1年でもっとも多くの株主優待が楽しめる3月。その数はなんと約780銘柄! 自社商品の詰め合わせにカタログギフト、外食や買い物にうれしい優待券、さらには汎用性の高いギフトカードなど2回にわたってご紹介します。まず「前編」では、カタログギフトで人気の高い「KDDI」など、定番7銘柄の情報をお届けします。
※日興フロッギーで購入して優待をもらう場合には、保有する株式が3月25日(月)までに単元株以上になるよう購入してください。
※現時点では、NISA口座で買付したキンカブは同一年内に単元株数に達した場合のみ、単元株に振り替えられます。複数年にまたがった買付けで単元株数に達した場合は、振り替えは行われず、従って株主優待を受け取ることはできません。
※単元未満株の優待(端株優待)であっても、日興フロッギーでは単元株数以上保有していないと優待はもらえません。
ハムやレトルト、常温食品も選べる!【日本ハム】
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:53万2400円(2/27終値5324円×100株)
■配当金額(会社予想):112円
■予想配当利回り:2.10%
「シャウエッセン」に代表されるさまざまな加工食品を手がけている「 日本ハム 」。ハムやソーセージなどの加工事業のほか、グループの売上の50%以上を占める食肉事業や、水産事業、乳製品事業なども展開しています。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、食肉事業や加工事業で価格転嫁が浸透したことや、「北海道ボールパークFビレッジ」への来場者数が順調に推移したことなどから前年同期比で増収となり、食肉事業が牽引する形で2ケタの増益も達成しました。なお、通期の連結業績についても、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
優待内容は、100株以上で3000円相当、500株以上で5000円相当の自社グループ商品です。100株以上は3月のみで、500株以上は3月と9月の年2回もらえます。
いずれも複数の選択肢があり、たとえば昨年3月末の100株保有時は、ロースハムと焼豚の詰め合わせや、レストラン仕様のレトルトカレー、電子レンジで加熱して食べられる惣菜など、寄付やスポーツ観戦も含めて全7種類が用意されていました。
さらに、500株以上を長期保有している場合は2段階の継続特典があり、3年以上の継続保有で7500円相当、5年以上なら1万円相当に優待金額がアップしますよ!
空気を変えて、暮らしを楽しくする品々【エステー】
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:15万4800円(2/27終値1548円×100株)
■配当金額(会社予想):42円
■予想配当利回り:2.71%
「空気の力で、もっと楽しく暮らしやすく」を掲げる「 エステー 」。消臭芳香剤の「消臭力」、脱臭剤の「脱臭炭」など、空気に関わるニッチな分野で高いマーケットシェアを占める「グローバル・ニッチ・No.1」企業を目指しています。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、消臭芳香剤などのエアケア、「米唐番」や「エステーペット」などのホームケアの売上高が伸びたものの全体としては前年同期比で減収となりました。通期の連結業績については、増収増益を見込んでいて、前期比2円(中間・期末配当で1円ずつ)の増配も予定しています(会社予想)。
株主優待は、3月と9月で必要な株式数が変わり、3月は100株以上で1000円相当、1000株以上で3000円相当の自社製品詰め合わせ、9月は1000株以上で3000円相当の自社製品詰め合わせがもらえます。
たとえば、昨年3月の100株保有時の場合は「消臭力 トイレ用」「脱臭炭 冷蔵庫用」「はるオンパックス Airy」「ファミリー プレミアムプロテクト ビニール中厚手M」の4品でした。いずれも、清潔で快適な暮らしに欠かせない品々。誰にとってもうれしい優待品と言えそうです。
うどんに焼鳥、コーヒーや立ち飲みも!【トリドールHD】
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:41万8800円(2/27終値4188円×100株)
■配当金額(会社予想):7.5円
■予想配当利回り:0.17%
セルフ形式の讃岐うどん専門店「丸亀製麺」をはじめ、傘下の事業会社でさまざまな外食業態を展開している「 トリドールHD 」。国内のみならず海外でも事業を行っていて、国内外の直営・FCを合わせると全1937店舗です(2023年12月末時点)。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、国内外共に多くの業態で売上が増加。「丸亀製麺」事業、国内その他事業、海外事業の3つのセグメントすべてで増収となり、売上収益も事業利益も、第3四半期累計期間(連結業績)としては過去最高を記録しました。なお、通期の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。
株主優待は、100円分の優待券を100株以上で30枚、200株以上で40枚、1000株以上で100枚、2000株以上なら150枚です。
「丸亀製麺」のほか「とりどーる」「コナズ珈琲」「立呑み 晩杯屋」などグループ企業の各業態で利用可能です(一部店舗を除く)。お釣りは出ませんが、1枚が100円分と金額が小さく、一度の使用枚数に制限もないので使いやすいのが魅力。
長期保有優遇制度もあり、200株以上を1年以上継続保有すると、100円優待券が30枚追加されますよ。
人気のカタログギフト優待は今回がラスト!【KDDI】
■優待権利月:3月
■最低投資金額:45万3200円(2/27終値4532円×100株)
■配当金額(会社予想):140円
■予想配当利回り:3.08%
「au」ブランドの通信事業でおなじみの「 KDDI 」。通信サービスを中心としたパーソナルセグメントと、国内外の法人向けにネットワーク・クラウドやデータセンターサービスなどを手がけるビジネスセグメントの2つの領域で事業を展開しています。3月優待の人気銘柄としても知られていますが、来年からは優待内容が変更になることを発表済みです。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、注力しているDXやエネルギー事業の成長により、前年同期比で増収増益を達成。通期の連結業績もわずかながら増収増益を見込んでいます(会社予想)。また、22期連続となる増配も予定しています。
優待内容は、100株以上で3000円相当、1000株以上で5000円相当のカタログギフトです。厳選した全国のグルメからお好きな品を選べます。
5年以上の継続保有者を対象に、長期保有優遇制度もあります。ただし、すでにお伝えした通り次回からは優待内容が変わります。新たな制度では100株以上を1年以上保有した人が対象で、保有期間に応じてポイントや旅行、宅配など自社関連サービスを特典として利用できます。
【優待拡充】長期保有でもっとおトクに!【エディオン】
■優待権利月:3月
■最低投資金額:15万2300円(2/27終値1523円×100株)
■配当金額(会社予想):44円
■予想配当利回り:2.88%
関東から九州・沖縄地方で展開する「エディオン」、北海道・北陸地方を中心に展開する「100満ボルト」という2つのブランドの家電専門店を運営している「 エディオン 」。直営とFCを合わせて1211店舗を展開しています(2023年12月末時点)。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、携帯電話やゲーム・玩具などの売上が伸びた一方、テレビやPCなどの映像家電や情報家電は低調で、前年同期比で減収、2ケタの減益となりました。通期の連結業績については、わずかながら増収増益を見込んでいます(会社予想)。
優待内容は、100株以上で3000円分、500株以上で1万円分、1000株以上で1万5000円分、2000株以上で2万円分、5000株以上で2万5000円分、1万株以上で5万円分のギフトカードです。
エディオンと「100満ボルト」の実店舗で利用できるほか、公式ネット通販の「エディオンネットショップ」でも使えるので、お店が近くにないという人も安心です。
しかも、今回から長期保有者への優遇制度がパワーアップして3段階に。たとえば、100株保有であれば1年以上の継続保有で1000円分、2年以上なら2000円分、3年以上では3000円分が追加されます。長期保有を検討する理由の一つになりそうですね!
国内線をおトクに乗れる!【ANAホールディングス】
■優待権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:32万3400円(2/27終値3234円×100株)
■配当金額(会社予想):30円
■予想配当利回り:0.92%
「全日本空輸」やLCCの「Peach Aviation」など航空事業を中心に、幅広い事業を展開する「 ANAホールディングス 」。
2024年3月期は、第3四半期(2023年10~12月)の旅客数が国内・国際線共に順調で、第4四半期もこの傾向が続くと見られることなどから、第3四半期決算発表のタイミングで通期連結業績予想を上方修正。修正後の通期の連結業績は2ケタの増収増益を見込んでいます。また、今期は5期ぶりの復配も予定しています(いずれも会社予想)。
株主優待は、コードシェア(共同運航)便を含むANA国内全路線の片道1区間を株主優待割引運賃で利用できる「株主優待番号案内書」。
100株以上で1枚、200株以上で2枚、300株以上で3枚など、保有株数に応じて一定のルールで増加し、10万株以上では254枚+800株ごとに1枚追加されます。混雑状況によっては販売座席数が制限される場合もありますが、ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期も利用可能です。旅行や帰省などで国内線をよく利用する人は要チェックです!
さらに、100株以上でANAグループのホテルや空港内売店、ツアーで割引などが受けられるANAグループ優待券(優待クーポン18枚)が入った冊子ももらえます。
100株はQUOカード、200株以上は地域特産品!【テイ・エス テック】
■優待権利月:3月
■最低投資金額:19万5800円(2/27終値1958.0円×100株)
■配当金額(会社予想):73円
■予想配当利回り:3.72%
ホンダ向けを中心に、四輪車用(自動車用)シートなどの自動車内装品の開発・生産を手がけている「 テイ・エス テック 」。海外展開にも積極的で、現在は日本を含めて13ヵ国への供給体制を確立しています。
2024年3月期の第3四半期までの累計期間は、前年同期比で増収かつ3ケタの増益を達成。また、通期の連結業績も増収かつ3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。予想配当利回りは3.72%(2024年2月27日終値で計算)で、配当面での魅力も高い銘柄と言えるでしょう。
株主優待は、100株以上は500円分のQUOカードで、200株以上は保有株数に応じたポイント式のカタログギフトです。
200株以上で3000ポイント、600株以上で6000ポイント、1000株以上で1万2000ポイント(1ポイント=1円相当)がもらえて、自社グループとゆかりのある地域の名産品(食品)を揃えたカタログギフトの中から、好きな商品と交換できます。
さらに、保有区分ごとに2段階の長期保有優遇制度があり、たとえば100株保有なら1年以上の継続保有でQUOカードが1000円分、3年以上なら1500円分に増額します。また、200株保有なら1年以上の継続保有で4000ポイント、3年以上なら5000ポイントに増額します。
100株保有で買い物に便利なQUOカードにするか、200株以上で地域名産品を狙うか、迷っちゃいそうですね!
いかがでしたか? 1年でいちばん多くの優待銘柄が揃う3月。これから優待投資を始めてみたいという人にもぴったりの月です。興味を持ったら、この機会にぜひチャレンジしてみては?