S&P500ってどんな株価指数?

あなたの知らない「インデックスの世界」/ おせちーず須山 奈津希

「日経平均の銘柄、どうやって見直される?」を読む

日本株に日経平均株価やTOPIXという名の通った株価指数があるように、米国株にも名の通った株価指数があります。今回はそれらの指数をご紹介しつつ、そのうちの1つ「S&P500指数」について詳しく解説します。

米国株の代表的な株価指数をご紹介

1. ダウ・ジョーンズ工業株価平均
S&Pグローバル社の一部門であるS&P Dow Jones Indicesが算出している株価指数です。1896年から算出されています。「ダウ株価平均」とか「NY(ニューヨーク)ダウ」とも呼ばれます。これらの呼び名の方が親しみあるかもしれませんね。テレビなどのニュースで米国市場について報道される際によく使われます。この記事でも「NYダウ」と表記します。

ニューヨーク証券取引所や米国の新興企業向けの市場であるナスダックに上場している30社で構成されます。成長性や知名度が高い、米国で設立され、米国に本社を置き、売上高の大半を米国内で得ていることが採用の条件になります。年に2回見直されることになっていますが、30銘柄のみである故か、これまではそれほど頻繁に銘柄の入れ替えが起きていません。「工業株価平均」というくらいなので、輸送業や公益企業など一部のセクター銘柄はそもそも採用の対象外です。

2. S&P500
ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している会社のうち、500社の銘柄で構成されています。1923年に、S&Pグローバル社の前身となる企業が26業種・233の企業を含む複数の指数を開発したのが始まりです。1957年から、500銘柄から算出されるようになりました。ダウ・ジョーンズ工業株価平均と同様、S&P Dow Jones Indicesによって公表されています。

S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしているので、S&P500の上昇や下落は、米国経済の好不調や景気動向を反映しているといえます。米国のGDPは世界の約25%を占めますから、米国株式市場の大半を網羅しているS&P500の動きを世界経済の先行指標と考える投資家が多く、その値動きは常に注目されます。また銘柄数が多いので、NYダウよりも銘柄分散効果を期待できます。

3. SOX
別名を「フィラデルフィア半導体株指数」ともいいます。英語ではPHLX Semiconductor Sector Indexと表記します。もともとフィラデルフィア証券取引所が算出、公表していたため「フィラデルフィア」という地名がつく指数になっています。ナスダックがフィラデルフィア証券取引所を買収しましたが、この指数の名称は変更されていません。

米国の証券取引所に上場されている半導体の設計・製造・流通・販売を行う企業30社で構成されるので、半導体関連の代表的な指数と捉えられています。30社は米国の株式市場に上場していればいいので、「米国企業」である必要はありません。米国預託証券(ADR)を上場している台湾セミコンダクター(TSM)やオランダのASMLホールディング(ASML)も採用されています。もちろん、今や米国株式市場の代表選手と言えるエヌビディア(NVDA)も採用されています。

時価総額加重平均型株価指数で、毎年9月に銘柄見直しが実施されます。NYダウやS&P500とは性格が異なる、かなりとんがった株価指数ですが、2023年からの米国株市場は半導体関連株市場ともいえる様相を呈していますので、敢えてご紹介しました。

S&P500ってどんな株価指数?

さて、ご紹介した3つの米国株価指数から、今回はS&P500にフォーカスします。

1. S&P500の採用条件
採用条件は大きく区切ると4つあります。

・米国企業である
・時価総額が一定以上である
・四半期連続でEPS(1株当たり純利益)が黒字である
・一定の流動性がある

「時価総額が一定以上である」という点がわかりにくいかもしれません。「一定」に該当する値が、時と場合によって変化するのです。
直近では、2024年1月2日に値が変わっています。S&P500に採用されるためには時価総額が158億ドル以上であることが求められます。1ドル=150円で計算すると約2兆4,000億円ですから、日本株なら相当の大型株の水準になります。市場の好調さを反映して、引き上げられています。一方、2008年にはその値が下がりました。これは、いわゆるリーマン・ショックによる株式市場の低迷を受けて、しきい値を下げたのだと考えられます。「時と場合によって変化」してきたのが、S&P500に採用されるための時価総額基準です。

2. 時価総額加重平均型株価指数である
「加重平均」については以前、こちらで「単純平均」との違いを合わせてご紹介しています。日経平均株価は「単純平均」型でした。S&P500はその銘柄の浮動株ベースの時価総額で加重平均された株価指数です。浮動株というのは、実際にマーケットで取引される株式という意味です。例えばCEOが保有する株式は容易に取引できません。CEOはその株式に関して非常に詳しい情報を持っている人です。ですから、いわゆる「インサイダー」になります。「インサイダー」の取引は厳しく制限されています。このような株式は浮動株ではないと見なされるのです。

3. 銘柄見直しは3の倍数月に実施される
銘柄見直しが3、6、9、12月に実施されます。
直近では、2024年3月にコンピュータメーカのスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)と「UGG」ブランドなどで知られる履物販売・卸売のデッカーズ・アウトドア(DECK)が採用され、大手家電製造・販売大手ワールプール(WHR)と地銀大手ザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)が除外されています。

4. 「一定の流動性がある」とは
コンスタントにそれなりの株式数が取引される必要があるということです。浮動株ベースの時価総額がすごく大きくても、取引がほとんど起きないような銘柄であれば、S&P500にふさわしくないということです。どんな投資家にも取引しやすい、という意味だと解釈していただければいいでしょう。

東証ETFにもS&P500連動商品がある

S&P500に連動する金融商品はたくさんあります。NISAを利用している方であれば、投資信託を利用している人が多いかもしれません。

東証に上場するETFにもS&P500に連動する商品がいくつかあります。信託報酬率が0.07%(年、税込み)程度の商品もあります。東証ETFは投資信託で言うところの「販売会社」への信託報酬がないので、コストが低くなる傾向があります。東証ETFであれば、日興フロッギーで100円から購入できます。ETFは金額単位できっちり注文できないなとお考えの方でも、フロッギーなら100円や1,000円という単位で購入できますから、投資信託と大差ありませんね。

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