株式市場でゴルフ場やスキー場の運営などに関わる「リゾート施設」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は4.5%高と、東証株価指数(TOPIX、1.6%安)に対して逆行高となりました(12月20日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
12月の降雪量は例年以上、ゴルフも泊まりで「打ち納め」か
リゾート施設関連株が上昇した背景は、28日から2025年1月5日まで9連休となる自治体や企業が多く、長期休暇の間に国内でも観光や宿泊の需要が高まるとの思惑があります。「行政機関の休日に関する法律」で12月29日から1月3日は休日と定められており、30日も営業する銀行などの金融機関を除くと、民間でも同様としている企業が多くあります。気象庁が19日に発表した「向こう1か月の天候の見通し」によると年末の降雪量は例年並みか例年以上となる見込みで、休日にスキー需要が高まると考えられます。連休を活かした宿泊を伴うゴルフの「打ち納め」および「打ち始め」需要も取り込めそうです。連休を目前にしてリゾート施設関連株への期待感が高まりました。
レストランや日帰り温泉も運営【日本スキー場開発】
上昇率首位の「 日本スキー場開発 」はスキー場や周辺施設を運営しています。長野県の白馬村や竜王高原、群馬県川場村など関東甲信越を中心に宮城県蔵王町などにも展開しています。用品の貸し出しやレッスンのほか、レストランや日帰り温泉など周辺施設も含めて運営しているのが特徴です。冬季以外でも星空や山からの展望など自然を活かした観光やスポーツをアピールして集客を進めています。蓄積した運営のノウハウを活かしてコンサルティング事業も手がけ、来場者に向けた商品やブランドのプロモーション事業も収益源です。年末のレジャー先としてスキー場とその周辺施設は高い需要が見込まれ、連休が追い風となりそうです。
交通やホテルを中心に観光を展開【西武ホールディングス】
上昇率2位の「 西武ホールディングス 」は西武鉄道やバスなどの交通、ホテルを中心に観光業を総合的に手掛けています。埼玉県所沢市に西武園ゴルフ場や狭山スキー場があるほか、全国に展開する「プリンスホテル」はレジャー以外の旅行にも利用が見込まれます。遊園地や温泉なども運営し、鉄道を利用する観光客を囲い込む戦略は連鎖的な収益拡大につながりそうです。
ゴルフ場運営やリゾートバイト関連事業にも注目
「 ヨネックス 」はゴルフやスノーボード用品の製造や販売、プロアマの大会が開かれる新潟県のゴルフ場「ヨネックスカントリークラブ」も運営しています。「 ダイブ 」は観光地などに住み込みで働くリゾートバイトに特化した人材派遣サービスを手掛けています。「 リソル 」はホテルやゴルフ場、リゾート地の別荘などを運営しています。年末年始のゴルフや旅行需要などが高まれば、いずれの企業も業績への寄与が期待できます。
2025年は大阪万博も開催
2025年4~10月の日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)を契機に国内外の人の移動も活発になると見込まれ、リゾート施設の需要増加が期待できます。日本政府観光局(JNTO)によると11月末時点の2024年累計訪日外国人(インバウンド)数は3337万人で、これまで最高だった2019年の年間累計数をすでに超えました。特にスキー場はインバウンド需要が高く、今後も収益拡大が継続しそうです。毎月公表される訪日外国人数の統計もチェックしつつ、投資する銘柄を見極めたいですね。