第5話 iDeCoではなくNISAを始める理由

五月女ケイ子の投資はじめました~新NISA編~/ 日興フロッギー編集部五月女ケイ子

フロッギー編集部の一言

投資には縁がない生活を送ってきたイラストレーター・五月女ケイ子さんが、将来の不安から、投資を始めることを決意。前回は、スマホで証券口座を開設しました。

前回の記事「第4話 スマホで証券口座を開設! 投資界の住人へ」」を読む

5回目の本記事では、新NISAと旧NISAの違い、新NISAとiDeCoとの違いを学びました。ここからは、フロッギー編集部が少しだけ解説します!

新NISAは何がいいの? 旧NISAとの違いをおさらいしよう

2024年から始まった新NISAは、2023年までの旧NISAと比べて、さらに使いやすい制度にパワーアップしました!

フィデリティ投信が今年ビジネスパーソン向けに行った調査によると、「もともと投資をしていなかったが、投資を始めた」人のうち、「新NISAがきっかけ」と回答した人は正規・非正規雇用ともに6割超に上りました。新NISAが、投資を始めるきっかけの一つになっています。

実際にどのように変わったのか、旧NISAと新NISAの制度を下記の表にまとめました。
主な変更点としては、下記の5つとなります。

①非課税保有期間が無期限化
②非課税保有限度額が1800万円まで拡大
③「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能に
④売却すると非課税投資枠が復活する
⑤「現行NISA」とは別の管理になる

新NISAでは非課税で金融商品を持てる期間が無期限化し、口座開設もいつでもOK。それだけでなく、非課税で投資できる額が年間・総枠でそれぞれ大幅にアップしています。

また、2023年までは「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用はできませんでしたが、今年からは「成長投資枠(旧一般NISA)」と「つみたて投資枠(旧つみたてNISA)」を併用できるようになるなど、投資家にとって使いやすい制度になっています。

旧NISAと新NISAの違いをもっとよく知りたい! という方は、新しいNISAって、これまでと何が違うの?という記事を読んでみましょう。

iDeCoとNISA、始めるならどっち?

NISAと同様にマンガで言及されていたのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。iDeCoは自分で設定した金額をつみたてて、そのお金を運用して、資産を形成する年金制度です。掛金は65歳までつみたてできます。

iDeCoとNISAは何が違うのか、下記の表を見てみましょう。
大きな違いは、iDeCoは60歳まで原則資金を引き出せませんが、NISAではいつでも資金を引き出せること。また、iDeCoでは運用できる商品が投資信託、定期預金、保険などの長期的な資産運用を目的とした商品に限定されている一方、NISAでは株式、投資信託、ETFといった幅広い商品を運用できます。そのため、60歳より前に運用資金を自由に引き出したい人や幅広い金融商品に投資したい人はNISA、老後のための資産として長期的に運用したい人はiDeCoの方が向いています。

一方、税制面ではiDeCoに軍配が上がります。iDeCo、NISAともに運用益が非課税なことは共通していますが、iDeCoはそれに加えて積立時の掛金が全額所得控除になります。さらに、60歳以降に年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり、税制上のメリットが多い制度です。

このような違いがあるiDeCoとNISAですが、併用することも可能です。税制上の優遇を最大限享受したいのであれば、老後の資金はiDeCo、それ以外の資金はNISAで運用し、それぞれのメリットを活かして併用していくと良いでしょう。