半導体・データセンター建設ラッシュ

ニュースの裏事情/ 日本証券新聞

テレビや新聞で取り上げられたニュースの裏側を解説する本連載「ニュースの裏事情」。今回は、「半導体・データセンター建設ラッシュ」に関するニュースの裏側について、ご紹介します。

半導体工場、データセンターなど建設ラッシュ

政府の補助金による支援もあり、九州、北海道などで半導体工場の建設が進むほか、生成AI関連のサービスを提供するためのインフラとしてデータセンター建設も増加する見通しです。ここに再開発関連の需要も加わり、2025年度にかけ建設受注の拡大が期待されています。

ゼネコンや配線工事、空調関連に追い風

関連業界では、まず大手ゼネコンの「 大成建設 」「 鹿島 」などが挙げられます。

また、電気設備工事では、地盤とする九州でTSMC(台湾積体電路製造)の工場建設、福岡市の再開発などが進み、その恩恵を受ける「 九電工 」の評価余地が大きいようです。業界最大手でビルや工場向けに屋内配線工事が伸びている「 関電工 」「 住友電設 」なども注目されます。

半導体やデータセンターなどIT系の設備では、空調にも高い技術が求められます。「 大気社 」「 新日本空調 」などの大手のほか、「 ダイダン 」「 日本電技 」「 テクノ菱和 」「 オーテック 」などが関連銘柄です。

このほか、10月にスタンダード市場に上場したばかりの「 西部技研 」は中期的な成長期待があります。同社はデシカント除湿機やVOC濃縮装置などの空調、環境機器に高い技術を持っています。デシカント除湿器は製品の品質維持のために製造工程で湿度コントロールを必要とする食品・製薬工場、低湿度倉庫などのほか、EV(電気自動車)の普及を背景にリチウムイオン電池製造工場向けの需要が増えています。VOC濃縮装置は製造工程で排出される有害物質の処理に使われる装置で、環境規制の強化を受け、半導体工場での需要が拡大しています。

(出典:日本証券新聞)