50兆円企業の業績好調を評価 「トヨタ」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

旬の銘柄・旬のテーマをわかりやすく解説する本連載も今回で100回目。今回は「トヨタ」関連株を取り上げます。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は1.7%と、東証株価指数(TOPIX、0.7%高)を上回りました(2月9日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

 市場予想を上回る業績上方修

トヨタ関連株が上昇したきっかけは、2月6日にトヨタ自動車が発表した決算です。トヨタの2023年4~12月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比2倍の4兆2402億円となりました。円安が収益を押し上げたほか、原価・諸経費の低減や販売台数の増加、価格改定などが寄与しました。

会社側は好調な業績を踏まえ、24年3月期の営業利益見通しを前期比80%増の4兆9000億円(従来予想は65%増の4兆5000億円)に引き上げ、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(4兆7187億円、2月6日時点)を上回ったことが好感されました。

ハイブリッド車販売好調【トヨタ自動車】

上昇率トップは「 トヨタ自動車 」です。時価総額は1月下旬に、NTTの新規上場時(1987年)に記録した日本最高の時価総額(48兆6720億円)を超え、2月上旬には50兆円の大台も突破しました。米テスラのEV(電気自動車)販売が減速する一方、トヨタのHV(ハイブリッド車)販売は好調です。また、EVでは、出光興産とトヨタが取り組んでいる「全固体電池」の実用化も期待されます(『EV市場勢力図の塗り替えも 「全固体電池」関連株が上昇)。日本最大の時価総額を誇るトヨタ株を持たざるリスクを感じる投資家が増えている可能性がありそうです。 

燃料ポンプ大量リコールも悪材料出尽くし【デンソー】

上昇率2位は「 デンソー 」です。トヨタ系列の自動車部品販売大手で、売上高に占めるトヨタ向けの比率は2割強に達します。2日に24年3月期の連結営業利益予想(国際会計基準)を前期比16%増の4950億円(従来予想は48%増の6300億円)に下方修正しましたが、懸念されていたデンソー製燃料ポンプに関する大量リコールの影響をすべて織り込んだとみられ、悪材料出尽くし感から買われました。

トヨタ向け売上高比率の高い系列企業

豊田自動織機 」はフォークリフト世界最大手であるうえ、トヨタ自動車の源流企業でトヨタの大株主でもあります。売上高に占めるトヨタの比率は1割強です。「 ジェイテクト 」もトヨタ系列のステアリングメーカーで、売上高に占めるトヨタの比率は2割弱。「 愛三工業 」もトヨタ系列の自動車部品メーカーで、売上高に占めるトヨタの比率は約5割に達しています。トヨタ依存度が高いグループ企業はトヨタ本体の業績の勢いが収益に影響するとみられます。

雨降って地固まる

日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機などトヨタグループ各社で不祥事が相次いだことに対する懸念はあります。タイトで不合理な開発スケジュールによって生じた極度のプレッシャーと、現場が管理職に相談できないなど組織が機能不全に陥っていたという共通点がありました。ただ、1月下旬にトヨタの豊田章男会長が「原点を見失っていたのが一番の問題で、3社については会社を作り直す覚悟でやらねばならない」と述べ、自らが主導して企業風土の改革に取り組む考えを示しました。中長期的には今回の不祥事でグループの結束力が強まり、「雨降って地固まる」事象になると期待されます。