第2話 桐谷さん、「一食17円生活」でプロ棋士を目指す

人生変えたきゃ投資人生/ 桐谷 広人川口真目

第1話 桐谷さん、家訓は「貧乏であるほど幸せだ」を読む

一食17円のインスタントラーメン

将棋会館を出てからは、食事が出なくなってしまいましたから1日2食、インスタントラーメンを食べていましたね。

5食セットで85円だったかな。いろんな味があってね、しょうゆ、塩、それに焼きそばもありましたが、とんこつはまだありませんでした。

アルバイトでもしてもっといいものを食べろと思うかもしれませんが、将棋というのは競争の厳しい世界ですから、アルバイトしていたらとてもプロになれない。そんな時間があったら勉強しないといけません。だから対局者の横で時間を計ったり記録をつけるアルバイトがせいぜいでしたね。

それに、お金に余裕がなかったことも事実ですが、子供のころからの質素な生活がしみついていたので、大人になってもいわゆる普通の食事ができなかったんです。

「質素」は桐谷家に染みついた体質なんでしょうね。妹も当時、大学へ通っていましたが、2斤15円で買える食パンのヘタを食べて卒業しましたから。

次回は6/22(木)配信予定です。