新たな成長期待も浮上 「化粧品」関連株が上昇

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株式市場で「化粧品」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は2.7%と、東証株価指数(TOPIX、0.0%)を上回りました(5月10日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します! 

好決算だけでない、新たな成長ドライバーを好感

「化粧品」関連株が買われた直接のきっかけは決算発表で好業績が確認されたことです。決算はインバウンド(訪日外国人)の回復や値上げ効果などで、大幅な増収増益となりました。

しかし、化粧品関連株が買われた背景には、好業績だけでなく新たな成長期待もありそうです。新しい中期経営計画に示された成長ドライバーも株価上昇を後押ししました。

日本や欧米が好調で純利益78%増【コーセー】

上昇率首位の「 コーセー 」が5月8日に発表した2024年1~3月期連結決算は、売上高が前年同期比14%増の775億円、純利益が同78%増の69億円でした。

地域別では中国が低迷した一方、インバウンドの回復による日本や、傘下の米タルトが展開する米国や欧州などが好調でした。大幅な増収増益決算が好感され、株価は翌9日、前日比18%の大幅高となりました。

新中計で海外強化の姿勢示す【ファンケル】

上昇率2位の「 ファンケル 」も8日に24年3月期決算を発表。純利益は前期比78%増の88億円と好調でした。同社はサプリメント事業も展開していますが、小林製薬の「紅麹(こうじ)」原料問題に関する影響が限定的だったのも安心材料となりました。

決算と同時に、27年3月期連結決算を最終年度とする新中期経営計画を発表。売上高で24年3月期比20%増の1330億円、営業利益で52%増の190億円などの目標を掲げました。海外展開を強化し、化粧品事業は中国の越境EC(電子商取引)に加え一般販売を開始し、ASEAN(東南アジア諸国連合)にも段階的に進出します。

決算発表前の銘柄にも物色

Iーne 」は「ボタニスト」ブランドでシャンプーなどを展開。「 花王 」は9日に発表した24年1~3月期連結決算(国際会計基準)が値上げなどの寄与により、純利益が前年同期比3.4倍の164億円と好調でした。「 ロート製薬 」は機能性化粧品などを手掛けています。好調な業績を発表した企業が多く、決算発表前の銘柄の一角にも買いが優勢となりました。

ASEAN進出加速で成長持続

22年の年末、中国で厳格に運用されていた「ゼロコロナ政策」が緩和された際、外出機会の増加により、化粧品需要が回復するとの期待から化粧品関連銘柄が買われました(『中国「ゼロコロナ政策」に緩和期待 「化粧品」関連株が上昇)。

足元、その中国では競争が激化、また国内市場には頭打ち感も漂っています。そのなか、化粧品メーカーは次の新たな成長ドライバーとして、ASEAN進出を加速しています。人口が増加している東南アジアは有望マーケットとされ、市場規模は28年に147億ドルと21年比で2.6倍になるとの予測もあります。

有望視されるASEANへの進出を加速し、高いシェアを獲得できる製品を生み出せるかどうかが、銘柄選びの重要なポイントになりそうです。