新しいNISAで作ろう! 「じぶん年金~東証ETF編~」

目指せFIRE!おけいどん式 資産形成術/ 桶井 道(おけいどん)西田ヒロコ

本掲載では、前回、新しいNISAで日本株(高配当株および増配株)に投資して「じぶん年金」を構築することについて紹介しました。おさらいしますと、じぶん年金とは、公的年金では不足する金額をじぶんで用意する「プラスαの年金」のことを言います。私はこれを、新しいNISAを活用しながら、日本および米国の高配当株およびETFによって作ることをおすすめします。

①じぶん年金~日本株編~
②じぶん年金~東証ETF(日本株)編~
③じぶん年金~米国株編~

今回は②の「じぶん年金~東証ETF(日本株)編~」です。

本稿は、私の3冊目の単行本『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎より2023年11月13日出版)を再編集・加筆して作成しています。

個別株への投資が不安なら、東証ETFを活用しよう

前回、日本株(高配当株および増配株)を活用して、じぶん年金を構築することについて解説しました。10~20銘柄、不安ならそれ以上に分散投資することでリスク分散ができることをお伝えしましたが、それでも個別株投資に不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。特に、これまで投資信託に投資してきた方には、そう感じることも無理はありません。個別株が不安な場合は、東証ETFを活用することをおすすめします。

東証ETFとは、「東京証券取引所に上場している投資信託」のことです。「上場していない普通の投資信託」(以下、投資信託と表記)と同様に1本持つだけで分散投資が可能です。投資信託と同じように構成銘柄の入れ替えもプロにお任せできますので、メンテナンス・フリーであることは投資信託と同じメリットといえます。

投資信託との主な違いは2つあります。1つは、東証が開いている時間帯ならリアルタイムで売買できること。東証ETFなら、まるで個別株を売買するように、簡単に取引できます。もう1つは、構成銘柄から配当金があれば、原則として投資家に分配金を出すことになっています。よって、配当金を自動的に再投資にあてることが多い投資信託と違い、東証ETFならじぶん年金の構築が可能という訳です。

いわば、個別株の良さと投資信託の良さを「良いところ取り」したような形の金融商品ともいえるでしょう。ただし、投資信託と同様に、保有期間中は信託報酬がかかります。そこは、面倒な銘柄選定をプロにお任せする「手間賃」と割り切りましょう。

おけいどん式! 東証ETFの銘柄選択法

東証ETFは、日本株に投資するタイプ、米国株に投資するタイプ、その他外国に投資するタイプ、リートに投資するタイプなど多種多様に300本ほどあります。じぶん年金を作るなら、高配当株に投資するタイプが好ましいと思います。では、東証ETFで日本の高配当株に投資するタイプのうち、どれを選択すればいいのでしょうかーー。ETFや投資信託を選択する際の基本は、自分が欲しい投資先(高配当株やTOPIX、日経225、銀行セクターなど多くの選択肢あり)に投資するものを選ぶことはもちろんですが、そのなかでも純資産総額が大きく、信託報酬が低い銘柄を探すことです。あとは、じぶん年金構築のために分配回数が多い、つまり決算日が多いことが理想でしょう。

いかがでしょう。あなたも、新しいNISAの「成長投資枠」を最大限活用して、東証ETFで「じぶん年金」を作ってみませんか。

おけいどん式に基づいた5つの東証ETFを紹介

おけいどん式に基づいて、フロッギー編集部が選定した5つの東証ETFをご紹介します。
日本株を中心に投資を行い、配当利回り2%以上、純資産総額300億円以上(2023年12月末時点)、信託報酬年率0.5%以内の東証ETFより選択しています。

(1)NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信

国内に上場する株式のうち、今期予想配当利回りが高い銘柄に、同じ金額ずつ分散して投資するETFです。原則70銘柄で構成されるので、高配当株に幅広く投資したい方に適しているでしょう。純資産総額も多く、年に4回の決算日があります。

(2)グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF

配当利回りの高い日本株およびREITに投資を行うETFです。「MSCIジャパン・高配当セレクト25指数(配当込み)」の変動率に一致させることを目的として、運用されています。年に4回の決算日があり、分配金利回りも4.1%※と高いです。

※2023年12月29日の終値÷2023年の1口あたり分配金累計(税引前)×100で計算(小数点第2位切り捨て)

(3)iシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETF

配当性向や配当継続性、財務指標(ROEや自己資本比率など)の要件を満たす銘柄のうち、配当利回りが高い銘柄で構成される東証ETFです。世界最大級の資産運用会社「ブラックロック・グループ」による運用であることは安心感があります。

(4)iFreeETF TOPIX高配当40指数

TOPIX100構成銘柄(=大型株)のうち、配当利回りが相対的に高い40銘柄で構成される東証ETFです。大型株で高配当株を好む方には適した銘柄ではないでしょうか。年に4回の決算日があります。

(5)上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100)

とにかく分散!できるだけリスクヘッジ!……そんな方にはこのETFが良いかもしれません。東証上場銘柄のうち、時価総額および予想配当利回りに着目して選択された約100銘柄(株式約90銘柄、REIT約10銘柄)で構成される東証ETFです。年に4回の決算日があります。


NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信
グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF
iシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETF
上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100)

※iFreeETF TOPIX高配当40指数(銘柄コード1651)は、執筆時点でキンカブの取り扱い銘柄ではありません
※金融商品取引所が信用取引の制限または禁止措置を行っている銘柄、証券金融会社が貸株利用等の申込制限又は申込停止措置を行っている銘柄を除く