日経平均一時1000円超急落!今後を左右する2つの要因

日興フロッギーNEWS/ 日興フロッギー編集部

3月11日の日経平均株価は一時1000円超の下落となり、3万8820円で引けました。未踏の4万円台を記録した直後の急落。なにが投資家の心理を冷やしたのでしょうか。そこで今回は株価下落の要因を紐解き、今後の相場のヒントを探ります。

年初来で20%上昇していた日経平均

2023年末の3万3464円から2024年3月4日の終値4万109円まで、20%も短期間で日経平均は上昇していました。高値警戒感もありながら、円安や半導体株の上昇がけん引。史上最高値の更新と未踏の4万円台到達を数日のうちに達成しました。

そんな中で、3月11日の日経平均株価は急落。一時1000円超の下落となり、25日移動平均線(3万8409円)にサポートされつつ、3万8820円で取引を終えました。

主な株価急落の背景2つ

株価が急落した主な背景は以下の2つが考えられます。

①エヌビディア(半導体株)の下落
②円高への転換

背景① エヌビディア(半導体株)の下落

まず1つ目は半導体株の変調が挙げられます。前週末の米株市場で、半導体大手エヌビディア株が一時6%超下落したことや、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%下落しました。これまで日本株市場でも半導体株が日経平均をけん引していただけに、投資家心理を冷やしたものと想定されます。

フジクラ
荏原
川崎重工業
SCREENホールディングス
三菱重工業
富士電機
東京エレクトロン
大林組
三菱商事
ジーエス・ユアサ コーポレーション

背景② 円高への転換

2つ目の背景は、ドル円水準の円高への転換が予想されることによるものです。日本では、賃上げ機運の高まりなどから、脱デフレムードが高まり、日銀による「マイナス金利解除」が春にも行われると予想されています。つまり、金利が上がる方向に相場の雰囲気が傾いています。

一方で、米国では時期は後ずれしつつも、次のアクションはFRBによる「利下げ」が意識されています。つまり、金利は低下方向にシフトしつつあります。

一般的に、為替は金利が高まる通貨が買われ、低下する通貨が売られる傾向があります。日米金利差が縮まる方向にあることで、円高・ドル安のトレンドになりつつあるのです。

もちろん、年初から急ピッチで上昇した「スピード調整」の側面もあると思いますが、こうした要因が売りを加速させたものと見られます。今後は「半導体株の下げ止まり」と「為替の方向感」に日本株が左右されそうです。