駐車場運営やふるさと納税関連も! 7月の配当金銘柄6選

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れます。今回は、決算期が7月で配当を実施している銘柄の中から、配当額や利回り、業績予想に注目して選んだ6銘柄をご紹介します。

※決算期が7月の上場株式のうち、配当利回りが2.0%以上(6/16終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は7月29日(火)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

15期連続の増配を予定!【日本駐車場開発】

■銘柄名(コード):日本駐車場開発(2353)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:245円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):8円(期末8円、中間0円)
■予想配当利回り:3.26%
■株主優待:あり
■連続増配:14期(実績)

社名の通り、駐車場の管理運営やコンサルティングなどを展開している「 日本駐車場開発 」。

2025年4月末時点では国内で1475物件、海外で56物件の駐車場を運営しています。また、傘下のグループ企業ではスキー場や「那須ハイランドパーク」などのテーマパーク事業も手がけています。

2025年7月期の第3四半期までの累計期間は、駐車場事業が売上・営業利益ともに過去最高を更新したほか、スキー場事業で来場者が想定よりも好調に推移。このため、第3四半期決算発表時に通期の各利益予想を引き上げました。増額修正後の通期の連結業績は、2ケタの増収ながら、1ケタの減益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、余剰資金の継続的な増加を基盤に、配当を安定的に増額し、自己株式取得と合わせた総還元性向を高い水準に保つことを、株主還元の基本的な方針としています。この方針に基づき、2025年7月期は、前期比2.5円増配となる1株あたり8円(期末一括配当)を予定しています(会社予想)。なお、今期の配当が予定通り実施されれば、なんと15期連続での増配に!

500株以上を対象に7月と1月に株主優待もあります。たとえば500株保有では、時間貸駐車場の割引券が3枚、スキー場のリフト及びアクティビティ割引券が3枚、さらに那須ハイランドパーク、NOZARU、那須高原りんどう湖ファミリー牧場の割引券がそれぞれ1枚ずつもらえます。

ふるさと納税サイトの「ふるなび」を運営【アイモバイル】

■銘柄名(コード):アイモバイル(6535)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:674円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):26円(期末26円、中間0円)
■予想配当利回り:3.85%
■株主優待:なし
■連続増配:2期(実績)

「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」という経営ビジョンを掲げている、マーケティング会社の「 アイモバイル 」。

具体的には、ふるさと納税のポータルサイト「ふるなび」等のコンシューマ事業と、運用型広告の提供や成果報酬型広告の配信サービスなどを手がけるインターネット広告事業の2事業を展開しています。

同社では、成長のための原資を確保しつつ、業績や財務の状況などを総合的に考えた上で機動的な株主還元を実施するとしています。具体的には、2027年4月期までは配当性向50%を目安とした配当を行い、さらに機動的な自己株式の取得も実施していきます。この方針に基づき、2025年7月期の配当は1株あたり26円を予定しています(会社予想)。なお、期末一括配当です。

今期の第3四半期までの累計期間は、「ふるなび」による寄付件数や会員数の伸長に加えて、ふるさと納税関連の旅行予約サイト「ふるなびトラベル予約」のリリースや「企業版ふるさと納税」の受付開始などもあり、コンシューマ事業が好調に推移。この結果、前年同期比で2ケタの増収増益を実現しました。通期の連結業績も、同様に2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

第3四半期決算発表時に業績の上方修正を発表【カドス・コーポレーション】

■銘柄名(コード):カドス・コーポレーション(211A)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:4465円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):150円(期末150円、中間0円)
■予想配当利回り:3.35%
■株主優待:なし
■連続増配:――

山口県と広島県を中心に、建設事業と不動産事業を展開している「 カドス・コーポレーション 」。

2024年7月に、東証スタンダード市場に新規上場しました。さまざまな業界とのつながりがあり、それぞれの土地に合った活用法を立案できることが同社の最大の強みです。

2025年7月期の第3四半期までの累計期間は、主力の建設事業で上半期に受注した大型案件の工事が順調に進み、前年同期比で2ケタの増収増益を達成しました。業績の好調に加えて、建設資材や労務費の値上がりを考慮した適正な販売価格設定の実施で収益性が改善していることから、第3四半期決算発表のタイミングで、通期の売上高・各利益の上方修正も発表しています。修正後の連結業績は2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

配当については、事業の継続的な成長とROE(自己資本利益率)10%以上を維持しつつ、配当性向30%を目標に行うとしています。つまり、効率的に利益を獲得しながら配当も一定の割合で出すという方針です。

今期は、第3四半期決算発表時の業績の上方修正を受けて、配当も期初の金額から上方修正。前期比65円増配となる1株あたり150円(期末一括配当)を予定しています(会社予想)。

総合建設コンサルタント事業を展開【ウエスコHD】

■銘柄名(コード):ウエスコHD(6091)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:713円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):22円(期末22円、中間0円)
■予想配当利回り:3.08%
■株主優待:あり
■連続増配:――

官公庁などの公的機関を依頼主とする総合建設コンサルタント事業を中心に、スポーツ施設運営事業や水族館運営事業などを展開している「 ウエスコHD 」。

2025年7月期の第3四半期までの累計期間は、防災・減災対策や老朽化した社会インフラの維持・管理といった社会ニーズの高まりが、中核である総合建設コンサルタント事業にプラスに働いたことなどから、前年同期比では増収かつ2ケタの増益を実現しました。

通期の連結業績は、増収ながら2ケタの減益の見込みです(会社予想)。なお、第3四半期時点での純利益が、すでに通期の純利益を上回っていますが、第4四半期に社屋の大規模修繕費の計上を予定しているため、通期の純利益は期初予想を据え置いています。

株主還元施策では、安定かつ継続的な配当を重視していて、11期連続(実績)で非減配(7回の増配を含む)を継続中です。配当方針としては、DOEに留意しつつ配当性向40%を目安としています。この方針に基づいて、今期は前期と同額の1株あたり22円(期末一括配当)を予定しています(会社予想)。

また、株主優待もあり、100株以上で香川県宇多津町の「四国水族館」もしくは神戸市の劇場型アクアリウム「アトア」で利用可能な入場券が1枚もらえますよ。

2025年10月から株主優待も導入!【明豊エンタープライズ】

■銘柄名(コード):明豊エンタープライズ(8927)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:427円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):12円(期末6.5円、中間5.5円)
■予想配当利回り:2.81%
■株主優待:あり
■連続増配:2期(実績)

東京23区内でも、立地の良い城南・城西地区を中心に賃貸用マンションなどの不動産物件を提供している「 明豊エンタープライズ 」。

自社グループ内で、土地の取得から開発、設計・建設、入居者管理、アフターサービスなどまでをワンストップで提供できるのが強みです。

2025年7月期の第3四半期までの累計期間は、主力の不動産分譲事業で、主要マンションブランドシリーズ21棟などの引き渡しを完了し、国内に加えて海外のインバウンド販売の強化にも努めました。その結果、前年同期比で2ケタの増収を達成したものの、2ケタの減益となりました。ただし、第3四半期までの業績は期初計画に対して順調に進捗しているとしています。また、通期の連結業績については、2ケタの増収、1ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

配当は、株主への利益還元と継続的な成長に必要な内部留保の充実を考慮して、安定した配当を継続することを基本方針としています。この方針に基づき、今期の配当は前期比1円の増配となる、1株あたり12円となる予定です(会社予想)。

さらに、今年6月12日には10月から株主優待を新設すると発表。1000株以上の保有で年2回、複数の金券類の中から好みのものを選択できるデジタルギフト8000円分がもらえます。

化合物半導体製造装置の開発に特化【サムコ】

■銘柄名(コード):サムコ(6387)
■決算月:7月(中間決算:1月)
■株価:2988円(6/26終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):60円(期末60円、中間0円)
■予想配当利回り:2.00%
■株主優待:なし
■連続増配:――

半導体や電子部品の製造装置の開発・製造・販売を手がける「 サムコ 」。半導体製造装置市場全体の数パーセントという割合ながら、今後の成長が期待できる窒化ガリウムやガリウムヒ素などを主体材料とした、化合物半導体製造装置に特化して製造しているのが大きな特徴です。

2025年7月期の第3四半期までの累計期間は、シリコン半導体分野や電子部品分野の売上好調などにより、売上高と営業利益は第3四半期累計としてはともに過去最高を更新。ただ、為替差損が発生したことで、純利益は前年同期比で0.4%の減益となりました。通期の連結業績については、2ケタの増収かつ1ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、株主への利益還元を経営の重点政策として位置づけています。配当については、必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続するというのが基本的な方針です。2025年7月期は、基本方針に基づいて、前期比15円増配となる1株あたり60円(期末一括配当)を予定しています(会社予想)。なお、現在は期末一括配当ですが、年間を通じての出荷平準化に取り組み、第2四半期累計期間での利益確保を前提に、早期の中間配当実施を目指しているところです。
いかがでしたか? 配当金に注目すると、値上がり益とは異なる株式投資のもう一つの魅力が見えてきます。“とらぬ狸の皮算用”ではないですが、「この銘柄をこれくらい持っていると、配当はいくらかな?」と考えてみるのもおすすめです。

※ウエスコHDは記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています
配当の内容は2025年6月26日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は8/12(火)配信予定です。