国際情勢に対応し整備を強化 「防衛」関連株が上昇

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株式市場で「防衛」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は3.4%と、東証株価指数(TOPIX、0.6%)を上回りました(5月17日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

米戦闘機の国内整備を拡大と伝わる

株価上昇のきっかけは、国内で整備する米戦闘機の対象機種を広げるという報道です。戦闘機の短期間での補修を実現し、中国などの動向に機動的な対応ができるようにするのが狙いで、日米両政府は2025年以降の運用開始を目指しているようです。防衛費の増加を背景に防衛事業の成長を見込んだ新中期経営計画を発表した企業も買われました。

今期の防衛受注、1100億円超【日本製鋼所】

上昇率首位の日製鋼は防衛機器の製造や整備をしています。今年2月に防衛省から装甲車を受注したほか、電気エネルギーから発生する磁場を利用して弾丸を打ち出す兵器「レールガン」の研究開発も担っています。

同社は16日に開いた24年3月期連結決算の説明会で、25年3月期の防衛関連機器の受注額が前期比60%増の1130億円になるとの見通しを発表しました。業績拡大の見通しを好感し、発表後に株価は年初来高値を更新しました。

戦闘機向け部品を製造【東京計器】

上昇率2位の東京計器は、国内での整備対象に加えると伝わった「F-15」戦闘機など航空自衛隊向けのレーダーなどを手掛けています。同社は10日に発表した27年3月期連結決算を最終年度とする新しい中期経営計画で収益力の向上などを掲げました。

新中計では27年3月期の売上高を24年3月期比で28%増の603億円、営業利益を74%増の48.1億円、ROE(自己資本利益率)を8.4%(24年3月期は6.5%)に引き上げる目標を掲げました。防衛事業の成長が支えとなり、過去最高の収益を目指します。翌営業日の13日に株価が前週末比19%の大幅高となりました。

整備実績のある企業も

三菱重は航空自衛隊機で整備実績があり、政府が米戦闘機の受け入れ拡大を打診すると伝わりました。同社の防衛事業は27年3月期連結決算(国際会計基準)までに売上高に当たる売上収益で1兆円規模と、24年3月期の約6000億円から6割超増やす計画を掲げています。

豊和工は防衛省・自衛隊向けの自動小銃や装備品を製造しています。15日発表の24年3月期連結決算で示した25年3月期の大幅な増収増益見通しが好感され物色されました。

IHIも三菱重工業と同様に、政府が米戦闘機の受け入れ拡大を打診すると報道されています。

24年度の防衛費は過去最大の7兆円超

政府は22年末に「防衛力整備計画」策定し、23~27年度の防衛費は前回計画から1.6倍の43兆円と大幅に増やしました(『安全保障強化で需要拡大期待 「防衛」関連株が上昇)

北朝鮮や中国、ロシアなどの軍事活動が活発化しているのを背景に、政府は防衛力を強化する方針を鮮明にしています。企業の防衛関連事業は政府の方針や国際情勢の動向に左右されやすいため、安全保障を巡る日々のニュースを注視して銘柄選びに役立てていきたいですね。