エヌビディア好決算でリスクオン 日経平均一時2000円高

日興フロッギーNEWS/ 日興フロッギー編集部

11月20日の日本株市場で日経平均が一時2000円高となる場面がありました。株高の背景と今後の気になる材料についてサクッとチェックしていきます。

エヌビディアの決算内容を好感し買い優勢

11月20日の日本株市場では朝方から買いが優勢となり、日経平均株価は一時2000円高となりました。背景には、日本時間20日朝方に公表された米半導体エヌビディアの決算内容が良好だったことなどが挙げられます。

エヌビディアの25年8-10月期決算内容を見ると、売上高・最終利益ともに市場予想を上回りました。売上高は市場予想548億ドルに対して570億ドル、EPS(一株あたり利益)は市場予想1.26ドルに対して1.30ドルとなりました。

また、市場の関心が高かった25年11月〜26年1月期の売上高見通しは650億ドルとなり、市場予想の620億ドルをこちらも上回りました。

日経平均寄与度上位のほとんどが半導体関連

直近までの高値警戒感から、半導体をはじめ大手AI関連銘柄の株価は10月末から下落傾向となっていましたが、決算を無事に通過したことで関連銘柄に買いが集まりました。11月20日前場の日経平均寄与度上位銘柄を見ると、ほとんどが半導体関連銘柄です。

アドバンテスト
東京エレクトロン
ソフトバンクグループ
ファーストリテイリング
TDK
フジクラ
イビデン
ソニーグループ
日東電工
ディスコ

今後の気になる材料

ただ諸手を上げてリスクオン相場が続くかどうかは、下記に挙げるような材料次第と言えそうです。

①半導体関連株の高値更新
②日本の長期金利上昇
③日中関係の冷え込み

①半導体関連株の高値更新

急上昇した銘柄が多く見られた半導体関連株ですが、チャート面では直近高値を更新して上昇を継続できるかにまずは注目が集まりそうです。本日日経平均寄与度上位の個別株価チャートを見ると、10月末から11月初旬に一度高値をつけています。その高値を上抜いて上昇トレンドを継続できるかに注目が集まりそうです。

②日本の長期金利上昇

市場全体を俯瞰すると、日本の長期金利上昇を懸念する声も聞かれます。足元では高市政権が新たな経済対策の策定を進める中、積極的な財政政策によって財政悪化への懸念が強まるという見方があります。こうしたことから、10年債利回りは上昇を継続。11月20日11時時点で1.800%をつけています。

一般的に長期金利の上昇は、企業にとって負債による資金調達の際に大きな金利負担を生みます。また、同時に進行する円安によってインフレ率を押し上げることになれば、個人消費の悪化などにもつながる恐れがあります。今後は金利動向にも目を配りたいところです。

③日中関係の冷え込み

さらに新しい材料としては、日中関係の冷え込みによる経済への影響があります。高市首相のいわゆる「台湾有事」をめぐる国会答弁に対して、中国が反発を強めています。旅行者の渡航自粛だけにとどまらず、日本の水産品輸入について事実上の停止措置も発表しました。このような事態が続けば日本経済全体にも影響を与えかねません。日中関係とその関連企業への業績影響も注視したいですね。

注目のエヌビディア決算を通過したことで、一時的にリスクオン相場となった日本株市場。散見される懸念材料を1つずつ確認しつつ、ご自身のポートフォリオのリスク度合いを改めて再考してみてはいかがでしょうか。