連続増配や業績上方修正も! 9月の配当金銘柄8選

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

配当金がもらえる銘柄を紹介する連載がスタート! 日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じて配当がもらえます。今月は、決算期が9月で配当がもらえる銘柄のうち、魅力的な配当を実施していて業績予想も好調な銘柄を8銘柄ご紹介します。

※決算期が9月の上場株式のうち、配当利回りが3%以上(8/27終値時点)かつ時価総額が50億円以上で、営業利益が減益予想のものは除いて選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は9月26日(木)です
※キンカブの株式は当社名義のため、キンカブで保有している株式の配当金は、一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。

配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100

会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。

配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。

配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100

配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

12期連続で増配!【ノエビアHD】

■銘柄名(コード):ノエビアHD(4928)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:5710円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):220円(期末220円、中間0円)
■予想配当利回り:3.85%
■株主優待:なし
■連続増配:12期(実績)

傘下に、カウンセリング化粧品などを販売する「ノエビア」や、「南天のど飴」などで知られる「常盤薬品」といった事業会社を複数抱える「 ノエビアHD 」。売上高の7割以上を占めるのは化粧品事業で、高機能の基礎化粧品が中心の「ノエビア」から、お手頃価格帯の「なめらか本舗」「エクセル」など幅広く展開しています。

同社の株主還元に関する基本方針は、中長期的な事業展開と経営体質の強化のための内部留保を確保した上で、株主への安定的な配当を継続するというものです。期末一括配当で、現時点の情報では1株あたり220円(会社予想)が9月末を基準日に支払われる予定です。なお、前期まで12期連続での増配となっています。

2024年9月期の第3四半期までの累計期間は、医薬・食品事業が前年同期比で減収営業減益となったものの、主力の化粧品事業及びその他事業は同増収営業増益を達成しました。また、通期の連結業績については、増収増益を見込んでいます(会社予想)。 株価が比較的高めなので、キンカブを利用して配当をもらいながら少しずつ購入していくのもいいかもしれませんね。

お手頃化粧品を企画・製造・販売【粧美堂】

■銘柄名(コード):粧美堂(7819)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:552円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):20円(期末10円、中間10円)
■予想配当利回り:3.62%
■株主優待:あり
■連続増配:ー

化粧品や化粧雑貨などのパーソナルケア商品を、自社ブランドとOEM(委託を受けて他社ブランドの製品を製造すること)で幅広く手がけている「 粧美堂 」。100円ショップやドラッグストアなどで購入できるアイテムが中心で、企画から販売まですべて自社で行えることが強みです。また、コンタクトレンズ関連では、国内のほか中国など海外での販売にも力を入れています。

配当は、第2四半期末と期末の年2回実施。過去4期の配当性向はそれぞれ47.2%(2023年9月期)、25.8%(2022年9月期)、64.0%(2021年9月期)、220.3%(2020年9月期)です。なお、2020年9月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大幅減益となったことで、配当性向は高い数値となっています。

同社には株主優待制度もあり、300株以上で3000円相当の自社企画商品がもらえます。昨年は、入浴剤と液体歯磨きのセットでした。さらに、300株以上を3年以上継続して保有すると、1000円分のQUOカードが追加されますよ。

2024年9月期の第3四半期までの累計期間は、均一ショップ向けの化粧品やネイル関連雑貨、カラーコンタクトレンズなどが好調で、前年同期比で増収となりました。また純利益は、連結子会社の持ち分譲渡に伴う売却益があったことで同2ケタの増益となりました。通期の連結業績も、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

2024年9月期は業績予想の上方修正を発表【FPG】

■銘柄名(コード):FPG(7148)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:2300円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):105.85円(期末67.10円、中間38.75円)
■予想配当利回り:4.60%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)

FPG 」は、「金融で未来を拓く」を企業理念に、金融に関わる事業を展開している企業です。現在は、リースファンド事業、国内不動産ファンド事業、海外不動産ファンド事業という3つの事業が柱で、さらにM&A事業や航空事業などにも事業領域を拡大しています。ちなみに、「FPG」とは「Financial Partners Group」の頭文字を取ったものです。

2024年9月期の第3四半期までの累計期間は、リースファンド事業の販売額が第3四半期累計期間として過去最高を更新。国内不動産ファンド事業でも、第3四半期累計期間の販売額が通期の過去最高額を大幅に更新しました。こうした状況を受けて、第3四半期決算の発表直前に、今期の連結業績を上方修正。修正後の通期の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)

期末配当も同じタイミングで上方修正していて、年間配当は前期比32.85円増の105.85円を予定しています(会社予想)。同社の株主還元策は、持続的な成長と企業価値向上のために必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としていて、連結配当性向の目安は50%です。なお、今期から中間配当も実施しています。

神奈川県に特化して展開する学習塾【ステップ】

■銘柄名(コード):ステップ(9795)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:2016円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):74円(期末37円、中間37円)
■予想配当利回り:3.67%
■株主優待:あり
■連続増配:9期(実績)

神奈川県で、高校受験と大学受験を目指す児童・生徒向けの学習塾を運営する「 ステップ 」。神奈川県の学校情報や入試制度に精通していて、神奈川県に特化しているのが大きな特徴となっています。2024年4月末現在、県内に153のスクールがあり、生徒数は3万3475名です。

同社は、2023年9月期まで9期連続の増配を行っていて、配当性向は2023年9月期より、「30%を目安」から「50%を目安」に引き上げました。2024年9月期も年間配当金額は前期比2円増の74円を予定しています。

株主優待制度もあり、毎年9月に100株以上の保有で500円分、500株以上で1000円分、1000株以上で1500円分のQUOカードがもらえます。さらに3段階の長期保有優遇制度があり、たとえば100株保有なら6ヵ月以上の継続保有で1000円分、1年以上で1500円分、2年以上なら2000円分、ともらえるQUOカードの金額がアップします。

2024年9月期の第3四半期(4~6月)は、3月までの入試結果の好調が生徒募集に良い影響を与え、6月末時点の生徒数は前年同期比で4.3%増となりました。今第3四半期の累計期間は前年同期比で増収かつ2ケタの増益となり、通期の連結業績についても増収増益を見込んでいます(会社予想)。

期末配当の増額を発表!【東陽テクニカ】

■銘柄名(コード):東陽テクニカ(8151)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:1581円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):67円(期末42円、中間25円)
■予想配当利回り:4.23%
■株主優待:なし
■連続増配:6期(実績)

工作機械の輸入販売からスタートし、2023年に設立70周年を迎えた「 東陽テクニカ 」。計測技術のリーディングカンパニーとして、情報通信や自動車、環境エネルギー、海洋調査、ソフトウェア開発といった分野で、顧客のニーズに応える最先端の計測ソリューションを提供しています。また、製品提供にとどまらず、顧客のパートナーとして新サービスの創出にも取り組み、循環型ビジネスによる安定的な収益確保を目指しています。

配当政策は、自己資本に対する当期純利益の割合を示す「DOE(自己資本配当率)4%」と、連結配当性向60%のどちらか大きい方の配当額を選択することを基本方針としています。この方針に従って、2024年9月期の第3四半期決算発表のタイミングで、今期の期末配当を増額修正しました。今期の年間配当は、前期比13円増となる67円を予定しています(会社予想)。

現在は、2024年9月期を最終年度とする中期経営計画が進行中です。経営指標として連結売上高300億円、連結営業利益35億円、ROE8.0%の達成に向けて、成長戦略を推し進めています。なお、通期の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

5年連続で「健康経営優良法人」に認定【扶桑電通】

■銘柄名(コード):扶桑電通(7505)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:1789円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):63円(期末53円、中間10円)
■予想配当利回り:3.52%
■株主優待:あり
■連続増配:ー

通信設備事業からスタートして、2023年に創立75周年を迎えた「 扶桑電通 」。「ココロ躍る未来を創造する ICTデザインパートナー」という経営ビジョンのもと 、ネットワーク構築を行うネットワーク部門、システムの設計から運用・保守の支援まで手がけるソリューション部門など、4つの部門で事業を展開しています。

同社の配当政策は、配当性向35%程度を目安にするとしています。具体的には、普通配当を1株20円として中間と期末に10円ずつ実施。配当性向をめどに計算した金額が20円を上回る場合は、その差額を特別配当として期末に実施します。この方針に基づき、今期は1株あたり合計63円の配当を実施する予定です(会社予想)。さらに株主優待もあり、毎年9月に100株以上の保有で1000円分、1000株以上で3000円分のQUOカードがもらえます。

現在は、2024年9月期を最終年度とする第2期中期経営計画が進行しています。主な活動実績として、主力ビジネスの拡大や新分野・新領域への挑戦のほか、「健康経営優良法人2024」に5年連続で認定されたことなどを挙げています。なお、2024年9月期通期の業績は、増収増益を見込んでいます(会社予想)

マニュアル制作で培った深い知識が強み!【シイエム・シイ】

■銘柄名(コード):シイエム・シイ(2185)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:1210円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):44円(期末44円、中間0円)
■予想配当利回り:3.63%
■株主優待:なし
■連続増配:6期(実績)

シイエム・シイ 」は、長年にわたりマニュアル制作に携わってきた企業です。現在は、マニュアル制作で培った深い製品知識や最適な伝え方のナレッジなどの強みを活かして、技術情報や人財育成、業務標準、販売戦略という4つの領域で、多種多様なサービスを提供しています。

同社の配当は期末一括配当で、2023年9月期まで6期連続で増配しています。今期も1株あたり前期比6円の増配を予定(会社予想)していて、今後も継続的な増配を目指す方針です。また、過去10年で6回の自己株式取得を行っていて、機動的な資本政策にも力を入れています。自己資本比率78.3%(6月末時点)という強固な財務基盤を背景に、先行投資を着実に進めるとともに、引き続き株主還元の強化も視野に入れるとしています。

2024年9月期は「投資先行の期」という位置付けで、商材開発などの成長戦略を進めています。第3四半期までの累計期間については、売上高が概ね計画通りだった一方、固定資産の取得に伴う一時的な費用の計上があり、前年同期比で増収ながらも2ケタの減益という結果になりました。なお、通期の連結業績は増収増益を見込んでいます(会社予想)。

農業に欠かせない防除機を製造【丸山製作所】

■銘柄名(コード):丸山製作所(6316)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:2458円(8/27終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):85円(期末85円、中間0円)
■予想配当利回り:3.45%
■株主優待:あり
■連続増配:4期(実績)

1895年に創業し、なんと120年以上の歴史を持つ「 丸山製作所 」。現在は、農林業用機械、産業機械、防災関連の3つの分野で、独自のポンプ&エンジンの製造・開発ノウハウを活かした製品を手がけています。中心は農林業用機械分野で、果樹や水田、広い畑など用途に合わせたさまざまな防除機のほか、刈払機やチェンソーなど多様な商品を扱っています。

同社の株主還元策は、将来の事業展開に必要な内部留保や各種投資、業績見込みなどを勘案した上で、配当性向25~30%の安定的な配当を継続することを基本方針としています。株主優待制度もあり、100株以上の保有で同社製品の割引クーポンがもらえます。また100株以上を1年以上継続保有すると、1000円分のQUOカードがもらえます。さらに、3年以上、5年以上、7年以上という継続保有期間に応じた特典もあります。

2024年9月期の第3四半期までの累計期間は、農林業用機械で国内の大型防除機の売上高が増加した一方、工業用機械などの売上高は振るわず、前年同期比で減収かつ2ケタの減益となりました。ただ、通期の連結業績は、売上総利益率の改善に向けた対策を講じていることなどから期初予想を据え置き、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

いかがでしたでしょうか? 配当金生活を目指すなら、”とらぬ狸の皮算用”ではないですが「今月はこれくらい配当がもらえるかも……!?」と計算してみるのもひとつの手かもしれません。気になる銘柄があったら、ぜひ検討してみてくださいね。

配当の内容は2024年8月27日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は10/11(金)配信予定です。