連続増配に、優待新設銘柄も! 6月の配当金銘柄7選

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

今月は、決算期が6月の銘柄の中から、予想配当利回りが魅力的で、業績予想も好調な7銘柄をご紹介します。日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れるので、気になる銘柄があったら、気軽に配当株投資にチャレンジしてみましょう!

※決算期が6月の上場株式のうち、配当利回りが3.0%以上(5/9終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は6月26日(木)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

上場10周年の記念配当を実施【アンビション DX ホールディングス】

■銘柄名(コード):アンビション DX ホールディングス(3300)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:2174円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):105円(期末105円、中間0円)
■予想配当利回り:4.82%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

住居用不動産のサブリース事業や賃貸物件の仲介事業などを展開している「 アンビション DX ホールディングス 」。

大きな特徴は、社名にもある通りDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極活用している点です。売買や賃貸仲介、賃貸管理にDXを取り入れることで、不動産ビジネスを変革し、自社に関わるすべての人々の生活・ビジネスの向上を目指しています。

同社では、内部留保の充実を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充てることが株主への最大の利益還元になるとしています。一方で、4期連続での増配実績があり、2025年6月期も前期比68円増となる1株あたり105円の配当を予定しています(会社予想)。なお、今期の配当のうち50円は上場10周年記念によるもので、予定配当額から計算した配当性向は32.0%になります。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、賃貸DXプロパティマネジメント事業と売買DXインベストメント事業などの好調により、第3四半期としては過去最高の売上高・利益を実現しました。また、生成AIを活用した入居者用のDXアプリ『AMBITION Me』や、賃貸管理業務を行う次世代型基幹システムの開発に着手するなど、新たな取り組みも積極的に進めています。通期の連結業績は2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

スマホや車載用の金型・部品を製造【鈴木】

■銘柄名(コード):鈴木(6785)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:1751円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):85円(期末45円、中間40円)
■予想配当利回り:4.85%
■株主優待:なし
■連続増配:2期(実績)

1933年、鉱石ラジオの部品用金型の製作からスタートした「 鈴木 」。現在は、原点ともいえる「金型製造」のほか、電子機器や自動車電装向けの「部品製造」、生産工程の自動化・合理化に役立つ自動機器や医療器具の製造設計、部品加工といった「機械器具製造」の、主に3事業を展開しています。

2025年6月期第3四半期までの累計期間は、主力の部品製造事業でスマートフォン関連部品と車載関連部品が堅調に推移したことから、売上高及び営業利益、経常利益が期初計画を上回りました。さらに、純利益についても、2024年度に改正された賃上げ促進税制の適用による法人税の減税効果が見込まれることから、第3四半期決算発表のタイミングで通期の連結業績予想を上方修正。修正後の連結業績は2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

また配当については、経営基盤の業績に対応して安定した配当を実施することを基本方針としています。具体的な目安は、DOE(株主資本配当率)4.0%または配当性向50%で、今期から中間配当を開始しました。

配当額は、業績の上方修正に伴い第3四半期決算発表時に修正。修正後の配当予定額は、前期比39円増となる1株あたり85円を予定しています(会社予想)。

パンケーキで有名な「bills」もココ!【サニーサイドアップグループ】

■銘柄名(コード):サニーサイドアップグループ(2180)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:508円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):22円(期末15円、中間7円)
■予想配当利回り:4.33%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

1990年代にスポーツ選手のマネジメントビジネスをスタートさせ、2020年に持ち株会社体制へ移行した「 サニーサイドアップグループ 」。

現在は、傘下の事業会社を通じて、ブランドコミュニケーション事業やフードブランディング事業などを展開しています。フードブランディング事業では、パンケーキで知られるレストラン「bills」の国内ブランディングや韓国での店舗運営なども手がけています。

株主還元策については、健全な財務体質の維持や積極的な事業展開のための内部留保の充実を考慮した上で、安定的な配当の実施と機動的な利益還元を行うとしています。配当性向の目安は30%程度。この方針に基づき、2025年6月期は前期比2円増となる1株あたり22円の配当を予定しています(会社予想)。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、中核のブランドコミュニケーション事業で人気キャラクターに関わる企画が増収に寄与。フードブランディング事業では、インバウンド需要が強い「bills」店舗で客数が増加し増収となりました。ただ、一方でコストの増加などがあり、前年同期比では増収ながら減益という結果になりました。通期の連結業績は増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

インフルエンザなどの抗原検査キットで国内トップシェア【タウンズ】

■銘柄名(コード):タウンズ(197A)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:583円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):28円(期末22円、中間6円)
■予想配当利回り:4.80%
■株主優待:なし
■連続増配:――

病院やクリニックで使用される感染症検査の迅速診断キットを製造・販売している「 タウンズ 」。

インフルエンザ、アデノウイルスおよび新型コロナの抗原検査キット市場で国内トップのシェアを獲得しており、他にもRSウイルス、溶連菌などの診断キットも扱っています。研究開発から製造・販売まで、一貫して自社で行い、顧客ニーズにスピーディに応えられるのが強みです。

同社では、内部留保とのバランスを考慮の上、適切な配当を実施することを株主還元の基本方針としています。配当性向は30%程度で、さらに周年記念などには記念配当も実施する方針です。

2025年6月期は、これらの方針に基づいて1株あたり28円を予定しています(会社予想)。なお、期末配当金には創業記念配当10円が含まれています。この配当が予定通り実施された場合は、2期連続の増配となります。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、新型コロナウイルスとインフルエンザの流行規模が前年同期と比べて小さかったものの、検査キットの在庫を十分に持って需要に対応したことで、高いシェアを実現。前年同期比では、増収かつ2ケタの増益を達成しました。通期の業績は増収増益を見込んでいます(会社予想)。

派遣&請負でものづくりを支える【平山ホールディングス】

■銘柄名(コード):平山ホールディングス(7781)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:1022円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):50円(期末34円、中間16円)
■予想配当利回り:4.89%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

技術者派遣や製造請負など、労働力不足などに悩むさまざまな企業のものづくりを支えている「 平山ホールディングス 」。

顧客企業の設備と敷地の中で製造請負を行う「インソーシングモデル」に特徴があり、コンサルタントが顧客の製造現場を改善できるのが強みとなっています。また、タイやミャンマーなど海外でも事業を展開しています。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、主力のインソーシング・派遣事業は電子デバイスや半導体製造関連などからの受注・受託が堅調で、売上高も営業利益も増加しました。前年同期比では増収かつ2ケタの増益となり、通期の連結業績も増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

配当については、将来の事業展開と経営体質強化のための必要な内部留保を確保した上で、安定した配当の継続を目指し配当性向40%超を基本方針としています。自己株式の取得を含めた連結ベースの総還元性向は50%以内が目途です。

2025年6月期は前期比8円増となる、1株あたり50円を予定していて、予定通りに実施されると5期連続の増配となります(会社予想)。

上場来、8期連続で増配中!【ウイルプラスホールディングス】

■銘柄名(コード):ウイルプラスホールディングス(3538)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:1007円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):45.06円(期末28.06円、中間17円)
■予想配当利回り:4.47%
■株主優待:あり
■連続増配:8期(実績)

上場企業としては唯一、輸入新車販売を手がけている「 ウイルプラスホールディングス 」。BMWやアルファロメオ、MINIなど、現在は17の輸入車ブランドを取り扱っています。さらに、積極的なM&Aにより店舗網の拡大にも力を入れています。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、中古輸出関連事業に進出したことに加え、輸入車ディーラー事業では新たにプジョー、シトロエン、DSオートモビルの3ブランドの取扱いをスタート。さらに、ボルボブランド2店舗を展開するオリオン自動車販売を子会社化しました。こうした取り組みにより、前年同期比では2ケタの増収増益を達成しました。なお、通期の連結業績も2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、2026年6月期までに配当性向を30%まで段階的に引き上げると定めていて、配当の下限はDOE4.5%を目安としています。この方針に基づき、今期は、前期比1.55円の増配となる1株あたり45.06円を予定しています(会社予想)。同社は、2016年の上場以来連続増配を続けていて、予定通りに配当が実施されると8期連続の増配となります。

さらに2025年5月13日には株主優待制度も新設。1000株以上かつ1年以上の保有で、同社で新車を購入すると値引きが受けられるという内容になっています。

セキュリティ機器の開発・販売が中核事業【あい ホールディングス】

■銘柄名(コード):あい ホールディングス(3076)
■決算月:6月(中間決算:12月)
■株価:2297円(5/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):100円(期末55円、中間45円)
■予想配当利回り:4.35%
■株主優待:なし
■連続増配:3期(実績)

傘下の事業会社で、セキュリティ機器をはじめ、カード機器やその他事務用機器、情報機器(カッティングマシン)、計測機器といったさまざまな事業を展開している「 あい ホールディングス 」。

中核は、監視カメラやレコーダーなどのセキュリティ機器事業で、開発・販売のみならず導入からアフターサービスまで提供しています。

株主還元は、今後の取り組みとして配当性向50%以上という目標値を挙げています。2025年6月期は第2四半期に子会社の「岩崎通信機」が投資有価証券などを売却し、特別利益を計上したことから、その利益を原資とする特別配当を実施する予定です。これにより、1株あたりの配当は100円で、期末配当のうち10円が特別配当分となります(会社予想)。

2025年6月期の第3四半期までの累計期間は、主力のセキュリティ機器がマンション向け、一般法人向け共に好調なことなどから、前年同期比では2ケタの増収増益を達成しました。通期の連結業績については、第3四半期決算発表後の5月26日に「ナカヨ」の完全子会社化に伴い第4四半期に特別利益を計上するとして、純利益を上方修正しています。修正後の連結業績は、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。
いかがでしたか? 配当金は、値上がり益とはひと味違った株式投資の大きな魅力です。”とらぬ狸の皮算用”気分で、「この銘柄を保有していたら、どのくらいの配当がもらえるのかな?」とあれこれ検討してみるのも楽しいですよ。

配当の内容は2025年5月28日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は7/9(水)配信予定です。