年率5%を上回る可能性があるETFをトッピングする

目指せFIRE!おけいどん式 資産形成術/ 桶井 道(おけいどん)西田ヒロコ

本掲載では、これまで、節約、貯蓄、投資とお金の増やし方についてお話ししてきました。そのうち、投資については、年率5%の運用を目指しながら、つみたて投資をすることの大切さをお伝えしてきました。

今回は、趣向を変え、年率5%を超えるパフォーマンスを狙うETFを紹介します。ポートフォリオ(資産構成)を、これまでご紹介した年率5%成長を目指すETFで固めたうえで、さらに資産成長のスピードアップを目指す方にオススメしたい手法です。

ETFで「コア・サテライト戦略」を取り入れる

コア・サテライト戦略をご存知でしょうか。コア・サテライト戦略とは、投資先をコア(中核)とサテライト(衛星)に分けた投資戦略をいいます。コアは「守りの資産」で、長期で安定的に運用が期待できる投資先です。サテライトは「攻めの資産」で、コアよりリスクを取ることで高いリターンを求める投資先です。コアで平均点を取り、サテライトで+αを取って、全体では平均点の上を狙うことになります。

具体的には、コアをこれまでご紹介してきた、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500やバンガード社が提供するVIGなど、年率5%成長を狙うETFで固めます。そして、サテライトは年率5%を超える成長を狙うETFをトッピングするのです。

年率5%成長を超える可能性があるETFとは

それでは、年率5%を超える成長を狙うETFをご紹介します。

(1)インベスコ QQQトラストシリーズ1ETF(ティッカーコード:QQQ)
QQQは米国のハイテク成長株を集めたETFです。ナスダックの時価総額上位100社(ただし、金融を除く)で構成されます。経費率は0.20%とこれまでご紹介してきたなかでは割高ですが、成長することを期待して割り切りましょう。下落相場では、下落率が大きくなり、S&P500(VOO)に劣後する可能性が高いです。投資において、ハイリスク・ハイリターンは当然ですので、上昇相場でパフォーマンスが良好である反面、下落相場ではそれなりの下落を受け入れる必要が有ります。

このインデックスには、東証ETFのMAXISナスダック100上場投信(2631)でも投資可能です。

(2)バンガード 米国グロースETF(ティッカーコード:VUG)
VUGは米国の成長株に投資するETFです。成長性が高く株価上昇が狙えますが、その反面、急落リスクもあります。QQQと異なり、金融株も含まれるのが特徴です。構成銘柄数は241です。経費率は0.04%と、他の成長株ETFに比べると1ケタ安くて優秀です。やはり下落相場では弱く、S&P500に劣後する可能性が高いです。

(3)バンガード 米国情報技術セクターETF(ティッカーコード:VGT)
VGTは米国のIT企業や半導体関連企業など、現在の米国を牽引する情報技術セクターの株に投資するETFです。QQQとの大きな違いは、アルファベット、メタ、アマゾンが入っていないことです。株はそのときどきの景気や技術革新の状況によって、強いセクター(業種)が存在します。したがって、そのセクターに絞ることに投資妙味があります。米国企業は最先端技術に強く、なかでも情報技術セクターはその筆頭といえるでしょう。構成銘柄数は364で、ここで紹介した3つのETFの中で最も分散が効いています。経費率はVUGより高く、QQQより安い0.10%ですが、充分安いといえます。下落相場では弱く、S&P500に劣後する可能性があります。

ハイパフォーマンスが期待できるETFは、VOO(S&P500ETF)に比べ、上昇相場ではより上昇し、下落相場ではより下落すると評価できるでしょう。

コアとサテライトの配分を考えよう

今回ご紹介したETFは、いずれもハイリスク・ハイリターンの商品です。ゆえに、コアとサテライトの配分が大切です。配分が90:10なのか、それとも80:20なのか、それは人により異なります。ご自身の心と相談しながら、心穏やかに投資を継続できるよう配分してください。これまで、私は「投資には再現性を大事にしてください」と何度も申しましたが、これも「再現性」のひとつの要素と言えます。S&P500などでコアを固めつつ、ハイパフォーマンスなETFをサテライト運用しましょう。

さて、資産成長のスピードを上げるために必要な、コア・サテライト戦略で、「+α」を取りに行くことをご提案しました。背伸びしすぎない範囲でリスクを取りながら、「+α」を狙っていきましょう。