投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、著者の方とともにご紹介する本連載。おせちーずさんことさかえだいくこさんの『2倍株・3倍株がぽこぽこ生まれるのんびり日本株投資』を紹介してきました。最終回の今回は、前回ご紹介した「やっちゃいけないこと」の反対、つまり「やるべきこと」を解説します。[PR]
ナンバーワン企業に投資する
必然的に中・小型株を避けられる
投資先を選ぶ際に〈やるべき〉ことのうち、誰でも簡単に実践できるのが「各業界のナンバーワン企業を選ぶ」ことです。
ナンバーワン企業とは、同業種のなかでもっとも売上高が大きいとか、シェアが高いといった企業のこと。
各業界のナンバーワン企業を選べば、おのずからその株は大型株となるケースが多く、取引高が少なく値上がりもしにくい小型株を避けることを同時に達成できます。
海外にいる投資家は、日本株と言えばまずは「トヨタ」と考え、「トヨタ」の次には「三菱UFJ」とか「ソニー」とか、「日立」とか、「東京エレクトロン」といった東証の時価総額ランキング上位常連銘柄を想像するものです。
私たちがナンバーワン企業を選ぶべき理由は、そうした「時価総額ランキング上位の常連銘柄」が人気である理由とほぼ同じです。
そうした企業は、手掛けているビジネスが今後もサステナブル(持続可能)で成長の余地があり、また軟調な市況でたとえ値下がりしても、そこから最初に回復していきます。対して時価総額の小さな会社は、真っ先に株価が下がり、株価が上がるのは最後、という傾向があります。
株価が大きく下がる局面では、多くのベテラン投資家はそうした大型株や各業界のナンバーワン企業を買い漁ります。そして、株価の戻りで着実に利益を重ねるのです。ぜひ、みなさんもそうしたベテラン投資家を真似してください。
「戻りがいい」銘柄を把握しておく
暴落、待ってました!?
株式投資では、低い株価で購入し、高い株価で売れば利益を得られます。
文字にするとすごくシンプルですが、これがなかなか簡単ではありません。
商業施設のセールのように「〇〇日からセール開始!」とあらかじめ知らされるわけではないからです。株式のバーゲンセールは、常に不定期開催です。
たとえば2025年の春、日本株の市場がいきなり大きく下げることがありました。
私自身はあまり好きではない株式指数であることをすでに述べていますが、知名度が高いので、日経平均株価の推移チャートで当時の状況を確認します。
2025年3月上旬には3万7000円を超える水準でしたが、約1か月で約7000円下落しています。
こういうとき、投資経験が長い人と短い人では考えることに違いがあります。
投資経験が短い人は、こんなふうに考えます。
「え、こんなにどんどん下げちゃうの?
え? いつ下げ止まるの?
え? 含み損になっちゃった。
あー、これ以上損するのは嫌だから売り!」
そうして成行(いくらでもいいので売買する形式)で売り注文を出し、約定したら「あー、怖かった。でも、いっぱい損しちゃったな……」と損失を嘆きます。
一方で投資経験が長い人は、暴落局面がきたらむしろ喜ぶ人が多いでしょう。
「おっ、結構(株価が)下げてきてるな。バーゲン到来、待ってました!
さぁ、何を買おう。あ、回せる資金はどれくらいあったかな……」
こんな感じで、いそいそと「お買い物」の準備に入るのです。
これは個人投資家だけではありません。プロの投資家でも同様です。
私が証券アナリストをしていたときにも、数日に渡って指数の下げが続くと、当時のボスから「(顧客に勧めるための)バーゲン・ハンティング候補をまとめてくれ」と緊急の指示が出たものでした。
経験が長い投資家も、暴落局面では持ち株の評価額が大きく下がり、場合によっては含み損状態になる銘柄が続出するのは変わりません。
長年の投資で資産が増えているので値下がりの影響も大きく、自分の月給や年収に匹敵する金額が評価額から毎日減っていくのを見て、心が沈むこともあります。
しかし、ある程度の投資経験を積むと、往々にしてそうした値下がりへの恐怖や不安と、タイミングを捉えたバーゲン・ハンティングに向けた行動を、うまく切り離すことができるようになるものです。
暴落しているあいだは評価額を見ないとか、自分のなかの受け止め方を変えるとか、人によって恐怖・不安への対処法はさまざまです。
しかし、そうした冷静な対応ができる一番の理由は、過去の暴落時の経験から、株価のバーゲンセールのときにいい銘柄を買うと、高確率で大きな利益につながることを知っているからでしょう。
私自身も、過去の暴落時に安くなったところを購入した銘柄では、何度も大きな利益を得てきました。それらの成功体験から、暴落局面がくると「また大きな利益を狙えるチャンスが到来した!」と即座に考える思考パターンになっているわけです。
投資の初心者を脱したいのなら、「暴落を恐れず、むしろチャンスだと考えられるようになる」こと。
これも、大事な〈やるべき〉ことのひとつだと思います。
ピンチはチャンスとは、よく言ったものです。

