FROGGY編集部は、投資未経験者がなかなか投資を始められない理由として、「7つの勘違い」があるのではないかと考えました。今回は、「利益を出すにはうまく売り買いする必要があるけれど、自分は的確にタイミングを捉えることができない!」と考えている人に、売買を繰り返さずに利益を得るインカム投資について解説していきたいと思います。
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株式投資による利益は2種類ある
株式投資によって得られる利益は、持っていた金融資産を売るときに得られる利益(キャピタルゲイン)だけではありません。保有し続けることによって企業から自社製品などをもらえる株主優待や、企業が利益を株主に還元する配当金(インカムゲイン)といったものもあります。「事業内容は気に入っているが、いつ買ったらいいかわからない」「テクニカル分析などの売買テクニックがなんだか難しそう」、そんな理由で投資を始められていない人は、まず株主優待と配当金に着目した投資から始めてみましょう。
生活に役立ちそうな株主優待を見つけよう
個別銘柄を「権利確定日」と呼ばれる日に持っているともらえるのが株主優待や配当金です。配当金はお金ですが、株主優待には食べ物や遊園地のチケット、電化製品などその会社に関連する様々な種類の優待品があります。
たとえば、全国に店舗のある イオン の株を100株(約17万円)持てば、半年間での買物額100万円を上限に、3%のキャッシュバックを受けられる優待カードがもらえます。また、小さなお子さんがいらっしゃる人なら、 サンリオ も候補の1つかもしれません。100株(約19万円)で半年に一度、サンリオピューロランドなどで使える共通優待券3枚と店舗で使える1000円分の優待券をもらえます。
株価が上がってから売ることを検討すればいい
もっと様々な優待について知りたいという人は、株主優待で暮らす姿がおなじみの桐谷広人さんの記事を参考にしてみるとよいかもしれません。また、優待検索ページなども利用して自分にとってお得だなと思う銘柄を探してみましょう。優待をもらうことを第一の目的にしていれば、日々の株価の値動きにハラハラドキドキしなくて済みます。いくつか買ってみて、優待をもらいつつ、株価が大きく上がってから、売ることを検討するぐらいで始めてみることをFROGGY編集部はオススメします。桐谷さん曰く、「優待投資は農業」とのことです。大儲けはできないけれど、いろんな優待銘柄を持つことで安定した収益を狙うのも良いかもしれませんね。
「売上好調な高配当利回り銘柄」を買おう
株価に対して配当金がどれだけもらえるかを表す「配当利回り」を基準に銘柄を選ぶ投資法がありますが、FROGGY編集部では一歩踏み込んで「売上好調な高配当利回り銘柄」を選ぶことをオススメします。というのも配当利回りは高いに越したことはありませんが、単純に高ければ良いかというと、そうではありません。業績が悪くなって株価が下がっていけば、配当利回りは高くなります。ただ、いくら魅力的な配当利回りだとしても、業績が落ち込み、配当金そのものがなくなってしまう恐れもありますので、そうした銘柄には手を出してはいけません。
そこで、高配当であり尚且つ業績も好調に推移している銘柄に絞るとどうなるかを具体的に見ていきましょう。下の表は、日経平均株価に採用されている225銘柄で直近3年間の売上高が増え続けている企業の中から配当利回りが高い銘柄をスクリーニングしたものです。業績がしっかりとしている企業であれば、今後配当金が増額する可能性もありえるので、そちらも期待できるかもしれませんね。
結果的に株価上昇も見込めるかも!?
売買を繰り返さなくても、株式を保有し続けることで株主優待や配当などを得ることができるインカム投資術。業績を考慮したうえで株主優待や配当利回りから銘柄を選ぶことは一種の「バリュー投資」と言えます。これをさらに突き詰めれば、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチといった著名投資家たちが取り入れている投資手法にもつながり、将来の株価上昇も期待ができる手法です。ぜひ習得しておきたい投資法の1つですね。
・売買を繰り返さなくても、優待や配当狙いの「インカム投資術」で利益を得ることができる
・株価が上がってから売ることを検討し始めるぐらいでちょうどいい
・配当に着目した投資は、「売上好調な高配当利回り銘柄」を狙おう
各企業が定めている「権利確定日」に株主として株主名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日から数えて4営業日前までに株式を購入しなければなりません。権利確定日は企業によって月や回数が異なりますが、3月末や9月末日の年1回(または年2回)の企業が大半です。多くの企業は月末ですが、3月20日、9月20日など、月中の場合もあります。