まんがでわかるLIFE SHIFT 2

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

「人生100年時代」で社会現象を起こした「ライフシフト」のマンガ版です。友だちになれそうなキャラクターと一緒に、心と懐を豊かにする生涯戦略を学べそう。

あの名著がマンガに! 過去を手放しながら100年間成長する

主人公は35歳のサラリーマン。長い転勤生活を終え「家も買ったし、これからは家族3人でゆっくり暮らせる」と思いきや、アメリカ赴任の打診が来る。断れば出世コースから外れるし、妻にはなかなか言い出せない。右往左往する中、人生100年時代の「ライフシフト」という考え方に触れてーー。

あらすじだけ読むと「なんだ、一部のエリートの話か」と感じるかもしれません。が、細部の設定が妙にリアルで読むほどに親近感が湧いてくる。

この主人公、アナログレコードに心酔するオタク的な側面を持っていたり、初めて行ったホストクラブ(!)にドキドキしたり。「人生100年時代をどう生きるか」「1つのキャリアだけで生涯を乗り切れる時代は終わるよね」と諭すのがホストというのも興味深いです。

「ライフシフト」の根幹となるセリフを誰に言わせるか、おそらく相当練られており、マンガとしての完成度もなかなか。ダブルワーカーの美容師やツアーコンダクター、栄養士などバラエティに富む職業が登場するので、自分と近い境遇と重ね合わせることもできそう。

なお、「人生100年時代」については幕間のコラムページがわかりやすいです。「平均寿命が驚異的なペースで上昇してること」「今、先進国で生まれた子どもの過半数は100歳以上まで生きること」。

その背景から、かつての「教育」「仕事」「引退」の3ステージ生涯設計はもはや機能しないということ。学び直しや新しいスキルの習得を繰り返し100年人生を楽しむべし、という大枠です。なかでも「過去を手放すしなやかさ」というフレーズは凝り固まった会社員脳に効きそうな気がしました。

補足しますと、LIFE SHIFT2のマンガ版には40代男性を主人公にしたバージョンも存在します。同じ原作をもとに同時刊行(しかも別の出版社から)というおもしろ企画ですが、それ自体が「ライフシフト」の多様性に通じそう。両書読み比べるのもオススメです。