株式市場で「非鉄金属」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は2.6%と、東証株価指数(TOPIX、1.8%高)を上回りました(12月12日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
鉱山事故の影響などで供給懸念
12月11日、ロンドン金属取引所(LME)で銅3カ月先物が1トン=1万1800ドル台まで上昇し、最高値を更新。非鉄金属関連銘柄の収益拡大への期待が高まりました。
銅はAI(人工知能)の普及で拡大するデータセンターの電線などに不可欠な存在で需要が日増しに高まっています(『データセンター需要がここにも 「非鉄金属」関連株が上昇』)。そのなか、今年9月、世界第2位の生産規模を誇るインドネシアのグラスベルグ鉱山で事故が発生。銅鉱石の供給懸念が生じたことが価格上昇に拍車をかけました。グラスベルグ鉱山の操業再開は2026年7月ごろと目されており、しばらく需給逼迫局面が続きそうです。
また、会社側が発表した好調な2025年4~9月決算などを受け、証券会社から業績予想や投資評価等を引き上げた調査レポートが配信されたことも手掛かり材料となったようです。

金属価格上昇で業績上方修正【DOWAホールディングス】
上昇率首位は「 DOWAホールディングス 」です。同社が11月中旬に発表した2025年4~9月の連結決算は減収減益にとどまりました。しかし、会社側は、外国為替市場で従来予想に比べて円安・ドル高が進み、金や銀、銅、亜鉛といった主要な金属価格が上昇していることに加え、海外亜鉛鉱山の持分法投資利益の増加が見込まれるとして、主力の精錬部門を中心に26年3月期の業績予想を上方修正しています。足元の銅市況上昇は業績の追い風になりそうです。
JX金属の子会社【東邦チタニウム】
上昇率2位はチタン大手の「 東邦チタニウム 」です。11月上旬に発表した25年4~9月の連結決算で、経常利益は前年同期比30.7%減の11億円と大幅減益ながら会社予想の7億円から上振れしました。期末にかけて為替相場が円安に進行したことが寄与しました。
中間決算発表に伴い、業績の上方修正も
「 住友金属鉱山 」は11月中旬の25年4~9月の連結決算発表と併せて、金や銅価格の上昇などを踏まえ、26年3月期の税引き前利益の見通しを従来予想の1020億円から1210億円に引き上げました。
「 三菱マテリアル 」は11月中旬の25年4~9月の連結決算発表と併せて、為替相場や銅価格の前提条件を見直したことを踏まえ、26年3月期の経常利益見通しを従来予想の330億円から430億円に引き上げました。
「 フジクラ 」は11月上旬の25年4~9月の連結決算発表と併せて、データセンター需要などを踏まえ、26年3月期の経常利益見通しを従来予想の1480億円から1840億円に引き上げました。
米利下げによる景気下支え効果も
銅価格上昇の背景には、米国の金融政策による景気下支え効果もありそうです。米連邦準備理事会(FRB)は10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3会合連続の政策金利の引き下げを決めました。2026年も1回の追加利下げを実施する見通しを示しています。
パウエル議長の任期は26年5月までで、次期FRB議長として最有力視される国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、利下げ余地が十分にあるとの見方を示しています。一段の利下げへの期待が高まっていることは銅相場にとっては追い風となりそうで、非鉄金属関連銘柄の業績への寄与が期待されます。