これまで、日本株を代表する株価指数である日経平均株価、米国株を代表するS&P500、そして世界47ヵ国の株式を投資対象とするいわゆる「オルカン」についてご紹介してきました。そろそろ株式インデックスが出そろったんじゃないの? と、思っていらっしゃるのでは。いやいや、実は他にもファンが多い株式インデックスがあるのです。
MSCIコクサイとは
今回ご紹介する株式インデックスは「MSCIコクサイ」です。ここまでお読みになって「MSCIは聞いたことがある、えーと、そうそう、オルカンを算出している会社だった。だけど、コクサイって何だ? しかも『国際』じゃなくてカタカナだし」など、スマホやPCの前でつぶやいているかもしれませんね。
「MSCIコクサイ」を数学の式のような形で表現すると以下のようになります。
「オルカン」から新興国と日本を引き算したら何が残りますか? そうです、日本を除いた先進国です。ですから「MSCIコクサイ」の別名は、”MSCI World ex Japan index”です。まさに「日本を除いた」株式インデックスで、日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株、約1,250銘柄で構成され、時価総額でみて市場の約85%をカバーしている株式インデックスです。
「初めて聞いた!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は機関投資家には長年よく知られた株式インデックスで、個人投資家にもファンが多いのです。
長い間外国株式運用のベンチマークにされていた
「MSCIコクサイ」が機関投資家に長年よく知られていた理由は、外国株式運用のベンチマークにされていたからです。「ベンチマーク」はもともと測量用語ですが、資産運用の世界では、運用の指標としている基準を意味します。日本株運用ならベンチマークはTOPIXを用いることが多いです。資産運用では株式、債券といった資産別にベンチマークを設定するのが一般的です。例を一つ挙げましょう。
年金積立金管理運用独立法人、略称「GPIF」は、厚生労働大臣から寄託された年金積立金の管理・運用を行っています。世界で屈指の運用資産を有する機関投資家です。多くの読者の皆さまが納めている公的年金保険料は、給付に充当されていないお金が年金積立金として運用にまわされています。その運用は資産別に配分割合が概ね決まっています。おおむね、4つの資産を均等に運用するのが基本です。
この、4つの資産クラスのうち、「外国株式」のベンチマークは、現在「オルカン(除く日本)」です。しかし2016年度までは「MSCIコクサイ」でした。
世界で屈指の資産規模を持つ機関投資家がベンチマークにしていたためか、他の資産運用においても外国株式運用については「MSCIコクサイ」が使われることが多かったのです。ですから、「MSCIコクサイ」は資産運用業界に長く身を置く人たちによく知られた株式インデックスです。実際、「MSCIコクサイ」に連動する金融商品は多く、純資産が数千億円の大型投資信託もあります。こうしたことから個人投資家にもファンが多い株式インデックスなのです。
構成を確認
国別の構成を確認しましょう。
米国が75%超と全体の4分の3を占めます。英国、フランス、カナダ、スイスが続きます。この上位5ヵ国で約90%を占めますので、22ヵ国の株式で構成されるとはいえ、米国株のウエイトは大きいですし、アジアの先進国株式はわずかであることがわかります。
こんな人にオススメ!
「MSCIコクサイ」連動商品への投資が向いている人はずばり、「日本株は個別株か投資信託でそれなりに持っているけれど、外国株式投資も興味がある。だけど新興国株式は無くてもいいかな」という方です。既に保有している日本株と「MSCIコクサイ」連動商品で、先進国株式投資を実現しようという目論見です。
「オルカン」をご紹介した時に触れていますが、新興国株式が「オルカン」に占める割合は10%程度です。それを「無くてもいいや!」と思うのであれば、「MSCIコクサイ」連動商品は外国株式インデックス投資の有力候補になりえます。
外国株式は国によっては個別株投資が容易ではない場合が多いです。現状、米国株はだいぶ普及してきました。また、その他の国、たとえば先進国に該当するポルトガルやイタリアの個別株に日本から投資することも不可能とは言いません。しかし、気軽さの面では米国株のようにはいかないでしょう。また、外国株式の銘柄選びは言語の違いなどで日本株ほど容易ではないと感じる方がいらっしゃると思います。そのような方は、銘柄選びについてはインデックスを作っているプロの力を借りることにして、日本を除く先進国に丸ごと投資してしまってはいかがでしょう? ということです。
MSCIコクサイのパフォーマンスは?
では、「MSCIコクサイ」のパフォーマンスを確認しましょう。他の株式インデックスと比較するとより理解しやすいと思いますので、外国株式インデックス同士の比較をするために、既にご紹介した東証に上場しているS&P500とオルカンに連動するETFも含めてみました。東証に上場しているETFであれば、為替レートも考慮されていますので、日本における投資の比較では有効でしょう。期間は5年です。
最もパフォーマンスが良好だったのがS&P500、続いてMSCIコクサイ、最後にオルカンとなっています。オルカンより米国株式の割合が高いMSCIコクサイが米国株の好パフォーマンスをより高く反映していることがわかります。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信
もちろんフロッギーでも取引できる
「MSCIコクサイ」連動ETFを保有すれば、間接的にですが世界トップの食品メーカー・ネスレや様々な高級ブランドを傘下に持つモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)にも投資することになります。あのヨーロッパ企業も含まれていて、自分が株を持てると知ったら、ちょっと興味がわきませんか?
フロッギーで「MSCIコクサイ」連動商品を取引することが可能です。さらに100円から金額指定で投資することができます。100円で気軽にヨーロッパ企業等のプチオーナーになりましょう。
iシェアーズ・コア MSCI 先進国株(除く日本)ETF
上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI−KOKUSAI)
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信