2019年にFIREし、配当株と優待株のハイブリット投資をしている専業投資家・ペリカンさん。今回は、ペリカンさんがおすすめする「推し配当株ベスト5」を伺いました。ペリカンさんが選んだ銘柄は、株主還元に積極的な、割安な高配当銘柄がメイン。どうやって選んだのか、考え方や理由を教えてもらいましょう。
「年間10万円の配当金ポートフォリオ ペリカンさん前編」を読む
ペリカンさんの推し配当株ベスト5
ペリカンさん、今日はペリカンさんが推している配当株を教えてください!
私が選んだ推し配当株はこちらです。
予想配当利回りはすべて4.5%以上と高いですね! 今回は利回りを重視して選んでくださったのでしょうか?
そうですね。「推し配当株」では、予想配当利回りが高く、売上推移が比較的安定している、割安な銘柄を選んでみました。
確かに、PER・PBRともに割安な銘柄が多いですね。
値上がり益を狙うとなかなか上がらないかもしれませんが、配当株として持つなら良いのではないかな? と思って選びました。値上がりも配当も両方も取るのは、相場がよほど良くないと難しいなと感じてます。
バリュー株って、割安なまま、いつ上がるか分からないイメージがあります。
バリュートラップという言葉があるぐらいなので、ずっと置いてけぼりのケースもあります。ただ、5年、10年持っていて上がるタイミングが来るかもしれないから、配当株としては良いと思うんですよね。5%の利回りなら、10万円の投資で5000円もらえるわけなので。
仮に上がらない期間があっても、配当金はもらえますもんね。預金と比較すると大きな違いです。
借金がない、財務が健全な会社に注目!?
選んでいただいた銘柄の「推しポイント」も詳しく伺いたいです!
有利子負債って、利子(金利)を支払って返済する借金のことですよね。あまり意識してなかったけど、確かにない方が良さそう……。
日本人って、あまり借金が好きじゃないですよね。私も嫌いなんですが、感覚的に有利子負債ゼロだと投資しやすいなと思います。何かあった時に借金もしやすいよね、という感覚です。
確かに。これはどこを見れば分かるんでしょうか?
証券会社が出しているWEB版の四季報に「無借金」とか記載している企業もありますよ。財務を確認したい時は、自己資本比率も見たりします。
なるほど。いまフロッギーの四季報レポートで調べてみたところ、早稲田学習研究会の自己資本比率は75.9%、アイホンは82.8%と、どちらも高い水準ですね(いずれも2024年3月期時点)! あれ? 早稲田学習研究会は「 早稲田アカデミー 」とは違う会社なんですね?
早稲田学習研究会は「W早稲田ゼミ」などを運営している会社です。早稲田アカデミーは優待があって株価も上がっていますが、早稲田学習研究会は優待制度がないので、これから導入されるといいなと思っています。予想配当利回りは5.50%と高いし、配当性向50%以上を目安に安定的な配当を目指していることを公表しているんです。
企業が株主還元に積極的だから、5%以上の予想配当利回りになってるんですね!
ニッチだけど、なくてはならない会社に投資
ちなみに、さっき出てきたアイホンはどんな会社なんですか?
インターホンで国内トップの会社ですが、今後は医療施設や福祉施設向けのナースコールにも期待しています。配当金も安定して出ていて、予想配当利回りも4.83%と高いです。
国内トップなんてすごいですね! 他にもニッチだけどすごい会社ってあるんですか?
ありますよ。「 フタバ産業 」は自動車用マフラー最大手の会社なんです。売上高の7割強は「 トヨタ 」向けなんですが、PERは10.43倍、PBRが0.53倍で割安感があるなと思っています。また、2024年3月期の配当性向は24.4%と低いので、増配の余地もあるなと。EVに完全移行して、マフラーが不要になるリスクもあるかもしれないですけどね。
アジアパイルHDは、コンクリートパイル製造・施工の大手企業です。株主還元に積極的で、昨年5月、今期(2025年3月期)から連結ベースの総還元性向 50%を目処とする、と発表したんです。
株主還元に積極的なのは嬉しいですね! 予想配当利回りも5.57%と高いです。
優待を新設した企業にも注目
最後に、サクサについても教えてください!
オフィス向けのネットワーク製品やビジネスホンの事業を手がける会社です。昨年、株主優待の新設を発表したんですよ。今年から、200株の保有で3000ポイントの株主優待ポイントがもらえるんです。「サクサ・プレミアム優待倶楽部」で使えます。
プレミアム優待倶楽部って、株主優待で導入している企業が多いと聞きますね。どういうものなんですか?
導入している他社の優待ポイントと合算できるんです。周りには10万ポイント以上持っている方もいます。お米やフルーツとかにも変えられるんですよ。
すごい! プレミアム優待倶楽部を導入している銘柄をたくさん持っている人にとっては良いですね。でも、サクサは200株で50万円以上ですよね、ちょっと高く感じちゃいます……。
確かに、200株だと少しハードルが上がりますね。ただ、PER、PBRともに割安ですし、昨年、当面の年間配当金を135円とすることを発表しています。予想配当利回りも4.70%と高く、かつ優待をもらえるなら、良いんじゃないかなと思います。
こうやってお聞きしていると、ペリカンさんは企業の配当還元の方針をきちんとチェックなさっていることが分かります。株主還元に積極的な、割安な高配当銘柄を長い目で持つ、という方針がよく分かりました! そういった銘柄を見つけて投資していきたいです!
今回は、400銘柄以上持つ中から「推し配当株ベスト5」を教えてくれたペリカンさん。最終回となる次回は、ペリカンさんが受け取る配当額の上位を占める銘柄と、現在の投資スタイルに行き着くまでのストーリーをお伺いします。