今回は、3月期決算でチェックしておきたい配当金銘柄の【後編】です。前編に続き、予想配当利回りが魅力的で、業績予想も堅調な8銘柄の情報をお届けします。
好業績予想&増配銘柄ぞくぞく! 3月の配当金銘柄16選【前編】を読む
※特別に記載がない場合、権利付最終日は3月27日(木)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。
824隻の船で世界の海を行く【日本郵船】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:5185円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):310円(期末180円、中間130円)
■予想配当利回り:5.97%
■株主優待:あり
■連続増配:――
日本の輸出入の99.6%を担う海上輸送。「 日本郵船 」は人々の暮らしと経済活動に欠かせない存在として世界最大級の船隊規模で824隻(2024年3月末時点)もの船種を運航しています。
同社は、主にライナー&ロジスティクス事業と不定期専用船事業を展開していて、脱炭素化に向けた新規事業の開拓にも力を注いでいます。
2025年3月期第3四半期までの累計期間は、物流事業で取扱量が増加し、定期船事業での取扱量・運賃水準が前年同期を上回ったことなどから、前年同期比で2ケタの増収、3ケタの増益を達成しました。なお、通期の連結業績については増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
同社の配当方針は、配当性向の目安が30%で、1株あたりの配当下限は100円です。また、投資機会と事業環境を併せ考えて速やかに追加還元を行うとしています。
2025年3月期は、この方針に沿って第3四半期決算発表時に配当金額を前回予想から上方修正。前期比170円増の1株あたり310円(期末180円、中間130円)を予定しています(会社予想)。
同社には株主優待もあり、飛鳥クルーズが10%割引(1枚に付き1名、本人以外の使用も可)になる優待割引券が保有株数に応じてもらえます。
「はたらく自動車」で社会インフラを支える【極東開発工業】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:2475円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):158円(期末83円、中間75円)
■予想配当利回り:6.38%
■株主優待:なし
■連続増配:――
ダンプ車にミキサー車、タンクローリー、ごみ収集車など、建設・物流・環境といった現場で活躍する特装車のメーカーとして、世界規模で事業を行う「 極東開発工業 」。
他に、リサイクル施設を設計・施工する環境事業と立体駐車装置やコインパーキングを扱うパーキング事業も展開しています。
同社では、現在進行中の中期経営計画で、2025年3月期までは株主への還元をより高めるために総還元性向を100%に、また年間配当金の下限を54円と設定しています。
この方針に基づき、今期の配当額は前期比71円増となる1株あたり158円(期末83円、中間75円)を予定しています(会社予想)。なお、年間の配当予定額から計算した配当性向は約101%になる見込みです。
2025年3月期の第3四半期までの累計期間は、主力の特装車事業が国内・海外ともに順調で、製品価格改定の効果により収益性が向上。また、環境事業とパーキング事業もそれぞれ前年同期比で増収、営業増益となりました。
さらに、2024年12月にオーストラリアの特装車メーカーをグループ化した影響などから、通期の連結業績を増額修正。修正後の通期の連結業績は、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
配当性向を30%⇒75%以上に引き上げ!【淀川製鋼所】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:5860円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):333円(期末233円、中間100円)
■予想配当利回り:5.68%
■株主優待:あり
■連続増配:4期(実績)
2025年に創立90周年を迎えた「 淀川製鋼所 」。業界トップクラスのカラー鋼板などの工業製品から、お馴染みの「ヨド物置」などの一般消費財まで、幅広い製品を手がける鉄鋼メーカーです。
同社は、現在進行中の中期経営計画で打ち出している配当政策を2024年4月に改定。年間配当金を従来の50円以上⇒200円以上に、また連結配当性向を30%以上⇒75%以上に、それぞれ大幅に引き上げました。
この方針に基づいて、今期は前期比133円増の1株あたり333円(期末233円、中間100円)を予定しています(会社予想)。
株主優待制度もあり、100株以上の保有で2000円相当、300株以上で3000円相当、500株以上で4000円相当のカタログギフトがもらえます。さらに、100株以上の保有で兵庫県芦屋にある「ヨドコウ迎賓館入館券」1枚(最大4名まで利用可)ももらえますよ。
今期の第3四半期までの累計期間は、主力の鋼板関連事業で国内では営業増益となり、海外では台湾の子会社で販売量が増加したことなどから増収となりました。この結果、前年同期比では増収かつ2ケタの増益を達成しました。通期の連結業績は、増収かつ3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
なお、増益率が高くなっているのは前期に製品補償引当金を特別損失として計上した影響によるものです。
紙おむつ原料で世界トップシェア【日本触媒】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1829.5円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):108円(期末54円、中間54円)
■予想配当利回り:5.90%
■株主優待:なし
■連続増配:――
さまざまな製品に使われる化学素材を供給している「 日本触媒 」。
BtoB企業のため、一般の人にはあまり馴染みがありませんが、たとえば紙おむつに使われている高吸水性樹脂や、リチウムイオン電池の高性能化に役立っているイオネルなど、身近な製品にも「日本触媒」の化学素材が役立っています。紙おむつに欠かせない高吸水性樹脂は、なんと世界トップシェア!
同社では、2025年3月期から2028年3月期の4期間は、株主還元の一層の拡大と安定化を図るために、配当性向100%またはDOE(株主資本配当率)2.0%のいずれか大きい金額を目安に配当を実施することを基本方針としています。
この方針に基づいて、今期の配当は前期比63円増の1株あたり108円(期末・中間各54円)となる予定です(会社予想)。
今期の第3四半期までの累計期間は、マテリアルズ事業、ソリューションズ事業の2事業ともに前年同期比で増収となりました。また、営業利益は、ソリューションズ製品の需要回復により数量が増加したことがプラスに働きました。
この結果、前年同期比では増収かつ2ケタの増益を達成しました。なお、通期の連結業績も増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。
新築分譲マンション事業が主力【MIRARTHホールディングス】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:502円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):30円(期末23円、中間7円)
■予想配当利回り:5.97%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)
2022年10月1日に、旧「タカラレーベン」から社名を変更して誕生した「 MIRARTHホールディングス 」。Mirai(未来)とEarth(地球)を組み合わせた社名で、「未来環境デザイン企業」へ進化するという同社の決意が込められています。
傘下の事業会社では、「レーベン」ブランドなどで知られる新築分譲マンション事業を中心とした不動産事業の他、太陽光発電が主体のエネルギー事業、アセットマネジメント事業などを展開しています。
2025年3月期第3四半期までの累計期間は、主力の不動産事業やアセットマネジメント事業の売上高が増えたことなどにより、前年同期比で2ケタの増収、及び黒字転換を達成しました。通期の連結業績については、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。
同社は、株主への利益還元を経営上の重要課題の一つとしていて、安定的な配当による還元を実施する方針です。現在進行中の中期経営計画では配当性向の目標値を30~35%と設定していて、この方針に基づいて、今期は前期比6円の増配となる1株あたり30円(期末23円・中間7円)の配当を予定しています(会社予想)。予定通り配当が実施されれば、4期連続の増配となります。
日本の道路を支える材料メーカー【東亜道路工業】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1480円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):85円(期末85円、中間0円)
■予想配当利回り:5.74%
■株主優待:なし
■連続増配:――
「 東亜道路工業 」は、大正から昭和に至る近代舗装の黎明期に、国内で初めて液状の舗装材であるアスファルト乳剤の製造に成功した独立系の材料メーカーです。
土木技術と化学技術の融合により、これまでに200種類を超える製品・工法を生み出しています。現在は、建設材料などの製造販売や環境事業などのほか、建設事業も展開しています。
2025年3月期の第3四半期までの累計期間は、建設事業では前年同期比で受注高がやや減少したものの、完成工事高は増加。前年同期比で増収、2ケタの増益となりました。なお、通期の連結業績については増収増益を見込んでいます(会社予想)。
配当に関しては、第3四半期決算発表のタイミングで、2024年5月に公表した株主還元方針の変更を発表。資本効率の改善を図り、安定的した株主還元を行う姿勢をより一層明確にするために、当面の間、配当性向100%・DOE(株主資本配当率)8%を目標としています。
新たな方針を反映した今期の配当は、前期比43円増の1株あたり85円を予定しています(会社予想)。ちなみに、期末一括配当です。
ファッションにカフェ、ブライダルも!【AOKIホールディングス】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:1258円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):55円(期末40円、中間15円)
■予想配当利回り:4.37%
■株主優待:あり
■連続増配:2期(連続)
「AOKI」のスーツなどで知られるファッション事業を中核に持つ「 AOKIホールディングス 」。
また、複合カフェの「快活CLUB」などを展開するエンターテイメント事業、挙式披露宴施設を運営するアニヴェルセル・ブライダル事業なども展開しています。
2025年3月期第3四半期までの累計期間は、ファッション事業の既存店売上高が堅調に推移し、全体では前年同期比で増収かつ2ケタの増益で着地しました。通期の連結業績は増収増益を見込んでいます。
配当については、進行中の中期経営計画で新たな方針を示していて、2027年3月期までの3年度は配当性向50%以上、もしくはDOE(株主資本配当率)3%以上の、どちらか高いほうを選択するとしています。
この方針に基づき、2025年3月期は、前期比5円増の1株あたり55円(期末40円、中間15円)の配当を予定しています(会社予想)。
また、3月と9月には電子チケット式の優待券がもらえる株主優待もあります。内容は、①AOKI、ORIHICAでの買い物の20%割引②快活CLUB、コート・ダジュールでの利用料金が20%割引③アニヴェルセル施設での婚礼10万円割引④アニヴェルセルカフェの10%割引の4種類。スーツを着て仕事をする方や、カラオケ、カフェ好きの方には嬉しい内容ですね。
身近な製品にも使われる化学材料を製造【堺化学工業】
■決算月:3月(中間決算:9月)
■株価:2687円(2/21終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):135円(期末72.5円、中間62.5円)
■予想配当利回り:5.02%
■株主優待:なし
■連続増配:――
「化学でやさしい未来づくり」をミッションに掲げる「 堺化学工業 」。
酸化亜鉛や酸化バリウム、酸化チタンといった化学材料を扱っていて、近年は有機材料分野にも進出しています。同社の製品は、実は化粧品や自動車、携帯端末といった身近な製品にも数多く使われています。
2025年3月期は、今期からスタートした新中期経営計画の達成に向けて、高付加価値品へのシフトを意図した事業ポートフォリオ改革を進めています。第3四半期までの累計期間では、特に化学事業の酸化チタン・亜鉛製品などの効率化検討事業で改革の成果が出始めました。
製品の統廃合や不採算品からの撤退は売上高に影響を及ぼしたものの、価格改定の浸透効果は大きく、営業利益を押し上げました。こうした状況から、第3四半期決算発表の時点で期初の業績予想を修正し、修正後の連結業績は増収かつ黒字転換を見込んでいます(会社予想)。
配当についても、新中期経営計画で新たな方針を掲げていて、DOE(株主資本配当率)3%を目安に、安定的かつ継続的な配当を実施するとしています。この方針に基づいて、2025年3月期は前期比65円増となる1株あたり135円(期末72.5円、中間62.5円)の配当を予定しています(会社予想)。
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