【伊藤園/解説編】世界一のティーカンパニーを目指せ!

御社の決算、教えてください!/ 妄想する決算

音声プラットフォームVoicyの決算10分解説で人気の「妄想する決算」さん。毎日決算書を読んできた鋭い視点で気になる企業と対談します。今回の訪問は、「お~いお茶」で知られる緑茶飲料のパイオニア伊藤園です。決算がまるっとわかる動画をチェックしましょう!

まずは伊藤園の決算をチェック!

私は妄想する決算という名前で普段はnoteや音声配信のVoicyなどで決算についての情報を発信しています。今回は株式会社伊藤園さんについて広報部副部長、古川正昭さんにお聞きします。

伊藤園は、「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」などの飲料がよく知られています。

2023年4月期 第3四半期決算補足説明資料

2022年5月から2023年1月のカテゴリー別販売数量は、茶系飲料が全体の70%を占めています。次に、野菜飲料で12%、コーヒー飲料が8%となっていて、野菜飲料やコーヒー飲料も比較的大きな規模で展開しています。

伊藤園決算資料より

主力商品の緑茶飲料のシェアは35%で毎年安定して推移していて、ホット緑茶飲料では全体の59%のシェアを有する等、圧倒的なシェアを有する緑茶飲料市場のトップ企業です。また、「お~いお茶」に関しては、累計販売本数で400億本を突破し、2022年8月から10月では販売数量が過去最高を記録する等、販売力の成長も継続しています。

緑茶飲料は差別化が難しいのではと思いますが、商品としてどういった競争力があるのか。また、売り場の影響が大きいと予想されますので、先行者優位等があるかを聞いてみたいと思います。

伊藤園決算資料より

伊藤園はリーフ(茶葉)の販売も行っています。(日本の)リーフの市場はコロナ以前から縮小傾向が続いている一方、伊藤園のリーフ販売における市場シェアは増えています。2015年は約21%のシェアでしたが、2022年は約27%のシェアになる見通しです。時代の変化や消費者ニーズに対応した同社の製品力が、市場シェアを大きく伸ばしたと説明しているので、対談で詳しく伺いたいと思います。

伊藤園決算資料より

それでは、業績を確認したいと思います。2023年4月期第3四半期決算は、売上高は8.2%増の3284億円。営業利益は12.5%増の158億円。純利益は1.5%減の101億円でした。純利益が減少していますが、前期にあった助成金の収入がなくなった影響で、本業の業績は堅調に推移していることが分かります。

伊藤園決算資料より

原料高や資材高については最終的に約87億円の影響を受ける見通しと説明しています。一方、値上げや製品の容器の構成等の変化は、売上の増加要因で110億円増になっているため、全体的にはプラスと好調な状況です。

伊藤園決算資料より

容器別の売上高を見ていくと、今期大きく伸びたのが小型のペットボトルです。業態でいうと、コンビニエンスストアの売上が伸びています。コンビニでのペットボトルの売上は、外出の需要増加に伴って増えるものだと推察されるため、外出需要の回復が起きていることが分かります。

伊藤園決算資料より

更に、業績を詳しく見ていきますと、国内グループ会社の業績は好調で、特にタリーズコーヒーが好調です。利益面でいうと160%増と倍以上に伸びています。人流の回復により客足が伸び、店舗の運営等が業績回復に寄与していることが分かります。一方、海外グループ会社でアメリカ事業を見てみますと、前期は3.6億円の黒字でしたが、今期は7.8億円の赤字転落となっています。売上は30%ほど増えてはいますが、赤字転落になってしまった要因など直接お伺いできればと思っています。

妄想する決算 ここが気になる伊藤園!
・国内緑茶市場で圧倒的なシェアを有する伊藤園
①「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」などの飲料を販売
②主力商品の緑茶飲料のシェアは35%で毎年安定して推移、ホット緑茶飲料では全体の59%を有する
③「お~いお茶」は累計販売本数400億本を突破。2022年8月から10月では販売数量が過去最高
④リーフ販売では市場がコロナ以前から縮小する中、伊藤園の市場シェアは拡大中
・堅調な国内業績、米国事業の赤字転落
①2023年3月期第3四半期決算は、売上高は8.2%増の3284億円。営業利益は12.5%増の158億円。純利益は1.5%減の101億円
②純利益減少は前期あったコロナ関連の助成金収入が少なくなった影響
③外出需要の増加に伴って、小型ペットボトルとコンビニ・タリーズコーヒーショップの売上が牽引
④一方、北米事業においては売上が伸びているものの、赤字転落
・対談で聞きたいこと
①差別化が難しい緑茶飲料市場でどのような優位性をもっているのか
②海外市場の現状と見通し

この後、妄想する決算氏が伊藤園の古川副部長へ突撃インタビュー!

国内緑茶飲料市場で圧倒的なシェアを誇る伊藤園の強みや世界のティーカンパニーに向けた戦略について徹底取材!
~続きは動画(4:54-)をご覧ください~

古川正昭さんプロフィール
株式会社伊藤園 広報部副部長
1996年4月伊藤園入社。都内墨田支店でルートセールス営業から始まり、法人企業担当の広域法人営業部、交通インフラの営業を専門とする交通営業部と、多くの業態の営業を経て、現在広報部副部長を務める。広報室とIR課を束ねながら、伊藤園の更なる企業価値向上を目指し、様々な施策を追求中。
伊藤園
次回は5/1(月)配信予定です。