配当株投資に「特殊な才能」は必要ない

投資がもっと楽しくなる!日興フロッギー選書/ 配当太郎クロスメディア・パブリッシング

投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、著者の方とともにご紹介する本連載。前回前々回で、配当株投資のポイントや「年間12万円の配当金」を目指すコツを解説しました。今回は、長期投資を実現する「継続」という点にフォーカスして、配当株投資を「着実に続けていく」ための考え方や投資先の選び方を著者の配当太郎さんと見ていきましょう。[PR]

「株価が下がったら買う」ではなく、買い続ける習慣を身につける

配当株投資で成果を得るためには、とにかく持ち株数を増やしていくことが大前提です。「株価が下がったら買おう」と思ってタイミングを待っていたのでは、いつまで経っても、なかなか思い通りにはいきません。目先の株価だけで判断していると、「足踏み」のフリーズ状態が長く続くことになります。

ある程度、資産が増えるまでは、株価の動向はあまり気にせずに、自分が買える状況にあるならば躊躇なく買う……というクセを身につけることが大切です。「どんな状況でも、買える時に買い続ける」というクセを身につけておかないと、なかなか前に進むことができません。

株価が下がっていたら、すぐに買う。横ばいならば、迷わず買う。高値になっていても、勇気を出して買う。一歩でも前進するためには、「つねに買い続ける姿勢」を貫いて、とにかく株数を増やしていくことが先決です。

株式投資の世界には「タイミング投資」という方法論があります。「株価が大きく動くタイミングを狙って、ピンポイントで利益を上げる」という投資法ですが、私自身はこれを「運頼み」の当てにならない投資法だと見ています。タイミング投資で利益を得たというのは、「たまたまタイミングが合った」だけの話で、「そのタイミングを狙った結果」ではありません。

むしろ、運を味方にできるのは、実はタイミング投資をやっていない人だと考えます。どんなタイミングでも躊躇なく株を買えるのは、長期間にわたって継続的に株を買い続けてきた人たちです。つねに買い続けていれば、たまには幸運に出会うチャンスもあるというだけのことです。

「ほったらかし」でも安心できる有力企業を選ぶ

配当株投資のカギを握るのは、シンプルに「どの企業の株を持つか?」です。その株は、自分で長く持ち続けるだけでなく、自分から次の世代に手渡す大事なバトンでもあります。ですので、「最低でも10年から20年くらいは、何があっても安心できる企業」を選ぶ必要があります。

一方で、自分が「信頼できる」と思える企業であれば、株を買ってから「ほったらかし」にしていても、不安になることはありません。逆の見方をすると、「ほったらかしにしても安心できるような企業を選ぶ」のが大切ということになります。

配当株投資のいいところは、稼ぐチカラがあり、そのシステムができ上がっている企業の株を買って持っていれば、その企業の優秀な社員の人たちが自分のために一生懸命に働いて、配当金を出してくれるということ。ただ「ほったらかし」にしているだけで、配当金というお金を分配してくれるのです。

自分のお金を投じて株を買えば、その権利を手に入れることができるということです。

配当株投資に向いている人、向いていない人

配当株投資は、株を買って持っているだけですから、投資用のお金を用意できる人であれば、基本的には誰でもすぐに始めることができます。ただ、すぐに始めることはできても、その成果を得るまでには時間がかかりますし、始めた当初はその成果も地味なものです。

それをきちんと理解した上で始めるのであれば、誰でも続けることが可能です。配当金が少しずつ着実に増えていくことに喜びを感じられるのであれば、その人は配当株投資に向いている人だといえるでしょう。

逆に、最初の段階で配当金の少なさに嫌気がさしたり、時間がかかることにじれったさを感じてやめてしまったりする人は、配当株投資に向いてない人ともいえます。必要以上に株価の動向をチェックして、一日に何度も一喜一憂を繰り返すような心配性の人も、配当株投資には向いていないかもしれません。

そもそも、配当株投資では、株価の動向を気にする必要がないのです。

「世界が資本主義経済を選択している限り、経済はこれからも発展していくだろうし、企業は利益を上げていくだろう。企業が利益を上げ続けていれば、その恩恵を受ける権利が自分にはあるのだ」

そう割り切って考えることができれば、心配性な人であっても、配当株投資の醍醐味を楽しむことができるでしょう。

大切なのは、以前の記事でもお話しした「配当金ダルマ」が大きく成長するまで、淡々と株を買い進めながら、ゆったりと構えて、成果が出るのを待つこと。一度、腹を決めてしまえば、心配性な人でも、「せっかち」な人でも、落ち着いて配当株投資に取り組むことができるのではないでしょうか。

極端にいうなら、自分が株を持っていることを忘れてしまうくらいの投資態度でいいのかもしれません。気が向いたら株価をチェックして、「今日も株を買おう。頑張って、買えるだけ買おう」と自分の投資マインドを鼓舞するくらいでいいと個人的には考えています。

配当株投資の一番の強みは「誰にでもできる」こと

前述のように、配当株投資のカギは「どの企業の株を持つか?」です。基本は、「1株当たり利益」があり、きちんと株主還元している企業の株を買って、それを持ち続けること。私自身が特殊な才能を持っているわけではなく、この投資法に何か特別な「際立った強み」があるわけでもありません。

ただ、何も特別なことがないからこそ、誰にでもできる、と考えられます。自分のペースで淡々と株を買って、それを持ち続けることを、私は「作業」と表現して、ツイッターで発信しています。

難しい「操作」や「特殊工作」を遂行するのではなく、あくまで単純な「作業」を繰り返すだけですから、幅広い世代の様々な人たちが無理なく実践することができます。それこそが、配当株投資の一番の強みだといえるでしょう。

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