年間10万円の配当金ポートフォリオ ペリカンさん前編

年間10万円ゲット?! 配当金リッチ生活のススメ/ ペリカン日興フロッギー編集部

配当株投資をしている投資家さんに、年間10万円の配当金をゲットできるポートフォリオを考えていただく本連載。第2回にご登場いただくのは、2019年にFIREし、配当株と優待株のハイブリット投資をしている専業投資家・ペリカンさんです。

日興フロッギーでは100円から投資でき、単元株(100株)に満たない株数でも配当金を受け取れるので、配当株投資にはピッタリです。早速、ペリカンさんにポートフォリオの内訳を聞いてみましょう。

※本記事に登場する予想配当利回りや時価総額などは特に断りがない限り、いずれも2025年1月9日時点です

ペリカンさん流 8銘柄で年間10万円のポートフォリオ


こんにちは! 10万円の配当金をゲットできるポートフォリオを考えてくださって、ありがとうございます。早速ですが、この8銘柄を選んだ基準を伺ってもいいですか?


配当利回りが良く、PBRが低めで買われすぎていないもの、増配傾向の銘柄を選びました。できるだけ優待もあるものを選んでいます。

※NISA口座を活用し、配当金を非課税とする前提で考えていただきました。証券会社の口座で配当金を受け取る「株式数比例配分方式」を選ぶと、NISA口座で投資した株式の配当金が非課税となります。


ありがとうございます。確かに、配当利回りが3%以上なのにPBRが低めの銘柄が多いですね!


PBRは一つの目安かなと思ってます。会社の1株あたり純資産と株価がイコールなのがPBR1倍。それより低いと、ちょっと株価の方が安く見積もられている状態なので。

PBR(株価純資産倍率)とは、「株価÷1株あたり純資産」で計算され、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを見る投資尺度です。PBRの数値が低い方が割安と判断され、PBR1倍未満は「株価が純資産に対して割安」とされていることを意味します。


それでいうと、「 ユー・エス・エス 」はPBRが高めですが、銘柄によってはPBRが高くても買われるんでしょうか?


そうですね。ここは愛知県の会社なんですが、株主総会に行って経営者の話を聞くと、株主への還元をすごく大事にしていることが伝わってくるんです。実際に連続増配を24期(2024年3月期まで)続けていますし、優待もあるんです。100株で500円のQUOカードを年に2回もらえて、1000株以上だとグルメカタログギフトをもらえます。


連続増配で配当も優待もあるのは嬉しいですね!

配当と優待のハイブリットは下落に強い?


優待についてもうちょっと教えてください! 挙げていただいた8銘柄のうち、5銘柄は優待も実施しているんですね。「この優待が嬉しかった」というものはありますか?


理研ビタミン 」は自社製品が送られてくるんです。100株で、1000円相当のドレッシングやスープなどを年に2回もらえます。3年以上持っていると2000円相当のものが届くんですが、なかなか嬉しい気持ちになります。


確かに、実用的なものがもらえるっていいですね!


テイ・エス テック 」もおすすめです。100株で500円相当のQUOカード、200株以上で好きなグルメ優待品と交換できるポイントをもらえます。この銘柄だけは200株としています。


好きなものを選べるのって嬉しいですよね。


カタログ形式の優待って色々あるんですが、テイ・エス テックはカタログギフトの中でも質が高いと思います。投資家仲間もみんな持っていますよ。この会社は「 ホンダ 」向けに車のシートを作っている会社なんですが、世の中が電気自動車に移行していっても、こういうものはなくならないと思うんです。


確かに、電気自動車に移行しても車のシートの需要には変化がなさそうですね。ちなみにテイ・エス テックをはじめ、ペリカンさんが選んだ銘柄は優待があるだけでなく、長期保有で優遇される銘柄が多いですね。


はい。長期で持つことが前提なので、長く持つとおトク感が増していく銘柄を選んでいます。ワールド 」も、昨年から優待を拡充したんですよ。長く持つことで優待券の金額がアップするなど、より魅力的な内容になりました。選べるブランドも多いし、家族も喜ぶから持ってるんです。

ワールドは、従来100株以上を半年以上継続保有すると、株主優待券をもらえました。2024年2月、それに加えて、3年以上保有すると株主優待券の金額が倍増(100株以上300株未満は年間3000円から6000円へ、300株以上500株未満は年間1万円から2万円へアップ)、500株以上の優待を新設といった内容を発表しました。


長く持っていることで内容が良くなるなら、ずっと持っていようという気持ちになりますね。株主を大切にしようという姿勢も感じられます。


そうなんです。それに、株主優待があると、市場全体が下落するようなときでも、ゆるやかな下落に留まる印象があるんです。まるでエアバックがついているようなイメージで、下げ止まりする印象がある。配当金と優待のハイブリットは下落に強いのかなって思ってます。

10年後、20年後を見据えた銘柄選び


選んでくださった銘柄は、時価総額が大きい銘柄が多いですね。その分、過去10年の売上や利益は大きく上がってなさそうですが、そこはあまり気にしていませんか?


そうですね。10年後、20年後でも株価は堅そう、半値にはなってないだろうな……というものを選びました。短期間で株価が1.5倍とか2倍とかになる、というのはイメージしていないです。


短期的に値上がりを追求するのではなく、長く持つという観点で選んでくださったんですね。


そうですね。できるだけ今の株価を維持してくれれば、減配さえなければ配当利回りは大きく変わらないし、増配傾向であれば配当利回りは高くなります。


なるほど……。先ほどユー・エス・エスが24期連続増配であるとおっしゃっていましたが、この8銘柄の中で他にも連続増配してる銘柄はありますか?


リコーリース 」は上場以来29期連続増配※(2024年3月期まで)していて、今期も増配する予定です。業績も安定しているので、長期保有したいなと思ってます。

その他にも武田薬品工業や三井住友トラストグループは、累進配当(配当金を維持または増額する方針)を公表しています。また、テイ・エス テックは12期、MS&ADインシュアランスグループHDは11期連続増配していて、今期(2025年3月期)も増配※する予定です(会社予想)。
※いずれも株式分割による実質増配を含む


お話を伺って、配当金も優待も、長く持つことがメリットになるような銘柄を選んでいきたいと思いました!

次回は、ペリカンさんの「推し配当株トップ5」を伺います。

武田薬品工業
MS&ADインシュアランスグループHD
三井住友トラストグループ

次回は1/31(金)配信予定です。