ウォール街のランダム・ウォーカー 原著第13版 株式投資の不滅の真理

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

初版から50年経っても結論は揺るぎません。投資の最適解はインデックスファンド! 伝説的ベストセラー、読むなら記念版の出た今です。

伝説のバイブル最新版。インデックス投資ならこの1冊でOK

株価に規則性はなくランダムにウォークする、したがって市場平均(インデックス)に投資するのがベストーー。今でこそ主流の投資方法ですが、本書は、その草分け的存在です。1973年の初版発売当時は「素人考え」「不謹慎そのもの」と非難の嵐だったそうですがアンチに対する著者の態度もふるっていました。「異論を唱える人がいないならそもそも本を出版する価値はない」。著者の生き方そのものが垣間見えるあたり、長く読まれてきた理由の一つかもしれません。

さて、資産を増やすのになぜインデックスが優れているのか? 本書は市場の歴史を紐解きつつテクニカル戦略やファンダメンタル理論など他の手法と比較していきます。全500ページと聞けばひるむ読者もいるかもしれませんが、投資への愛と毒舌で溢れ、喩え話も「言い得て妙」。日本のバブルの解説は今まで読んだどの文章よりも納得感がありました。1990年当時の日本の地価総額は「アメリカ全土を5回買えるだけの価値があった」と聞けばバブルを知らない世代も想像しやすいでしょう。

図表も豊富ですが面白いのは「投資対象と安眠度」のグラフ。リスクなしの「銀行預金=熟睡」を基準とし、リターンが高くなるにつれ「小型成長株・分散型のポートフォリオ=睡眠は足りているが時々悪夢を見る」「新興市場株式に分散したポートフォリオ=睡眠不足になる」と続きます。人気の金投資にいたっては高くなりすぎいつ値下がりするかわからない観点から「深刻な不眠症」とバッサリでした。なお、最新版ではミーム株やNFTなどにも言及。少し前に話題になった米タレントの「オナラ高額販売ビジネス」に触れるなど著者80歳にしてその守備範囲に驚きます。最後に、本書から迷いがちなあなたに名言を。「金持ちになりたいなら急がないことだ。しかし重要なのは今すぐ始めることだ」