日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じて配当がもらえるのをご存じですか? 今月は、決算期が11月の銘柄のうち、配当に魅力があり、業績予想も好調な6銘柄をご紹介します。
※特別に記載がない場合、権利付最終日は11月27日(水)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。
また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。
「金属ホック」など高シェア商品多数【モリト】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:1378円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):58円(期末29円、中間29円)
■予想配当利回り:4.20%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)
明治時代に、ハトメやホックの仲買商としてスタートした「 モリト 」。現在では、メーカー要素も併せ持つ商社として、アパレル関連・プロダクト関連・輸送関連の3つの事業を国内外で展開しています。
ニッチな分野で高いシェアを獲得しているパーツを多数扱っているのが強みで、たとえば金属ホックは国内で1位、世界でも2位のシェアを獲得。他にも、マジックテープやインソールなどおなじみの商品で国内シェア1位となっています(いずれも同社調べ)。
2023年度から利益配分に関する基本方針を変更して、現在は次の3つの基準で配当を出しています。①安定的かつ継続的配当、②配当性向50%以上、③連結自己資本配当率(DOE)4.0%。2024年11月期は、前期比3円の増配を予定(会社予想)していて、実現すると4期連続での増配となります。
今第3四半期までの累計期間は、アパレル関連事業で欧米向け商品の在庫調整が回復したことや売上高総利益率が改善したことなどから、前年同期比で増収かつ2ケタの増益を達成。通期の連結業績は増収増益を見込んでいます(会社予想)。
1年以上の継続保有で優待も!【アステナHD】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:503円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):18円(期末9円、中間9円)
■予想配当利回り:3.57%
■株主優待:あり
■連続増配:――
1914年に薬種問屋として創業し、2021年に持株会社体制への移行とともに、旧社名の「イワキ」から社名を変更した「 アステナHD 」。傘下の事業会社では、原材料の調達から医薬品の開発・製造までに関わるファインケミカル事業をはじめ、HBC(Health & Beauty Care)・食品事業、医薬事業、化学品事業などを手がけています。
同社の配当政策は、純資産配当率(DOE)1.5%を下限とし、配当性向は30%が目安です。
また、500株以上を1年以上継続して保有した場合には、株主優待制度もあります。たとえば、500株を保有している場合は3000円相当の自社商品や1000円相当の商品が選べるカタログギフトから一つを選択できます。3年以上継続保有すると、優待金額の増額もありますよ。
2024年11月期の連結業績は、第3四半期決算のタイミングで利益面を上方修正しています。理由は、薬価改定の影響に加えて、同業他社の一部製品の販売中止で代替需要があったためで、各利益が期初予想を上回って伸びると予想されています。上方修正後の通期の連結業績は、2ケタの増収、1ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
3期連続で増配継続中!【スター・マイカ・HD】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:652円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):21円(期末10.5円、中間10.5円)
■予想配当利回り:3.22%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)
「中古住宅」の活用に早くから注目し、賃貸中の中古マンションをリノベーションして販売するビジネスモデルを導入した「 スター・マイカ・HD 」。現在は、不動産や事業会社などへの投融資を行うインベストメント事業や、不動産分野へのアドバイザリー事業などにも事業を拡げています。
株主還元は、今後の成長投資を優先した上で、安定的かつ増配しながら配当を実施していくとともに、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割れた場合など割安と判断する場合は、自己株式の取得も機動的に行うとしています。
配当と自己株式取得を合わせた総還元性向の目標は40%です。前期まで3期連続で増配していて、2024年11月期も前期比1円の増配を予定しています(会社予想)。
同社は、2024年11月期から3ヵ年の中期経営計画をスタートさせていて、企業価値の最大化を目指しています。今期の第3四半期累計期間は、中期経営計画の中の事業戦略に基づいて、積極的な物件購入及び販売活動を実施。この結果、販売戸数が増加し、前年同期比で増収かつ2ケタの増益を達成しました。なお、通期の連結業績については増収増益を見込んでいます(会社予想)。
先端テクノロジーの分野で高い技術を提供【ジャパニアス】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:2136円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):95円(期末48円、中間47円)
■予想配当利回り:4.44%
■株主優待:なし
■連続増配:ーー
1999年に設立し、2022年に東証グロース市場に上場した「 ジャパニアス 」。
「先端テクノロジーで日本の明日に新たな価値を提供する」という経営理念のもと、ソフトウエアやインフラ、AI、クラウドといった先端テクノロジーの分野において、エンジニア派遣と受託開発という2つの方法で、顧客企業に専門性の高い技術を提供しています。
現在は、スキルのあるエンジニアの採用に加えて、研修センターを開設するなどして、エンジニアの育成にも力を入れています。
配当は、上場初年度となる2022年11月期から実施。配当方針は「利益配分に関する基本方針に基づき、純利益の50%を目標とする」としていて、継続的な増配を目指しています。
2024年11月期は前期比18円の増配予定で(会社予想)、実現した場合は2期連続の増配になります。なお、今期から中間配当を開始しています。
2024年11月期の第3四半期までの累計期間は、第3四半期としては売上高が過去最高を記録した一方、積極的なエンジニア採用によりコストが増加。その結果、前年同期比では2ケタの増収ながら、減益となりました。通期の業績については、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。
紙作りに欠かせない「抄紙網」の会社【日本フイルコン】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:520円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):27円(期末14円、中間13円)
■予想配当利回り:5.19%
■株主優待:なし
■連続増配:――
紙を生産する際に使われる、パルプ液を抄く(すく)ための「抄紙網(ワイヤー)」と呼ばれる用具。「 日本フイルコン 」は、その抄紙網で国内トップシェアを持つ企業です。
現在は、抄紙網などを扱う産業用機能フィルター・コンベア事業に加えて、電子部材・フォトマスク事業や環境・水処理関連事業などの事業も展開しています。
同社の配当方針は、配当性向が30%以上、また連結自己資本配当率(DOE)は2.4%を目安としています。
直近の業績状況に目を向けると、第3四半期決算のタイミングで2024年11月期通期の連結業績予想を上方修正しています。
理由は、産業用機能フィルター・コンベア事業と電子部材・フォトマスク事業の売上が好調なためで、売上高・営業利益・経常利益の予想を前回予想から引き上げました。
ただし、純利益は減損損失分を特別損失として計上する見込みになっているとのことで、予想を据え置いています。修正後の通期連結業績は、増収ながら2ケタの減益を見込んでいます(会社予想)。
配当と優待、ダブルでうれしい!【サーラコーポレーション】
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:839円(10/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):30円(期末17円、中間13円)
■予想配当利回り:3.57%
■株主優待:あり
■連続増配:――
Space・Art・Living・Amenityの頭文字が社名の由来となっている「 サーラコーポレーション 」。「生活空間をより美しく快適に」という基本理念のもと、愛知県と静岡県を中心に、都市ガスやLPガスなどのエネルギー供給やハウジング、インフラ整備などの事業を幅広く展開しています。
同社の配当方針は「前期以上の維持」と「デリバティブ評価損益の影響を除く連結配当性向40%以上」です。この方針に基づいて、2024年11月期は前期比4円の増配を予定しています(会社予想)。
また、株主優待制度もあり、500株以上の保有でオリジナルのカタログギフトで使える株主優待ポイントがもらえます。ポイント数は、500株以上で1000ポイント、2000株以上で2000ポイント、5000株以上で5000ポイント、1万株以上で1万ポイント。さらに、3年以上、5年以上の継続保有でポイントがアップする特典などもありますよ。
2024年11月期は、前期を初年度とする中期経営計画の2年目であり、計画の達成に向けて、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)推進につながる新たな成長分野への積極的な投資などに取り組んでいます。なお、通期の連結業績は、増収ながらも2ケタの減益見込み(会社予想)ですが、これは前期に特別利益を計上した影響によるものです。
いかがでしたでしょうか? 配当金は、値上がり益とはひと味違った株式投資の魅力です。”とらぬ狸の皮算用”ではないですが、「あの銘柄とこの銘柄で、このくらい配当がもらえるのか」と計算してみるのもおすすめです。気になる銘柄があったら、ぜひ検討してみてくださいね。