空間づくりのプロや油脂メーカーも! 12月の配当金銘柄8選

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れます。今月は、決算期が12月で配当がもらえる銘柄のうち、配当が魅力的で、業績予想も好調な8銘柄をご紹介します。

※決算期が12月の上場株式のうち、配当利回りが4%以上(11/25終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は12月26日(木)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。

配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

空間づくりのプロフェッショナル【船場】

■銘柄名(コード):船場(6540)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:1315円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):60円(期末60円、中間0円)
■予想配当利回り:4.56%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)

陳列ケースを扱うガラス店がルーツで、店舗の設計施工を行う会社として1962年に設立された「 船場 」。現在は調査・分析から、企画、デザイン・設計、空間演出、施設運営まで、国内外で空間づくりに関わる業務を幅広く手がけています。

同社が空間づくりに関わったプロジェクトの1つである「SEMBA Good Ethical Office -Fukuoka-」は、2024年11月に「日本空間デザイン賞2024」でサステナブル空間賞を受賞しました。

さて同社では、株主への利益還元を最重要経営目標の一つとして、経営環境や財務の健全性維持、そして企業価値の持続的な向上などを総合的に見た上で年間の配当金を決定しています。

直近では3期連続増配の実績があり、2024年12月期も前期比10円の増配となる60円(1株あたり)を予定しています(会社予想)。なお、期末一括配当です。

今期の第3四半期までの累計期間は、大型専門店の新改装や地方都市での大型複合施設の改装に加えて、医療、教育関連施設などの案件を獲得。また、利益面ではDX推進による業務の効率化・改善などにより、前年同期比で2ケタの増収増益を達成しました。通期の連結業績については、2ケタの増収、かつ1ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

今期から新たな配当方針を決定【日華化学】

■銘柄名(コード):日華化学(4463)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:1142円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):50円(期末25円、中間25円)
■予想配当利回り:4.37%
■株主優待:あり
■連続増配:3期(実績)

化学品事業と化粧品事業という2つの事業を展開している界面活性剤メーカーの「 日華化学 」。現在は、化学品事業の収益性改善に向けて、EHD(Environment/環境、Health/健康・衛生、Digital・先端材料)の領域を重視した戦略を推進しています。

同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけ、資本効率向上と財務安定性を踏まえた資本政策として、今年7月に配当方針の変更を発表。新たな方針では、DOE(自己資本配当率)を指標として採用して、2~3年以内にはDOE3.0%を目安として配当を拡充するとしています。また、累進配当(維持及び増配)も行います。

これらの方針に基づき、2024年12月期の配当は前期比18円増となる50円(1株あたり)の予定です(会社予想)。

株主優待もあり、自社のヘアケア・スタイリング商品の中から、500株以上で5000円以内、1000株以上で7000円以内、3000株以上では1万2000円以内で、好きな商品を自由に選ぶことができます。

2024年12月期の第3四半期までの累計期間については、化学品事業で高付加価値EHD関連売上が伸長したほか、コスト削減による収益性の向上などもあり、前年同期比で増収かつ2ケタの増益を実現しました。通期の連結業績についても、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

「ダブルの記念」で大幅増配を予定【GMOメディア】

■銘柄名(コード):GMOメディア(6180)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:4140円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):174円(期末174円、中間0円)
■予想配当利回り:4.20%
■株主優待:なし
■連続増配:2期(実績)

自社開発・自社運営のネットサービスを複数提供している「 GMOメディア 」。具体的には、ポイ活やゲームなどの領域で情報発信を行うメディア事業と、メディア事業で培った集客ノウハウを基に提携パートナーの収益化支援などを行うソリューション事業などを展開しています。

同社では配当性向50%を目安とする業績連動型配当を基本方針としていて、今期は前期比69円増の174円を予定しています(会社予想)。内訳は、普通配当が144円、記念配当が30円です。

記念配当については、2020年12月期からの5ヵ年計画を前倒しで達成したことと、上場10期をダブルで記念したものとなっています。

2024年12月期は、第3四半期決算発表時に連結業績の予想を修正しました。ソリューション事業でインターネット回線の提携パートナーの需要が低迷したことなどにより売上高を下方修正した一方、EdTech(テクノロジーを用いた教育支援)や美容医療など営業利益率の高い自社メディアの育成事業が順調に成長していることなどから各利益については上方修正。この結果、通期の連結業績は1ケタの増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

1000円分のQUOカードの優待も!【ミヨシ油脂】

■銘柄名(コード):ミヨシ油脂(4404)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:1472円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):60円(期末60円、中間0円)
■予想配当利回り:4.07%
■株主優待:あり
■連続増配:――

「人によし、社会によし、未来によし」を経営理念として、「油脂」の力を活かしたものづくりに取り組んでいる「 ミヨシ油脂 」。マーガリンやショートニング、ラードといった食用加工油脂製品を扱う食品事業と、さまざまな産業で使用される油脂製品を手がける油化事業を展開しています。

同社の配当政策は、安定した配当の継続と内部留保の充実とのバランスを図ることを基本方針としています。2024年12月期は、前期比10円増配となる60円(1株あたり)を予定しています(会社予想)。

さらに株主優待制度もあり、12月に100株以上の保有で一律1000円分のQUOカードがもらえます。同社は期末一括配当のため、12月は配当と優待をダブルで獲得できるのが魅力ですね。

2024年12月期の第3四半期までの累計期間は、食品事業では主力製品に加えて高付加価値製品の拡販に積極的に取り組みました。油化事業ではグリセリンや工業用せっけんが好調に推移し、界面活性剤製品もインバウンドの増加などによる国内向けが堅調でした。この結果、前年同期比では増収かつ3ケタの増益となりました。通期の連結業績については、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

首都圏の不動産を再生して販売【ムゲンエステート】

■銘柄名(コード):ムゲンエステート(3299)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:2133円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):92円(期末92円、中間0円)
■予想配当利回り:4.31%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)

「夢現」(夢を現実に)という社是が反映されたユニークな社名の「 ムゲンエステート 」。首都圏エリアで資産性の向上が期待できる多種多様な中古不動産を買い取り、内外装工事などにより再生して販売する、不動産買取再販事業を中核としています。

他に、「サイドプレイス」シリーズなど都内を中心に収益物件の開発を行う不動産開発事業や、少額資金で不動産投資できる不動産小口化商品を扱う不動産特定共同事業なども展開しています。

2024年12月期は、主力の不動産買取再販事業で投資用、居住用不動産が共に堅調なことから、第3四半期決算発表のタイミングで、期初の業績予想を上方修正しました。修正後の連結業績は2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

また同社では、財務体質の強化と内部留保の充実を図りながら、安定した配当の継続を配当の基本方針としています。中長期的な連結配当性向の目標水準は40%以上で、業績の増額修正に伴って今期の配当も上方修正しました。増額後は前期比29円の増配となり(会社予想)、実現すれば4期連続での増配です。なお、同社は期末一括配当を実施しています。

配当性向100%が目安【ビーピー・カストロール】

■銘柄名(コード):ビーピー・カストロール(5015)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:886円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):42円(期末23円、中間19円)
■予想配当利回り:4.74%
■株主優待:なし
■連続増配:――

世界最大級のエネルギー企業であるビーピーグループの一員である「 ビーピーカストロール 」。潤滑油のトップブランドとして知られる「カストロール」及び、世界的に信頼の高い「ビーピー」ブランドという2ブランドの自動車用潤滑油を、一般消費者や国産車ディーラー、整備工場向けに扱っています。

同社の配当方針は、「当面の間、フリーキャッシュフローを基本に税引き後利益を目安に配当として還元する」というもの。つまり、日々の運営と投資活動の後に残るキャッシュをすべて配当として還元するということです。具体的には直近3期の配当性向を見ると2021年12月期が102.3%、2022年が184.5%、2023年が102.0%でした。2024年12月期の配当性向は101.4%で、前期比6円増配となる42円の配当(1株あたり)を予定しています(会社予想)。

2024年12月期第3四半期までの累計期間は、一般消費者向けには上半期に導入したコストパフォーマンスに優れた専売品の販路拡大などに取り組み、ディーラー向けでは同じく上半期に発売した商品をもとに新規顧客獲得へのアプローチを強化しました。これらの結果、前年同期比で2ケタの増収増益を達成。通期の連結業績も、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

4期連続で増配を達成!【JPMC】

■銘柄名(コード):JPMC(3276)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:1168円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):55円(期末27.5円、中間27.5円)
■予想配当利回り:4.70%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

不動産オーナーから、賃貸物件を一括で借上・サブリースして、収益性の向上とリスクマネジメントを行うというプロパティマネジメント事業を手がけている「 JPMC 」。

全国で物件のサブリースが可能なことに加えて、パートナー制度により管理・仲介・建築・リフォームといった分野の全国約1400社のネットワークを活用できることなどを事業の強みとしています。

同社の配当政策は、安定した連続増配が基本で、利益成長時にも配当性向40%を堅持するとしています。この方針に基づき、2024年12月期は前期比4円の増配を予定しています(会社予想)。この増配が実現すると、5期連続での増配となります。

2024年12月期の第3四半期までの累計期間は、運用戸数は10万8563戸で前期末に比べると1643戸の純減となりましたが、プロパティマネジメント収入や付帯事業の収入などはいずれも前年同期比では増収でした。また、賃貸経営代行とリフォームを組み合わせた「スーパーリユース」や滞納保証・家財保険などのクロスセルを推し進め、1戸あたりの収益性向上に取り組みました。さまざまな取り組みの結果、前年同期比では増収ながらも減益となりましたが、通期の連結業績については増収増益を見込んでいます(会社予想)。

「計測」で自動車開発に貢献【小野測器】

■銘柄名(コード):小野測器(6858)
■決算月:12月(中間決算:6月)
■株価:563円(11/25終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):30円(期末15円、中間15円)
■予想配当利回り:5.32%
■株主優待:なし
■連続増配:――

今年1月に創立70周年を迎えた「 小野測器 」。創業期より自動車用の新車開発用計測機器を手がけていて、現在は自動車開発に必要な計測機器や試験環境を提供する他、センサー・計測機器やデータ収集・解析システムなどを幅広く取り扱っています。

同社の配当政策は、連結業績に応じた利益配分かつ連結配当性向30%を目安とするもので、継続的・安定的な配当を行うことを基本方針としています。

2024年12月期は、普通配当10円に加えて、創立70周年の記念配当5円、さらに5月に売却した旧本社の土地・建物に係る特別利益の一部を特別配当として15円、合計30円(1株あたり)の配当を予定しています(会社予想)。

2024年12月期第3四半期までの累計期間は、特注試験装置やサービスの受注高が前年同期比26.0%の増加となったものの、顧客の指定納期が来期となっている案件も多く、売上高は前年同期比0.8%減に、また利益面については営業利益・経常利益共に損失を計上しました。

一方、前述のとおり、本社の土地・建物を売却した特別利益があり、純利益については黒字転換して6億9600万円を計上しています。通期の連結業績は、1ケタの増収、3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

いかがでしたか? 配当金は、値上がり益とはひと味違った株式投資の大きな魅力です。”とらぬ狸の皮算用”ではないですが、「もしこの銘柄をこのくらい保有していたら、配当はどうなるの?」と考えてみるのもおすすめです。気になる銘柄があったら、じっくり検討してみてくださいね。

配当の内容は2024年11月25日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は1/15(水)配信予定です。