国内最大規模のビッグイベント「万博」関連銘柄をチェック

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回は、米国による相互関税をきっかけに大きく乱高下した日本株市場の今後の見方について解説します。

カエル先生の一言

日本株市場は、米相互関税に振り回され大きく乱高下した後、極端な不安心理が後退したことなどから、一旦は底打ちとなりました。気になる関税関連では、日米で個別交渉が進行中。また、5月は企業の決算発表が大詰めを迎えます。注目材料をにらみつつ戻りを試す展開が予想されます。そのなか、4月13日から関西万博がスタート。そこには投資銘柄のヒントがあるかも知れません。

4月の日本株市場

4月30日の日経平均株価は3万6045円、前月末比427円高でした。

4月前半は、2日のトランプ政権による関税政策の詳細発表、それを受けた4日の中国による対米報復措置の発表をきっかけに、世界的な貿易戦争の激化や景気減速などに対する警戒感が一気に台頭し、日経平均株価は週明け7日に前日比2,644円安(▲7.8%)と大幅に下落。

10日には、米政権が一転して、一部の国・地域に対する相互関税上乗せ部分の「90日間の停止」を発表したことが好感され、日経平均は同2,894円高(+9.1%)と大幅に上昇しました。

中盤から月末にかけては、日米間でスタートした個別交渉に対する期待や不安心理の後退などを後押しに、底打ちから反転の展開。25日には年初来の高値(40,083円)から、7日の31,136円への下落幅の半値戻しを達成しました。

ドル円相場は、22日に東京市場で、一時1ドル=139円台後半まで上昇。2024年9月以来となる約7ヵ月ぶりの円高・ドル安水準となる場面もありました。関税発動による米国自身の景気後退懸念の他、トランプ大統領によるFRBに対する「利下げ催促」やパウエル議長の解任検討報道などもドルの信認低下への警戒感を呼び、ドル売り圧力となりました。

下値を固めながら上値挑戦

直近で、日本株市場が大きく下落し底打ちした後に、上昇局面へ転じた例として、2020年3月の「コロナショック」や、昨年2024年8月の「流動性ショック」が挙げられます。

「コロナショック」では、新型コロナの世界的な拡大による経済活動の停滞懸念などを背景に株価が下落。世界的な金融緩和や財政政策の発動などにより、底打ち上昇基調に転じました。

「流動性ショック」では、日銀金融政策での利上げや、米国景気悪化懸念などから株価が急落。日銀副総裁によるハト派的なコメントや米FRB議長の講演などから、反発反騰に転じました。

ただ、いずれの局面も底打ち後は一本調子の上昇ではなく、コロナの沈静化状況や金融当局のコメントを確認しつつ下値を固めながらの展開をたどりました。

足元の日経平均株価も戻り歩調にありますが、一本調子の上昇ではなく、下値を固めながら上値に挑戦する展開となりそうです。

関税交渉、決算発表など引き続き重要イベント

5月の日本株市場が下値を固めて上値に挑戦する上で、関税交渉や決算発表など市場の動向を左右したり投資判断の際に注目される材料は目白押しです。

経済指標では、関税の焦点となっている貿易統計、インフレ動向や金融政策の判断材料となる消費者物価指数などが注目されそうです。月末にはG7財務省・中央銀行総裁会議も予定されています。

米関税政策に関しては、日米間で個別交渉が行われていますが、その進捗状況には市場の注目が集まりそうです。先行きを見越しては、6月中旬に予定されている米中首脳会談や、7月9日(水)を期限とした相互関税一時停止を前に、動きが出てくることも想定されます。

また、企業絡みでは、3月期決算企業の2024通期決算発表が月の中旬にピークを迎えます。通常は、終わった期よりも始まった期、つまり2025年通期の会社予想が焦点となりますが、今回は、米関税政策を踏まえ、予想を開示しないという保守的なケースも出てきそうです。

関西万博関連銘柄をチェック

4月13日から、大阪市の人工島「夢洲(ゆめしま)」で、日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)がスタートしました。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、10月13日(月)までの183日間にわたって開催されます。

関西万博は、2025年に国内で催される最大級のイベントの一つともいえます。関西万博をきっかけに、国内消費の改善や関西地方の経済活性化につながる可能性が考えられます。

以下では、関西地盤や万博に関連する企業、インバウンド(訪日外人客)の来場や訪日機会の増加を踏まえ、キャッシュレスやIR(カジノをはじめ、国際会議場や劇場、展示場、ホテル、ショッピングモール等の複合施設)などを展開する企業をご紹介します。

外部環境の不透明感が続き、投資対象の選定が難しい状況下では、関西万博の開催が業績の追い風となりそうな銘柄をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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