今の業績と未来への期待を映すといわれる株価。過去の株価推移を振り返ると、その企業のターニングポイントや沿革がどんな風に投資家に映っていたのかを読み解くことができます。そこで今回は東京ディズニーリゾートでおなじみの「 オリエンタルランド 」について、歴史と株価を振り返ってみましょう!
オリエンタルランドの上場日は1996年12月11日
年間2209万人(2022年度実績)が訪れ、子どもから大人まで幅広い方が夢中になる東京ディズニーリゾート。そんな「夢と魔法の国」を運営するのがオリエンタルランドです。同社が上場したのは、ポケットモンスターやたまごっちなどが流行した1996年の12月11日でした。東京ディズニーランド開業(1983年4月15日)から約13年半後のことです。
「東洋一のレジャーランド」を目指して
会社設立時、オリエンタルランドは「国民の文化・厚生・福祉に寄与すること」を創設の目的と掲げていました。当初は浦安の埋立事業などを手掛けていましたが、並行して進めていたのが舞浜地区に東洋一のレジャーランドを建設するという計画でした。その後、欧米のレジャー施設調査などを経て、ディズニーランドの建設が決まったのは、会社設立から14年後の1974年12月でした。
そして1983年4月15日に開園した東京ディズニーランド。夜のパレード「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード」の開始や、オフィシャルホテルの開業など、現在の東京ディズニーリゾートの礎ともいうべきイベントやサービスが築かれていきました。
株式上場のきっかけとなった「東京ディズニーシー」
同社が東証1部に上場したきっかけが「第2テーマパーク」を核とした構想でした。今の「東京ディズニーシー」です。実は東京ディズニーランド開業直後の1984年から構想は練られ、舞浜駅前の開発(現在のイクスピアリ)や、黄金期のハリウッドをコンセプトとしたエレガントで上質なサービスを提供するホテル(現在のディズニーアンバサダーホテル)などが計画されていました。
これらを確実に具現化するための資金調達手段として1996年12月に上場。2000年に入り、新規施設の開業ラッシュを迎えることになりました。2001年9月にはメインとなる海をテーマにした東京ディズニーシーが開園。入園者数が大きく増え、特に40歳以上の割合が高まりました。
年間入園者数が1000万人→3000万人
東京ディズニーリゾートは、2003年の東京ディズニーランド開園20周年を皮切りに、25周年、30周年、35周年と、5年ごとにアニバーサリーイベントを開催しました。その結果、開園当初には1000万人程度だった年間入園者数が2013年に初めて3000万人を突破。国内外問わず多くのお客さまが楽しめる一大テーマパークとなりました。
コロナ禍を乗り越え、過去最高業績へ
2020~22年度は新型コロナウイルスの流行を受けて、入園者数を大きく制限。緊急事態宣言下では史上初の長期休園に踏み切るなど、大きな影響を受けました。2020年度には営業赤字に陥りましたが、その後業績は大きく回復。チケットの値上げなども実施することで、足元では過去最高の売上高・営業利益を更新する見込みです(東洋経済予想)。
24年新エリアで売上高750億円押し上げか
2024年にはさらなる新エリアのオープンも控えています。2014年に日本でも大ヒットした「アナと雪の女王」や、ラプンツェルの世界観を実現した新エリア「ファンタジースプリングス」を2024年6月6日(木)にグランドオープン予定。
同社では入園者数の増加やホテル収入の増加などにより、連結売上高を年間約750億円押し上げると試算しています。今後も想像を超える「夢と魔法」で多くの人を魅了してくれそうですね。