金利が上がっても、住宅ローンは「変動」で借りなさい

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

日本最大級の住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の運営者による、まるまる一冊住宅ローンの戦略本! 読めば、数百万円単位で得する可能性あり。

住宅ローンは借りると儲かる? インフレの今こそ狙い目

投資の本でワクワクすることはあれど、まさか住宅ローンの本でワクワクするとは思いませんでした。住宅ローンは実は借りると儲かるのだそうです。

昨今の変動金利は平均0.4%前後ですが住宅ローン減税を使えば最長13年間毎年0.7%の税金が戻ってくる! この時点でお得ですが、住宅ローン契約時しか加入できない団体信用生命保険(団信)のメリットはさらに大きいです。

団信の掛け金は一般的な生保の半分以下、けれど、保障内容はほぼ同じ。なおかつ昨今のインフレ時代突入ときて、不動産の含み益が出やすい時期。本書では「変動金利+資産運用」で35年間トータルで実質金利ゼロの裏技にも触れています。

いやいや、この先、金利が上がったらどうする? 固定金利の方が無難では? と思う向きもいるでしょう。本書の答えは「金利が上がったとしても変動の方が有利」。

固定金利は現在1.8%と変動に比べかなり高く、変動が固定を上回るにはこの先6回もの利上げが必要なのだとか。自分をはじめ勘違いしている方も少なくないと思うのですが、金利は毎年均等に発生するわけではありません。35年ローンであれば最初の10年で約半分を占めるのだそうです。

つまり、購入の序盤で金利を安く抑えられる変動の恩恵は大きいのです。これでもまだ腑落ちしない? そんな消費者のための、変動金利30パターンのシミュレーションがまた圧巻。上昇幅や高金利の期間に幅を持たせ、これなら金利素人でもイメージしやすいと思いました。

著者は巷の住宅ローン記事を読むたびにモヤモヤしていたと言います。「固定と変動、どっちがいいの?」と銘打っているのに、最後まで読んでもどちらなのかがよくわからなかったり。一方の本書は「持ち家VS賃貸」「20年払いVS30年払い」等の対決もズバリ結論を言ってくれます。

おすすめ銀行の比較もあり、データとしても読み物としても、家購入時や住宅ローンを乗り換える際に重宝できる一冊です。