8期連続増配銘柄に、優待アリ銘柄も! 9月の配当金銘柄12選【前編】

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れます。今回は決算期が9月で配当がもらえる銘柄の中から、配当が魅力的で業績予想も堅調な12銘柄の情報を、前後編の2回に分けてお届けします!

※決算期が9月の上場株式のうち、配当利回りが3.0%以上(8/8終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は9月26日(金)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

空間情報技術で国土を守る!【アジア航測】

■銘柄名(コード):アジア航測(9233)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:1278円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):44円(期末29円、中間15円)
■予想配当利回り:3.44%
■株主優待:なし
■連続増配:6期(実績)

1954年に航空測量会社として創立した「 アジア航測 」。

創立以来、長年にわたって、空間情報コンサルタントとして、国土保全や社会インフラマネジメントに関わる事業を展開しています。また、現在進行中の中期経営計画では、流域マネジメント事業や道路・鉄道事業といった既存の主要事業に加えて、新規事業への本格着手も表明しています。

2025年9月期第3四半期までの累計期間は、新規事業展開として、人に代わって施設やインフラなどの監視・管理業務を行う「センシングロボットSIer」に向けた取り組みを開始。また、国内外で相次ぐ林野火災を踏まえて、森林火災早期検知システムを提供するドイツ企業との販売店契約も締結しました。

業績については、前年同期比では増収を達成したものの、生産構造改革などによるコスト増で2ケタの減益となりました。なお、通期の連結業績については、増収増益を見込んでいます(会社予想)。

配当については、継続的で安定的な株主還元を基本方針として取り組んでいて、配当性向35%以上を目標としています。前期まで6期連続の増配となっていましたが、今期の配当は据え置きとなっていて、1株あたり44円を予定しています(会社予想)。

東京都の認可保育所でシェア1位【グローバルキッズCOMPANY】

■銘柄名(コード):グローバルキッズCOMPANY(6189)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:765円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):40円(期末20円、中間20円)
■予想配当利回り:5.22%
■株主優待:なし
■連続増配:2期(実績)

東京都内を中心に、「グローバルキッズ」ブランドの認可保育所などの保育施設を運営している「 グローバルキッズCOMPANY 」。

2025年7月末には、傘下で保育所など計46施設を運営している「アソシエ・アカデミー」を子会社化しました。これにより、7月末時点での自社グループの運営施設は209施設となりました。現在、同社の東京都認可保育所でのシェアは9.2%で、都内ではシェア1位となっています。

2025年9月期の第3四半期までの累計期間は、人事院勧告に伴う公定価格(内閣総理大臣が定める基準で算定した教育や保育に必要な費用)の上昇などにより、前年同期比で売上高が増加。一方、利益については人件費が増加したものの、採用費の抑制や販売管理費の減少などもあり前年同期比で3ケタの増益となりました。通期の連結業績は、減収ながらも3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

同社の株主還元方針は、安定配当が原則で、資本水準の適正化手段として自己株式の取得も活用しています。また、総還元額は利益水準などを考慮した上で決定するとしています。この方針に基づき、今期の配当は、前期比5円増配となる1株あたり40円を予定しています(会社予想)。なお、この配当が予定通り実施された場合、3期連続での増配となります。

配当に加えて、今期は記念優待も!【タスキHD】

■銘柄名(コード):タスキHD(166A)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:733円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):35円(期末35円、中間0円)
■予想配当利回り:4.77%
■株主優待:あり
■連続増配:――

新築投資用のIoT住宅を扱う「タスキ」と地域密着型の総合不動産「新日本建物」の経営統合により、2024年4月に誕生した共同持株会社の「 タスキHD 」。

住宅の企画・開発・販売などを行うLife Platform事業と、ベンチャー不動産事業者向けの不動産担保ローンを扱うFinance Consulting事業を展開しています。

2025年9月期第3四半期までの累計期間は、主力のLifePlatform事業の好調などにより、前年同期比で2ケタの増収増益を達成。通期の連結業績については、2ケタの増収、3ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、配当の基本方針を前期比で減配しない累進配当と定めています。また、配当性向については、M&Aに伴うのれんの償却などを除いた1株あたり純利益の35%以上を目安としています。

今期はこの方針に基づいて、前期比19円増となる1株あたり35円の配当を予定しています(会社予想)。なお、期末一括配当です。

また、今期は設立1周年の記念株主優待も実施。2025年3月の優待はすでに終了していますが、9月にも300株以上で2500円分、500株以上で5000円分、1000株以上で7500円分のデジタルギフトがもらえます。デジタルギフトは、AmazonギフトカードやQUOカードPayなど複数の候補先から選ぶことができます。

株主還元を強化&9期連続の増配を予定!【ストライク】

■銘柄名(コード):ストライク(6196)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:4180円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):180円(期末180円、中間0円)
■予想配当利回り:4.30%
■株主優待:なし
■連続増配:8期(実績)

「世界を変える仲間をつくる」をミッションに掲げて、M&Aの仲介業務を展開している「 ストライク 」。

今後のさらなる事業拡大や企業価値向上のためには、機動的で柔軟な経営判断ができるグループ運営体制の構築が望ましいとして、現在持株会社体制への移行について検討を始めています。なお、持株会社体制に移行後も上場は維持する予定です。

2025年9月期の第3四半期までの累計期間は、M&Aの成約組数、成約件数ともに前年同期を上回り、成約単価も上昇したため、前年同期比で増収となりました。一方利益に関しては、広告宣伝費や採用活動の手数料などが増加したことなどから、前年同期比で2ケタの減益となりました。通期の業績については、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

株主還元については、今期から見直しを行っていて、配当性向の目安を従来の35%から50%に引き上げました。また、余剰資金の株主還元を進めるとして、今期から2027年9月期までは配当を1株あたり180円に固定するとしています(会社予想)。配当性向が50%を下回る場合は、さらなる増配も行う予定です。同社は期末一括配当で、今期の増配が予定通り行われると9期連続での増配となります。

近畿2府3県で不動産事業を展開【エリッツHD】

■銘柄名(コード):エリッツHD(5533)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:1994円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):68円(期末68円、中間0円)
■予想配当利回り:3.41%
■株主優待:なし
■連続増配:――

傘下の事業会社で不動産仲介と不動産管理、居住者サポートという、主に3つの事業を手がけている「 エリッツHD 」。

不動産仲介と不動産管理で獲得した顧客を、保険代理店や生活関連サービスを提供する居住者サポートに紹介することで、長期間にわたる取引が可能な体制を整えています。現在は、京都・奈良を中心とする近畿2府3県のエリアでFCを含む69店舗を展開(2025年5月19日時点)。また今後は、大阪・兵庫エリアを重点エリアとして、新たな市場開拓を進めていく予定です。

同社の利益配分に関する基本方針は、株主への還元を第一として、配当原資確保のために収益力を強化し、継続的で安定的な配当を行うことです。この方針に基づいて、2025年9月期は前期比10円増配となる1株あたり68円を予定しています(会社予想)。

今期の第3四半期までの累計期間は、コア事業の不動産賃貸仲介事業と不動産管理事業が順調に売上を伸ばしたことに加えて、新たな収益基盤として期待される居住者サポート事業についても売上が増加。この結果、前年同期比では2ケタの増収増益を達成しました。なお、通期の連結業績については増収増益を見込んでいます(会社予想)。

100株以上で1000円分のQUOカード優待も!【アイナボHD】

■銘柄名(コード):アイナボHD(7539)
■決算月:9月(中間決算:3月)
■株価:769円(8/22終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):24円(期末12円、中間12円)
■予想配当利回り:3.12%
■株主優待:あり
■連続増配:――

「人々の快適で美しい生活環境を創造し、将来にわたって貢献していく企業」という意味を込めて、英語やラテン語を組み合わせた造語を社名にしている持株会社の「 アイナボHD 」。

傘下の事業会社では、関東・東名阪・関西エリアを中心に、建材・住宅設備機器の施工と卸売の両方を展開しています。グループのネットワークにより、販売から工事、リノベーションまで、一気通貫でサービスを提供できるのが強みです。

2025年9月期の第3四半期までの累計期間は、主力の戸建住宅事業でタイルや建材の関連販売や関連工事、住宅設備機器関連販売及び工事の売上高がプラスで推移した結果、前年同期比で増収かつ2ケタの増益を達成しました。通期の連結業績も、同じく増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、株主への利益還元を最重要課題の一つとして認識していています。具体的な配当の目安は、配当性向30%、純資産配当率(DOE)2%です。この方針に基づいて、今期は1株あたり24円の配当を予定しています(会社予想)。

また、株主優待制度もあり、9月に100株以上を保有していると1000円分のQUOカードがもらえます。QUOカードは、汎用性の高い金券としてコンビニや書店などで便利に使えますよ!いかがでしたか? 配当金には、値上がり益とはひと味違った株式投資の魅力があります。“とらぬ狸の皮算用”ではないですが、「この銘柄を保有していたら、どのくらいの配当をもらえるのかな?」と考えてみるのも楽しいはず。後編でも魅力たくさんの銘柄を紹介していきますので、お楽しみに!

※タスキHD(166A)は、記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。
配当の内容は2025年8月22日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は9/11(木)配信予定です。