成グループ】

■銘柄名(コード):ハリマ化成グループ(4410)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:9万800円(2/28終値908円×100株)
■配当金額(会社予想):42円
■予想配当利回り:4.62%

2022年11月18日に創立75周年を迎えた「 ハリマ化成グループ 」。創立75周年を記念して、今回のみ株主優待を実施します。事業内容は、松科の植物に含まれる「松やに」を精製して得られるロジンや、脂肪酸、テレピン油などから、さまざまな化学素材を製造・販売しています。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間では、欧米で粘接着剤用樹脂の売上高が増加し、国内で原材料価格の上昇に伴って販売価格への転嫁を進めたことなどにより結果、すべての事業で売上が増加。前年同期比では2ケタの増収を実現しました。利益については、前年並みとなりました。なお、通期の会社予想は2ケタの増収増益を見込んでいます。

詳しい優待内容は、2023年1月から「ハリマ化成グループ」の子会社となった「ハリマ食品」の「極美味(ごくうま)ビーフカレー」(1パック1080円相当)を、100株以上で2パック、1000株以上で3パック、1万株以上で4パックです。

野菜や果物をじっくり煮込んで作ったチャツネを使用したリッチなカレーで、味はレギュラーとマイルドの2種類。たとえば100株保有の場合は、各1パックがもらえます。繰り返しになりますが、記念優待のため実施は今回のみ。気になる人はお見逃しなく!

180円スニーカーだけでなく、服や日用品もOKな優待券【ヒラキ】

■銘柄名(コード):ヒラキ(3059)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:10万2300円(2/28終値1023円×100株)
■配当金額(会社予想):20円
■予想配当利回り:1.95%

ヒラキ 」は、自社で企画開発した靴・履物を個人向け通販と大阪や兵庫を中心とした店舗で販売している企業です。子ども用の「180円スニーカー」(税込198円)で名前を知っているという方も多いのではないでしょうか。また、大手小売店向けのOEM商品も手がけています。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間では、店舗販売事業がコロナ禍での行動制限が緩和されたことで来店客数が増加。前年同期比で同事業は減収増益となりました。ただ、通信販売事業については前年同期比で減収減益、卸販売事業は前年同期比でわずかに増収となったものの、円安の影響などで赤字という結果になっています。

優待内容は、100株以上で税込2000円分の買物券です。関西圏にある店舗と通信販売で利用可能です。実店舗の総合店と通販では、靴以外に衣料品や日用雑貨なども扱っています。100~数百円程度の商品も多いので、買物券だけでたくさん買えそうですね。

通販では、通常は税込6050円以上の購入が送料無料の条件ですが、株主優待の場合は金額にかかわらず送料がかからないのがうれしいですね(一部例外を除く)。ちなみに、買物券の到着は秋冬商品の販売に合わせて毎年8月下旬頃。楽しみに待ちましょう!

料理に製菓に! 精糖会社のお砂糖どっさり【DM三井製糖ホールディングス】

■銘柄名(コード):DM三井製糖ホールディングス(2109)
■優待権利月:3月
■最低投資金額:20万8200円(2/28終値2082円×100株)
■配当金額(会社予想):60円
■予想配当利回り:2.88%

「スプーン印」の三井製糖と「ばら印」の大日本明治製糖が2021年4月に経営統合して誕生した「 DM三井製糖ホールディングス 」。精製糖や原料糖などの製造・販売を行う砂糖事業を中核に、機能性食品や調味料などを製造・販売するライフ・エナジー事業、不動産事業も手がけています。

現在は、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を進めていて、「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」を基本方針に国内砂糖事業の強化や海外事業の拡大などに取り組んでいるところです。

優待内容は、100株以上で3000円相当の自社グループ製品で、1000株以上の場合は3000円相当の自社グループ製品に加えて2000円相当の金券等ももらえます。

たとえば前回の株主優待品は、上白糖400g、グラニュ糖400g、石垣島のおいしいお砂糖320g、沖縄粉末黒糖300gなど全8品で砂糖製品が中心でした。これだけあれば、スイーツも料理もたくさん作れそうですね! なお、どちらの保有区分でも優待相当額を「日本IDDMネットワーク」への寄付に充てることも可能です。

コレクションしたくなるQUOカード【朝日放送グループHD】

■銘柄名(コード):朝日放送グループHD(9405)
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:6万7800円(2/28終値678円×100株)
■配当金額(会社予想):16円
■予想配当利回り:2.35%

傘下に、「朝日放送テレビ」や「朝日放送ラジオ」などの事業会社を抱える「 朝日放送グループHD 」。また、住宅展示場や通販販売などのライフスタイル事業も手がけています。「朝日放送テレビ」では、関西ローカルだけでなく『新婚さんいらっしゃい!』など全国ネットの人気番組も制作しています。

2023年3月期の第3四半期までの累計期間では、主力の放送・コンテンツ事業、ライフスタイル事業共に売上が増加。一方利益については、コンテンツ開発費用やテレビ通販にかかる費用などが増加したことで、前年同期比では2ケタの減益となっています。

株主優待は、3月は100株以上で500円分、500株以上で3000円分のQUOカード。また9月は100株以上で一律500円分のQUOカードです。

QUOカードには毎回、朝日放送のテレビ番組のキービジュアルがデザインされているのが特徴で、たとえば前回9月は『これ余談なんですけど…』、前々回3月は『DAIGOも台所』(100株以上)、『新婚さんいらっしゃい!』(500株以上)でした。他にはないデザインなので、毎回のQUOカードをコレクションしている方もいそうですね!

いかがでしたか? 2回にわたってお送りした魅力いっぱいの3月の株主優待情報。豊富な銘柄の中から「これだ!」という銘柄を見つけて、ぜひこの機会に優待投資にチャレンジしてみては?

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優待の内容は2023年2月27日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。
次回は4/3(月)配信予定です。
※ハリマ化成グループ(4410)は、記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。