日本時間11月6日の朝方からはじまった米大統領選の開票。開票速報があるたびに日本株と為替は大きく動きました。そこで今回は大統領選に大きく左右された6日の株式市場とその背景をサクッと解説します。
トランプ氏優勢で株価急上昇
日本時間15時時点では民主党カマラ・ハリス氏210票に対し、共和党ドナルド・トランプ氏246票という状況となっています。まだ確定していない州や僅差の州もあるため、結果が確定するまでにはやや時間を要すると見られます。
過去には接戦だったために、確定まで投開票から1カ月を要した時がありました。2000年の大統領選です。南部フロリダ州で共和候補のブッシュ氏と民主候補のゴア氏がともに291万2000票台だったため、法廷闘争に発展。結果は537票の僅差でした。
ただ、足元ではトランプ氏優勢の報道を受けて日本株市場は買いが優勢。日経平均株価は一時1100円高となる場面もあり、ドル円も一時154円台をつけました。
7つの激戦州
激戦州と言われる7つの州については、トランプ氏がノースカロライナ州(選挙人16人)ジョージア州(同16人)を獲得。また、同様にトランプ氏がペンシルベニア州(同19人)、ミシガン州(同15人)、ウィスコンシン州(同10人)、アリゾナ州(同11人)、ネバダ州(同6人)でそれぞれ優勢となっています。
「トリプルレッド」とイベント通過で株に追い風か
併せて実施されている議会選挙の動向も株高の要因になっています。米国の大統領選挙では、①大統領、②議会下院(全議席)、③議会上院(一部議席)の3つの投票が同時に行われます。したがって、大統領だけでなく、下院や上院でも民主党・共和党どちらが優勢となるかによって、予算案などの法案が通過し易くなるかどうかが決まります。
6日15時時点では、いわゆる「トリプルレッド(大統領、下院、上院すべてが共和党優勢)」の可能性が高まっており、トランプ氏の掲げる政策が実現しやすいと想定されます。トランプ氏は法人税減税や中国製品への高関税、不法入国・滞在の取り締まり強化などを掲げており、これら政策に相性の良い企業にとってはプラスになりそうです。
目先はこのトリプルレッドによる政治的なねじれ解消と、大きなイベント通過による不透明感払拭によって、株式市場には追い風が吹きそうです。
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