好業績予想&増配銘柄ぞくぞく! 3月の配当金銘柄16選【前編】

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れます。3月は決算を迎える銘柄が多数! そこで、決算期が3月で配当を実施している銘柄の中から、予想配当利回りが魅力的で業績予想も堅調な16銘柄を、前後編の2回に分けてご紹介します。

※決算期が3月の上場株式のうち、配当利回りが3%以上(2/21終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は3月27日(木)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。

配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100

会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。

DOE(%)=配当総額÷株主資本×100

DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。

配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。

配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100

配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

13期連続の増配を目指す!【丸井グループ】

■銘柄名(コード):丸井グループ(8252)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:2586.5円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):106円(期末53円、中間53円)
■予想配当利回り:4.09%
■株主優待:なし
■連続増配:12期(実績)

創業当時から、小売と金融(月賦払いなど)が一体となった独自のビジネスモデルを展開してきた「 丸井グループ 」。

現在は、実店舗での販売・体験やECを扱う小売セグメントと、エポスカードを中心としたフィンテックセグメントの2事業を展開しています。2024年4月現在の店舗数は、マルイ、モディを合わせて全国に22店舗です。

同社の配当は、従来は連結配当性向を目安としていましたが、2024年3月期より指標をDOE(株主資本配当率)に変更。これにより、高成長と高還元の両立を目指すとしています。具体的な目安はDOE8%程度です。

この方針に基づいて、2025年3月期は前期比5円増となる1株あたり106円(期末53円、中間53円)の配当を予定していて(会社予想)、予想DOEは8.0%となっています。この配当が予定通り実施されると、13期連続での増配となります。

2025年3月期第3四半期までの累計期間は、エポスカードの取扱高が全体をけん引し、グループ総取扱高は前年同期比10%増の3兆6,724億円と、同期間で過去最高を更新。前年同期比で2ケタの増収、1ケタの増益となりました。なお、通期の連結業績も増収増益を見込んでいます(会社予想)。

12期連続で増配を継続中!【野村不動産HD】

■銘柄名(コード):野村不動産HD(3231)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:4093円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):170円(期末87.5円、中間82.5円)
■予想配当利回り:4.15%
■株主優待:なし
■連続増配:12期(実績)

傘下に、分譲マンションで知られる「プラウド」シリーズを手がける野村不動産をはじめ、さまざまな事業会社を抱える「 野村不動産HD 」。

主にデベロップメント分野(住宅部門、都市開発部門、海外部門)と、サービス・マネジメント分野(資産運用部門、仲介・CRE(企業不動産)部門、運営管理部門)の、2分野・6部門で事業を展開しています。

同社の株主還元の基本方針は、総還元性向が40~50%で、かつ年間の配当金がDOE(=年間配当額÷期中平均自己資本)4%を満たす基準を下限としています。

今期については、第3四半期決算発表時に年間の配当金額を期初の予定から増額修正。前期比30円増の1株あたり170円(期末87.5円、中間82.5円)としています(会社予想)。また、今回の増配が予定通りに実施されると、増配は連続13期となります。

今期の第3四半期までの累計期間は、住宅部門では分譲住宅の計上戸数が増えて平均価格も上昇、都市開発部門では収益不動産の売却が増加しました。また資産運用部門では国内の機関投資家向けファンドの運用資産残高が増加するなど、6部門すべてで増収営業増益を達成。売上高及び各利益は、第3四半期としては過去最高になりました。なお、通期の連結業績も増収増益を見込んでいます(会社予想)。

世界最大級の船隊で、国際海上輸送を担う【商船三井】

■銘柄名(コード):商船三井(9104)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:5426円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):340円(期末160円、中間180円)
■予想配当利回り:6.26%
■株主優待:あり
■連続増配:――

800隻超という世界最大級の船隊を運航する「 商船三井 」。

総合海運企業として、ドライバルク船(ばら積み船)をはじめ、タンカーやLNG船、自動車船、コンテナ船など、さまざまな貨物の国際海上輸送を担っています。

2025年3月期第3四半期までの累計期間は、コンテナ船事業やエネルギー事業、自動車船事業の好調により、前年同期比で増収かつ2ケタの増益となりました。通期の連結業績については、エネルギー事業や製品輸送事業が見通しよりも上ブレることを想定し、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、配当を通じた株主への直接的な利益還元を経営上の基本方針としていて、連結配当性向30%を目標としています。配当の下限は1株あたり150円で、利益の上ブレ時には配当を増額する方針です。

今期については、第3四半期決算を発表したタイミングで年間の配当予想金額を上方修正。修正後の1株あたりの配当は、前期比120円増となる340円(期末160円、中間180円)を予定しています(会社予想)。

また株主優待もあり、3月の権利確定日に300株以上を2年以上継続保有すると、3000円相当のオリジナルカタログギフトがもらえます。

IT機器に欠かせない電子材料などを製造【有沢製作所】

■銘柄名(コード):有沢製作所(5208)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1414円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):84円(期末42円、中間42円)
■予想配当利回り:5.94%
■株主優待:なし
■連続増配:――

明治42(1909)年、バテンレース(レース製品)の製造から歴史がスタートした「 有沢製作所 」。

第二次世界大戦後に始めたガラス繊維の製造技術開発をきっかけとし、現在は、IT機器などに使われる電子材料をはじめ、医療モニターなどに使用するディスプレイ材料、産業用構造材料、電気絶縁材料といった、さまざまな産業を支える材料の製造・販売に携わっています。

同社では、2025年3月期より新たな配当方針を採用。具体的には、安定性を志向する「DOE(株主資本配当率)6%」と利益分配を志向する「総還元性向80%以上」の、どちらか大きい金額を配当とするとしています。

この方針に基づき、2025年3月期の配当は前期比24円増となる1株あたり84円(期末・中間各42円)を予定しています(会社予想)。

2025年3月期第3四半期までの累計期間は、主力事業である電子材料の売上高が増加。さらにディスプレイ材料も好調なことから、前年同期比では2ケタの増収、3ケタの増益を実現しました。

この状況を踏まえて、第3四半期決算の発表時に通期の各利益の見込みを上方修正。修正後の連結業績は、2ケタの増収、3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

インフラを支える道路舗装のプロ【世紀東急工業】

■銘柄名(コード):世紀東急工業(1898)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1533円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):90円(期末45円、中間45円)
■予想配当利回り:5.87%
■株主優待:なし
■連続増配:――

1950年の設立当初から、戦後の日本において道路整備の最前線を担い、国土復興や高度経済成長を足元から支えてきた「 世紀東急工業 」。

社名の通り、同社は東急グループの一員です。現在は、道路舗装工事業の他、土木工事業、環境・景観整備事業、さらに舗装材の製造販売を行う合材製造販売事業という、4つの事業領域を軸に展開しています。

2025年3月期第3四半期までの累計期間は、現在進行中の中期経営計画に基づいて「事業基盤の強靭化」と「社会課題解決への貢献」を両輪で進めるサステナブル経営に取り組みました。

この結果、前年同期比で2ケタの増収増益を達成。なお、通期の連結業績についても同じく2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

配当については、前述の中期経営計画で新たな株主還元の方針を表明しました。中長期的に安定的・継続的な配当を、透明性をもって行うためとして、指標をDOE(純資産配当率)に一本化し、DOE6%を新たな目標としています。

ただし、2025年3月期はDOE8%を目標とし、1株あたり90円(期末・中間各45円)の配当を予定しています(会社予想)。

地震の多い日本で超高層建築を可能にする【東京鐵鋼】

■銘柄名(コード):東京鐵鋼(5445)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:5690円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):335円(期末235円、中間100円)
■予想配当利回り:5.88%
■株主優待:あり
■連続増配:2期(実績)

超高層ビルやマンションの建設に欠かせない高強度鉄筋のトップメーカーである「 東京鐵綱 」。

単なる建築資材メーカーではなく、工法も含めた技術提案までできることを強みとしています。このビジネスモデルは海外でも競争力を有すると期待されており、「グローバルニッチトップ企業100選」(経済産業省)にも選定されています。

同社では、財務体質を確保し、主力事業の継続に必要な投資を行いながら成果の配分を安定的に行うことを株主還元の基本方針としています。この方針に基づき、2025年3月期は前期比65円増となる1株あたり335円(期末235円、中間100円)を予定しています(会社予想)。

今期の配当が予定通り実施されれば、3期連続の増配となります。また、株主優待もあり、100株以上の保有で一律2000円分のQUOカードがもらえます。

2025年3月期第3四半期までの累計期間の連結業績は、出荷価格が前年比で上昇したことなどから、前年同期比で増収を達成。また、各利益についてもメタルスプレッド(製品価格と主原料の価格差)の改善が進み、前年同期比では2ケタの増益となりました。通期の連結業績も、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

アミューズメント施設の周辺機器を製造【マミヤ・オーピー】

■銘柄名(コード):マミヤ・オーピー(7991)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1520円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):90円(期末90円、中間0円)
■予想配当利回り:5.92%
■株主優待:なし
■連続増配:――

パチンコ・パチスロなどの遊技機の周辺機器を製造する電子機器事業や、ゴルフ用のシャフト・グローブなどの製造・販売を行うスポーツ事業などを展開している「 マミヤ・オーピー 」。

目指すべき姿として、「特定市場での局所No.1」や「特定市場での自社技術を活用したパイオニア」を掲げています。

同社では、今後の投資予定や財務の状況を総合的に勘案して配当を実施することを基本方針としています。連結配当性向の目安は20~25%です。2025年3月期は、期末一括配当で前期比15円増となる1株あたり90円を予定しています(会社予想)。

また、今期の第3四半期までの累計期間は、パチンコ玉やメダルを操作せずに遊べるスマート遊技機用ユニットの需要が好調に推移。また、昨年7月の新紙幣発行に伴う新紙幣対応の紙幣鑑別機への入れ替え需要もあり、電子機器事業で業績が続伸し、前年同期比で2ケタの増収増益を達成しました。

この状況を受けて、通期の連結業績については期初の予想を増額修正。修正後の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

海洋土木分野で100年以上の歴史を持つ【東亜建設工業】

■銘柄名(コード):東亜建設工業(1885)
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1345円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):71円(期末71円、中間0円)
■予想配当利回り:5.27%
■株主優待:なし
■連続増配:――

海洋土木の分野では100年超という長い歴史を持つ「 東亜建設工業 」。

現在は、海上土木分野を中心にインフラ整備などに取り組む国内土木事業、企画提案や設計施工の案件を手がける国内建築事業、東南アジアやアフリカなどで海上土木工事を行う海外事業の各事業を展開しています。

2025年3月期第3四半期までの累計期間は、国内土木事業や海外事業で利益の増加が見込まれています。こうした状況から、第3四半期決算発表のタイミングで通期の連結業績の見通しを上方修正しました。増額修正後の通期の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

また、通期業績予想の上方修正に合わせて、今期の予想配当も引き上げました。同社では、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画期間中は配当性向の目安を40%とすることで、安定的な株主還元をより一層充実させるとしています。

この方針に基づき、今期は前期比31円の増配(※前期に実施した1:4の株式分割を考慮して計算)となる、1株あたり71円です(会社予想)。なお、3月の期末一括配当です。
いかがでしたか? 魅力的な配当を実施している銘柄は、今回ご紹介した以外にもまだまだ沢山あります。どれを選んだら良いか迷う……という方は、まずは「配当利回り」や「増配回数」など、どれか1つポイントを絞って考えてみるのも手です。後編でも魅力たっぷりの銘柄を紹介していきますので、楽しみにしていてくださいね。

※世紀東急工業(1898)は、記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。
配当の内容は2025年2月21日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は3/13(木)配信予定です。