データセンター特需がここに! 「電気・通信設備工事」関連株が上昇

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株式市場で「電気・通信設備工事」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は6.4%と、東証株価指数(TOPIX、2.1%高)を大きく上回りました(4月12日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

生成AI需要による「工事増に期待」

4月10日、米マイクロソフトは4400億円を投資して日本でAI(人工知能)向けデータセンターを拡充する方針を発表。生成AIの市場拡大に対応しようとデータセンターの建設工事やメンテナンスが今後も増えるとの期待が高まりました。

生成AIは大量のデータ処理が必要で、ネット検索など従来の技術よりも電力を使うため、日本では消費電力が2050年に21年比で4割弱増えるとの予測があります。電力設備の工事需要が増えるとの見方が物色につながりました。

東京電力グループ、工事の増加に期待【東京エネシス】

上昇率首位の「 東京エネシス 」は東京電力ホールディングスの関連会社で、原子力や火力、再生可能エネルギー向けなど幅広い電力設備の工事や整備を手掛けています。生成AIの普及により消費電力が増えれば、電力設備への工事需要も高まるとの見方から、株価は年初から約30%上昇しています。 

11日には24年3月期の期末配当を25円と、従来予想や前の期から5円増額すると発表しました。「利益成長に応じた累進配当」を目指しており、さらなる増配や株主還元の強化が示されるかどうかにも注目です。 

災害時などのBCP対策で注目【きんでん】

上昇率2位の「 きんでん 」は、データセンター内での温度分布の可視化システムや、災害時などにおけるBCP(事業継続計画)対策の電源供給システムを提供しています。地震対策として簡易免振床や天井の耐震補強も手掛けています。 

データセンターのサーバーが高温になると誤作動やシステムダウンを起こす恐れがあり、適切な空調管理が必要です。災害時も被害を最小限に抑え、安定的な稼働が求められます。いずれのシステムや製品もデータセンターの運営には不可欠な存在で、データセンター投資の活性化とともに、需要の拡大が期待されます。

関連システムを手掛ける銘柄にも注目

このほか、「 ダイダン 」はデータセンターの空調・衛生設備工事を担っています。「 関電工 」はデータセンター関連で用いるシステムや機器の開発、電力や通信設備の工事などに取り組んでいます。「 NESIC 」はデータセンターのセキュリティ対策のほか、23年にはKDDIや三菱重工業と共同で液体冷却装置の開発に向けた実証実験に取り組んでいると発表しました。データセンターの建設が進めば、いずれの企業も収益の拡大が期待できそうです。 

投資額は毎年5000億円超か

生成AIやクラウド関連のサービス増加により、データセンターの市場規模は拡大が見込まれます。データセンターの新設や増設には24年~27年、国内事業者だけで毎年5000億円超が投資されるとの予測もあり、工事や整備を手掛ける銘柄は恩恵を受ける公算が大きそうです。 

生成AIブームはしばらく続くとみられており、米エヌビディアなどの半導体メーカーや東京エレクトロンなどの製造装置を手掛ける企業に注目が集まります(『生成AIブームで半導体企業に商機 「エヌビディア」関連株が上昇)。一方、生成AIの運用にはデータセンターの建設や運営、保守なども不可欠です。関連する電気・通信設備工事企業の動向や成長性も目を離せません。