高シェアの切削工具に、金属ホック世界2位も! 11月の配当金銘柄6選

今月の配当タヌキの皮算用/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

日興フロッギー(キンカブ)では、単元未満でも保有株数に応じた配当を受け取れます。今月は、決算期が11月で配当がもらえる銘柄の中から、業績予想にも期待が持てる6銘柄の情報をお届けします!

※決算期が11月の上場株式のうち、配当利回りが2.5%以上(10/8終値時点)あり、営業利益が減益予想でない銘柄を選定
※特別に記載がない場合、権利付最終日は11月26日(水)です
※キンカブの株式は当社名義のため、配当金については一旦当社が受領後にお客さまのお取引口座に入金という事務手続きを経ます。そのため、発行会社の配当金支払日より数日~数週間遅れてのご入金となります
カエル先生の一言

配当性向は、その期の純利益(税引後利益)から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかは、配当性向を見ることでわかります。また配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として、近年はDOE(Dividend on equity ratio)を採用する企業も増えています。
DOE(%)=配当総額÷株主資本×100
DOEは株主資本に対して企業がどの程度、株主の配当に回したのかを示す指標ですが、純資産を分母とした純資産配当率(=配当総額÷純資産)で計算する企業もあります。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。

ねじ穴を作る工具「タップ」が世界トップシェア【オーエスジー】

■銘柄名(コード):オーエスジー(6136)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:2248.5円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):88円(期末60円、中間28円)
■予想配当利回り:3.91%
■株主優待:なし
■連続増配:――

総合切削工具メーカーの「 オーエスジー 」。主に工作機械で使われるさまざまな消耗工具を手がけていて、特にねじ穴を作る工具のタップは創業製品であり世界トップシェアを誇っています。世界35ヵ国にわたるネットワーク、海外売上高比率は67.9%に上ります(2025年8月末時点)。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、国内ではプレミアムブランド「Aブランド」の新製品を世界展開したことが業績に寄与。海外では、アジアで中国の景気刺激策がプラスに働いた一方、米州では米国経済減速の影響を受けました。

これらの結果、前年同期比で増収ながら減益となりましたが、通期の連結業績については増収増益を見込んでいます(会社予想)。

同社の利益配分の基本方針は、「連結ベースでの配当性向35%以上」を目安に、キャッシュフローや財務状況などを考慮した上で配当を決定するというものです。今後は40%の配当性向を目指すとしていましたが、目標である配当性向40%を3年連続ですでに超えていることから、来期以降は配当方針の変更を検討中です。

今期は、1株あたり88円を予定していて、期末配当のうち28円は創立88周年の記念配当としています(会社予想)。

5期連続増配を予定【モリト】

■銘柄名(コード):モリト(9837)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:1634円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):69円(期末36円、中間33円)
■予想配当利回り:4.22%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

1908年、ハトメやホックの仲買商として歴史をスタートした「 モリト 」。現在は、製造機能を併せ持つ商社として、傘下の事業会社で服飾パーツをはじめ、自動車内装パーツなど、幅広いアイテムを扱っています。

金属ホックでは世界シェア2位、マジックテープやインソールでは国内シェア首位など(いずれも自社調べ)、国内外で高シェアを獲得している商品を多数持っていることが強みの一つです。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、国内アパレルを中心とした在庫調整が回復したことに加え、スポーツ関連商品や文具関連商品が好調に推移。さらに、新規に連結した2企業の効果もあったことなどから、前年同期比で2ケタの増収増益を実現しました。通期の連結業績は、2ケタの増収、1ケタの増益の見込みです(会社予想)。

配当については、安定的かつ継続的配当の実現を利益配分の基本方針としていて、具体的には当期純利益に対する配当性向50%以上、DOE(連結自己資本配当率)4.0%基準を目安としています。

この方針に基づいて、今期は前期比6円増配の1株あたり69円の配当を予定しています(会社予想)。この配当が予定通り実施された場合は、5期連続の増配となります。

IT業界にエンジニアを派遣【ジャパニアス】

■銘柄名(コード):ジャパニアス(9558)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:2445円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):99円(期末50円、中間49円)
■予想配当利回り:4.04%
■株主優待:なし
■連続増配:2期(実績)

ジャパニアス 」は、先端エンジニアリング事業を展開する企業です。具体的には、IT・通信業界やものづくり業界の顧客などに対して技術を提供するエンジニア派遣や受託開発事業を行っています。

また、2023年11月から不動産・設備・建設に特化した就職支援サイトを開設。サイトを通じてITエンジニア不足の社会課題に取り組み、2025年11月期は第3四半期までに41人の就職支援を実施しました。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、現場に赴いて開発支援を行うオンサイト型開発支援で、IT関連案件の需要が堅調に推移。また、同社が重要視している経営指標のエンジニア稼働率や1人あたり売上高も前年同期比で改善・向上しました。この結果、前年同期比で増収かつ2ケタの増益となりました。通期の業績についても、同じく増収かつ2ケタの増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、配当性向50%水準を配当の基本方針としていて、継続的な増配を計画しています。その方針どおり、2022年の上場以来2期増配を続けていて、今期も前期比4円増となる1株あたり99円を予定しています(会社予想)。この配当が予定どおり実施されると、3期連続での増配となります。

前期から配当を開始!【アスマーク】

■銘柄名(コード):アスマーク(4197)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:2440円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):77円(期末40円、中間37円)
■予想配当利回り:3.15%
■株主優待:あり
■連続増配:――

2001年の設立以来、23年間にわたって市場調査を手がけている「 アスマーク 」。年間の市場調査実績は6600件以上、取引先は政府・大学・大手企業など1100社以上に上ります。他に、テクノロジーを活用して人事業務を効率的に行うHRテック事業も展開しています。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、主力の国内リサーチ事業で自動車や食品業界からの受注が伸びたものの、調査会社からの受注は伸び悩みました。一方、HRテック事業の売上高については前年同期比で2ケタの成長となりました。

同社は今期から連結業績に移行し、四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同期比の数値は出していませんが、第3四半期は33億2800万円の売上高、1億6600万円の純利益を計上しました。また、通期の連結業績は48億円の売上高、2億8500万円の純利益を見込んでいます(会社予想)。

配当については、2024年11月期から開始。将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した株主還元を継続して実施することを基本方針としています。この方針に基づいて、今期は前期比5円の増配となる1株あたり77円を予定しています(会社予想)。

また、11月末を権利確定日とする株主優待もあり、保有株数と継続保有期間に応じてQUOカードがもらえます。

2025年通期の業績予想を上方修正!【スター・マイカ・HD】

■銘柄名(コード):スター・マイカ・HD(2975)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:1206円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):33円(期末18円、中間15円)
■予想配当利回り:2.73%
■株主優待:なし
■連続増配:4期(実績)

傘下の事業会社を通じて、中古マンションに関わるさまざまなビジネスを展開している「 スター・マイカ・HD 」。具体的には、賃貸中の中古分譲マンションをリノベーションなどで価値を向上させて販売するリノベマンション事業を中心に、インベストメント事業、アドバイザリー事業の3事業を手がけています。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、リノベマンション事業で相対的に利益率の高いオーナーチェンジ物件の販売戸数が増加したことなどから、前年同期比では2ケタの増収増益となり、第3四半期累計期間としては過去最高を記録しました。

こうした状況を受けて、第3四半期決算発表のタイミングで通期の連結業績の予想を上方修正。修正後の通期の連結業績も、2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、利益配分は今後の成長投資を優先した上で、安定的に増配を実施していくことを基本方針としています。また、自己株式の取得を含めて総還元性向40%を目指しています

この方針に基づいて、今期は前期比10円増配となる1株あたり33円を予定しています(会社予想)。この配当が実施されると、5期連続の増配となる予定です。

「JPX日経インデックス400」に初選定!【トーセイ】

■銘柄名(コード):トーセイ(8923)
■決算月:11月(中間決算:5月)
■株価:3305円(10/28終値)
■1株あたりの年間配当金額(会社予想):98円(期末98円、中間0円)※
■予想配当利回り:2.96%
■株主優待:あり
■連続増配:4期(実績)

不動産再生事業をはじめ、不動産開発、不動産賃貸、ホテル事業など、不動産に関わる幅広いサービスを提供している「 トーセイ 」。収益構造やマーケットの動きが異なる6事業を組み合わせることで、リスクを分散させるポートフォリオ経営を推進しています。

2025年8月には、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、諸要件を満たす投資魅力の高い会社で構成される株価指数「JPX日経インデックス400」に初めて選定されました。

2025年11月期第3四半期までの累計期間は、各事業がいずれも順調に推移したことから前年同期比で2ケタの増収増益となりました。通期の連結業績についても、同じく2ケタの増収増益を見込んでいます(会社予想)。

同社では、2026年11月期を最終年度とする中期経営計画を進めていて、その中で配当性向を段階的に35%まで引き上げる予定としています。

この方針に基づいて、今期は前期比19円の増配となる1株あたり98円※を予定しています。今期の配当性向は33.7%となる見込みです(いずれも会社予想)。

また、11月末を権利確定日とする株主優待もあり、100株以上で東京、神奈川(鎌倉)、千葉(幕張)の合計9施設の自社グループホテルを3000円引きで利用できるホテル宿泊割引券がもらえます。

なお同社は、株式の流動性向上などを目的として、12月1日(月)を効力発生日とする1:2の株式分割を実施します。これに伴い、次回2026年11月期からは200株以上が株主優待の対象となります。

※同社は2025年11月5日に配当予想を2円増額し、1株あたり100円に修正すると発表しました

いかがでしたか? 配当金には、値上がり益とはまた異なる株式投資の魅力があります。“とらぬ狸の皮算用”ではないですが、深まる秋の夜長に「この銘柄だとどのくらいの配当がもらえるのかな?」といろいろ検討してみるのも楽しいですよ!

配当の内容は2025年10月28日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
次回は12/11(木)配信予定です。