いざ投資を始めたい! そう思い立った時に気になるのが「投資金額」。貯金と投資はどのくらいの比率? みんなの投資金額は? 長期的な運用には、投資先だけでなく投資金額もとても重要です。今回は、投資金額の決め方を確認していきましょう。
お金に「名前」、ついていますか?
投資金額をいくらにしようか決める第一歩として、ご自身が今持っている資産に名前を付けてみましょう。具体的には、「すぐ使うお金」「使う予定のあるお金」「しばらく使わないお金」の3つです。
・「使う予定のあるお金」
・「しばらく使わないお金」
「すぐ使うお金」とは、この1ヵ月の間に使うお金のこと。例えば今お財布に入っていて、明日スーパーで買い物をするときに使うお金のことです。2つ目の「使う予定のあるお金」は、いつ使うかは決まっていないけれど、その目的が決まっているお金。例えば教育資金や車購入費用、自宅の修繕費などは、具体的な日程は決まっていませんが、目的は決まっていますよね。最後の「しばらく使わないお金」は、使う予定や目的がない、ぼんやりとした状態のお金です。投資資金としてふさわしいのは、このお金。まずはこの「しばらく使わないお金」を投資に回してみましょう。
投資に回せるお金がないとき、考えたいこと
自分の資産に名前を付けてはみたけれど、投資に回せる「しばらく使わないお金」がない! という方もいらっしゃるのでは?
そんな時は下記の式に当てはめて考えてみましょう。
受け取った収入の使った残りを投資に回すのではなく、収入から先取りで貯蓄や投資を行って、余った分を支出に回すという方法です。余裕資金なんてない、と思われるかもしれませんがお給料日前のお財布に入っている1,000円を、投資に回すと決めてみるのも1つの手。まずは1歩踏み出してみましょう。「投信つみたてプラン」を利用すれば、事前に決めた金額を毎月投資に回してくれます。自動的に投資の枠を作りだすことができるので、こうした仕組みも積極的に活用してみましょう。
実際、みんなはどのくらい投資をしてる?
自分の投資できる金額が少しずつ見えてきたところで、20代から60代の資産割合と投資の金額をご紹介します。下の図1は、年代ごとの金融資産の割合を、「貯金」「保険」「運用資産」に分けたもの。図2は運用資産の金額を表したものです。
働き盛りの30代がもっとも運用割合が多く、金額にすると223万円を運用しています。また、退職後の60代は二番目にリスク資産が多くなっています。金額にすると一番高い665万円。その反対に、年齢が若くリスクを取ることが可能な20代は運用金額47万円と、運用額が低めです。よく勉強してからリスク資産への投資を始めよう、と思っている方が多いのかもしれませんね。
運用資産はライフイベントに応じて組み替えよう!
投資に回す金額を決めたところで、次に重要なのは資産ごとの割合。リスクの高い株と、リスクが中程度の債券、その他金などの商品をどう組み合わせるかです。その組み合わせで運用成績の8割が決まるとも言われているほど大切です。
資産配分はどう決めたらよいのでしょうか。年齢別で考えると、20代でお金も時間もある人は株式を中心に運用し、50代で退職を目の前に控えている人は債券を多めにして、リスクを抑えることを意識してみると良いかもしれません。
株や債券などのリスク資産、と一口にいっても、どのくらいのリターンを追い求めるかで、その内訳は変わってきます。
ここで重要なのが、コア・サテライト戦略という考え方。自分の資産を、守りの「コア」と、攻めの「サテライト」という2つの資産に分けて管理する方法です。これから必要になるかもしれない資産は安定的に運用するコア資産、それ以外のお金は高いリターンを狙うサテライト資産と、分けて考えることでリスクの調整がしやすくなります。
コア資産とサテライト資産の割合は、一般的には「7:3」が理想的といわれていますが、自分の年齢や資産状況、投資経験に照らし合わせて変えてみても良いでしょう。
コア資産は「 インデックスファンド225(日本株式) 」や「 SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド 」などのインデックスファンド、サテライト資産は米国のテクノロジー関連株に投資をする「 netWIN GSテクノロジー株式ファンド 」や米国の成長著しい株に投資をする「 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 」といったアクティブファンドも1つの選択肢になるかもしれません。
さっそく投資を始めよう!
ここまで、いろいろな方法で投資金額を考えてきました。集約すると以下の2ステップにまとめられます。
2.コア・サテライト戦略を考えて、全体でコア資産が多くなるように金額を決める。
この2ステップで、自分に見合う投資金額がなんとなくつかめたのではないでしょうか。
もちろん一括投資もよいですが、一気にたくさんのお金を投資に回すことに抵抗のある方は、無理のない範囲で少しずつから始めてみましょう!