老朽化対策待ったなし  「道路建設」関連株が上昇

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株式市場で「道路建設」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は4.3%と、海外勢の見直し買いが続き大幅高となった東証株価指数(TOPIX、1.9%上昇)を上回りました(6月9日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

改正道路整備特別措置法が成立

道路建設関連株が買われたきっかけは、改正道路整備特別措置法の成立です。5月31日、参院本会議で同法が可決、成立しました。高速道路を巡っては、2014年度以降の点検強化で重大な損傷の発見が相次いでいました。同法は、高速道路の有料期間を2115年まで50年延長することで、橋やトンネル等の更新費用財源を確保することを柱としています。

国土強靭化などの社会的要請も踏まえ、高速道路の進化・改良に向けた投資の財源にも充当する予定です。長期にわたる安定した財源の確保に目途がついたことで、道路の補修や建設工事の需要が高まるとの期待につながり、関連銘柄を物色する動きが広がりました。

首都高リニューアルプロジェクトに参画【IHI】

上昇率首位のIHIはグループ会社のIHIインフラシステムが橋梁や水門、その他鋼構造物の設計や施行などを手掛けています。5月27日から6月10日まで、首都高リニューアルプロジェクトの一環として、高速大師橋更新工事が行われました。同社は、「大成・東洋・IHI・横河高速大師橋更新事業異工種建設工事共同企業体」として参画。従来の橋の下流側に長さ300メートルの新しい橋を組み立て、スライドさせて一挙に架け替える工法で工期を短縮するなど、同社の技術も活かされています。

重機の遠隔操作システムを提供【神戸製鋼所】

上昇率2位の神戸製鋼所はグループ会社のコベルコ建機が、道路舗装などに使われる転圧機械(ローラ)を展開。道路機械の世界トップメーカーであるボーマク社(ドイツ)がつくる転圧機械の日本における販売・サービスを手掛けています。また、重機の遠隔操作システムと稼働データを活用し、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を可能にする「K-DIVE」も提供しており、6月26~28日には北海道札幌市で操作見学会を開く予定です。

補修・修繕工事は当面続く

このほか、世界初のミニショベルを開発した竹内製作所は、油圧ショベルやクローラーローダーなど小型建設機械を展開。日立建機は、道路舗装関連工事を管理するシステムを提供。同社は、5月19日に舗装工事などでアスファルトを押し固める「転圧」の施工状況をリアルタイムで可視化できるサービスの拡充を発表しました。建機国内最大手の小松製作所は、建機の情報を遠隔で確認・管理できるシステム「Komtrax」(コムトラックス)に定評があります。建設現場の作業効率化に繋がり、建設工事の増加で活躍機会が増えそうです。これらの銘柄も買われています。

今回、改正道路整備特別措置法が成立しましたが、高速道路については、東日本高速道路(NEXCO東日本)などNEXCO3社が、既に大規模更新・修繕工事に着手しています。2014年時点の計画で事業費は、総額3兆200億円にのぼります。道路を巡っては当面更新・修繕工事が続き、工事の発注や建設機械の需要増加が見込めそうです。需要を着実に取り込める銘柄を見極めて投資したいですね。