累計利益100億円のカリスマトレーダーを案内人に個別投資をマンガで学ぶ! 「そもそも株って何?」といった基礎から、為替や金利、詐欺被害まで。投資のイロハがくっきりわかる良書です。
一冊目として間違いなし! 不敗のトレーダーと「負けない投資」を学ぶ
個別投資入門としては非常に敷居が低く、内容が頭に入ってきやすい一冊です。説明ばかりで心が折れる「なんちゃって学習マンガ」とは一線を画し、ストーリー部分のエンタメ性も十分。
株の乱高下でメンタルをやられる高校生や、その母親がポンジ・スキーム被害に遭いかけたりと「親子で何やってるの?」なエピソードも含め、読む手が止まることはありません。
水先案内人となるテスタ氏の哲学も良し。「自分の取引は信用していない。だから勝ち続けることができた」「市場は世界の経済活動が続く限り存続する。焦って儲けようとしないこと」等々トレード画面の横に貼っておきたい名台詞も多々。
ちなみに、マンガだからといって「誰でも簡単に」系のぬるさはありません。監修者テスタ氏の美学や矜持が垣間見え、コマの行間からは勉強、研鑽、弛まぬ努力の大事さが滲み出ています。
20年来、年間リターンで一度も負けたことがないテスタ氏ですが、元手300万円足らずで株投資を始めた駆け出しの頃は投資家ブログを毎日300人分も読みこんでいたのだとか。
時には血尿が出ることもあったそうで、痛みを知るからこそ「深く真剣に勉強する姿勢」を繰り返し説きます。作中でもすぐに売買をすることを勧めず、まず一か月のデモ取引からスタートさせていました。「フラットな状態のシミュレーションで勝たないと話にならない」のだそうですよ。
本書は二部構成となっていて、パート2では具体的な売買の方法や株価チャートや決算書の読み方を解説しています。量もほど良いため、情報の波に溺れてしまうことなく、投資の土台を築けそう。
テスタ氏はコラムで投資信託を買わない理由の一つとして「預けっぱなしで良い分、考えることを放棄してしまう。勝っても負けても自分の知識に残らない」と回答。これまた襟を正したくなる読者もいらっしゃるのでは。