うどんでドーナツ!? スイーツ市場賑わい 個性派商品が続々

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流行り廃りが激しいスイーツの中でも息の長い人気を誇り、たびたび目新しい商品をきっかけにブームが起きるのがドーナツ。うどんの生地を使ったドーナツを展開するトリドールホールディングスを中心に各企業の動向をご紹介します。

自慢の麺を使った「うどーなつ」がヒット

うどんチェーン「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングス 」は5月、ドーナツのテイクアウト専門のトレーラー型店舗「丸亀うどーなつ屋」を愛知県春日井市にオープンしました。

うどんの特長であるもちもちの食感を活かした「丸亀うどーなつ」は、約3年の構想を経て2024年6月に誕生。発売から1年弱で累計販売数が1500万食(25年4月末時点)を突破しました。

粉から打ったうどんをミキサーにかけて原材料のうち30%以上混ぜ込み、白だしを加えて風味に奥行きを持たせるなど「うどん屋らしい」個性的な味わいを作り出しています。

専門店としたことで、うどんを食べた後の締めとしてだけでなく、うどーなつを目的に訪れる来店客のニーズも取り込みます。

日本のドーナツ市場の主な出来事

・ミスタードーナツが創業
・ダンキンドーナツが国内から撤退
・クリスピー・クリーム・ドーナツが日本で販売開始
・セブン‐イレブンがドーナツ市場に再参入

「ミスタードーナツ」は55周年記念、限定商品「もっちゅりん」が人気!

トリドールHD以外にも多くの企業がドーナツ市場に参入、展開しています。

洋菓子の「 不二家 」は、これまで培ってきた商品力を活かしたドーナツ店を展開しています。24年9月に不二家初のドーナツ専門店「ペコちゃんmilkyドーナツ」1号店を神奈川県海老名市にオープン。25年春以降、兵庫県や福岡県など次々と常設店舗を拡大しています。

ダスキン 」が展開するドーナツチェーン「ミスタードーナツ」は55周年の記念商品として、独特の食感が特徴の新作「もっちゅりん」を6月から期間限定で発売しました。もっちゅりん目当てで店舗が大行列になっている様子がSNSで拡散されるなど人気となり、品切れ続出となったようです。

フジオフードグループ本社 」は「はらドーナッツ」を展開しています。防腐剤や保存料を一切使わない昔ながらの素朴な味わいを大切にしています。

セブン&アイ・ホールディングス 」は24年9月に「お店で揚げたドーナツ」を関東の1都2県で発売し、2週間で約240万個を販売したことから全国展開を順次拡大しています。

セブン-イレブンはドーナツ市場に挑んだものの、17年に撤退した苦い過去もあります。お店で揚げたドーナツは、ドーナツの入った袋にシュガーを入れて振ると完成するスタイルが特長の1つ。今回の再参入でリベンジを狙っています。

ドーナツは皿やフォークを使わず手軽に食べられるうえ、価格も比較的リーズナブルな点が魅力になっているようです。専門店なども乱立する激戦のなか、次々に誕生する個性派ドーナツがブームの支え役となりそうです。