となりの億万長者が17時になったらやっていること 大富豪が教える『一生困らない』お金のしくみ

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

実業家として一財を築き1500名もの成功者を見てきた著者が語る「幸せな億万長者になる人」と「そうでない人」の違いとは? 不動産投資のノウハウにもハッとさせられます。

億万長者マインドに近づく方法

本書の一番のターゲットは、これから起業しようとしている層でしょう。10代でビジネスを始めた著者の成功法則は「起業の前に、まず自分を応援するコミュニティを作ること」。タイトルにある「17時になったらやっていること」のアンサーでもあり、スキルゼロ・人脈ゼロからの「人的資本・金融資本・社会資本」の確立法は、実体験ゆえの丁寧さで綴られています。

一方で、起業はしない、でも幸せなお金持ちになりたいと思う方も、第5章は一読の価値あり。著者は23区内にサッカーコート1面分(!)の土地を所有していますが、一般人とは不動産の買い方に差が出ています。

われわれ一般人の発想は「不動産を買うためにお金を借りる」ですが、億万長者の発想は逆で「不動産を買うのはお金を借りるため」なのだそうです。金融機関に「ビジネスを始めたい」といってもそうそうお金を貸してはくれませんが、不動産ならハードルはぐっと低くなる。一般人は借金を少なくしたい、けれど億万長者の不動産投資は借金してレバレッジをかける。

たとえば、1億円の不動産を「自己資金100%で買ったAさん」と「自己資金1000万円、9000万円はローンで買ったBさん」がいたとします。金利1%、リターン4%と仮定してお金持ちになるのが速いのはどちら?

結果は借金だらけに見えるBさんです。Aさんは1億円で年400万円の賃収入となりますが、Bさんは1000万円で年310万円(返済分差し引き)の賃収入。なんと利回り31%でした。

一般人は「9000万もの借金なんて無理」となるでしょう。が、著者はこの考え方の癖こそが富裕層の道を阻む、と。

「借金の返済原資は、買った不動産の賃収入だ」と考えられる人はレバレッジをかけ、かつ空き室リスクに備え一棟買いをし、億万長者になっていくーー。全体として和やかな文体で語られる投資家としてのエピソードから、マインドセットの重要性を感じました。