骨太の方針やTOPIXの見直しも! 2026年の注目スケジュール

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

相場に影響を与えそうなイベントを、事前に把握しておくことは投資のキホンでもあります。2026年の注目スケジュールをチェックして、明日からの投資アイデアに活用してみましょう!

2026年の3大注目スケジュール

2026年に投資テーマを考える上で、チェックしておきたい注目のイベントは以下の3つです。

注目① 高市内閣による骨太の方針が発表
注目② TOPIXの段階的な見直しが開始
注目③ 年金制度改正法の施行

注目① 高市内閣による骨太の方針が発表
2026年6月に、高市内閣による骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)が策定されます。

高市総理は就任後、日本成長戦略として、AI・半導体や造船をはじめとした17分野を重点項目に「大胆な減税」で投資を促すと発表しました。企業が行った設備投資のうち、一定割合を法人税から差し引く制度の拡充が検討されています。これが実現すれば、これまで中小企業に限定されていた制度が、企業規模を問わず利用できるようになり、企業の設備投資がより活発になりそうです。また、11月21日に発表された総合経済対策では、成長戦略に加え、物価高への対応や防衛力の強化に力を入れることが明らかになっています。2026年に発表される骨太の方針では、こうしたテーマも盛り込まれそうです。物価高対策により家計が少しでも潤うと、消費がより活発になり、ディスカウントストアを運営する「 パン・パシフィック・インターナショナルHD 」や、「 トライアルHD 」、業務スーパーを運営する「 神戸物産 」に追い風が吹く可能性があります。

防衛力の強化の関連企業としては「 三菱重工業 」「 川崎重工業 」をはじめとして、ジェットエンジンを手がける「 IHI 」や、火砲システムや防衛機器などを手がける「 日本製鋼所 」やレーダーや通信システムで防衛事業を展開する「 日本電気 」などが挙げられます。

さらに、高市首相は12月4日、日本のアーティストが海外で活躍するための支援強化を表明しました。成長戦略にもある「コンテンツ」分野と通じる話題です。多数のアーティストが所属する「 アミューズ 」やグループ会社が芸能事務所を手がける「 ソニーグループ 」にも関心が集まるかもしれません。

こうした業界は「国策に売りなし」という観点で、ウォッチリストに入れておいても良いかもしれませんね。

注目② TOPIXの段階的な見直しが開始
2026年10月から、TOPIXの銘柄が段階的に入れ替わり、次期TOPIXへの移行が始まります。現行のTOPIXはプライム市場の全銘柄が対象となっていますが、次期TOPIXはプライム市場・スタンダード市場・グロース市場から、流動性の面で一定の基準をクリアした銘柄が対象となります。段階的な銘柄入れ替えを経て、2028年7月までに組み入れ銘柄数は約1700銘柄から約1100銘柄へ減少する見込みです。つまり、現在TOPIXに採用されている銘柄でも、流動性が下がると、TOPIXの構成銘柄から除外される可能性があるということです。除外されると、TOPIX連動型の投資信託を運用するファンドなどから売却されるので、株価の下落圧力が働きます。反対に、新しく採用される銘柄には資金流入が見込まれることから、株価上昇の転機となりそうです。

「新TOPIX」に採用される可能性のある銘柄とは

注目③ 年金制度改正法の施行
2026年の4月から、年金制度改正法が段階的に施行されます。この改正法により向こう5年にわたって、社会保険に加入できる人が増えたり、年金を受給しながら働く高齢者が厚生年金を減額されにくくなったりします。

カエル先生の一言

年金を受給しながら働く高齢者の賃金と老齢厚生年金の合計が基準を超えると、老齢厚生年金が減額されます。2026年4月から、この基準が月50万円(2024年度価格)から62万円に引き上げられます。この見直しにより、新たに約20万人が年金を全額受給できるようになります。つまり、年金を受給しながら働く高齢者が、年金の減額を気にすることなく、より多く働けるようになります。

また、iDeCoや企業型DCの拠出限度額が上がり、加入できる年齢の上限が70歳となる予定です。

年金制度が強化されることで、現状より老後もいきいきと暮らせる社会になると考えられます。年金を受給しながらでも働きやすい社会になれば、今よりもセカンドキャリアが強く意識されるようになるでしょう。このため、リスキリング(学びなおし)事業を手がける企業に追い風となると想定されます。

関連銘柄としては、幼児から経営層までを対象に生涯学習の場を提供する「 AobaーBBT 」や企業向けの社員研修事業を手がける「 リスキル 」、グループ会社でリスキリング講座を手がける「 ヒューマンHD 」などが挙げられます。

2026年のスケジュールから投資アイデアを見つけよう!

1年間のうち、重要と思うイベントやニュースをメモしておきましょう。そうすれば、日々のニュースの中から大きく業績を動かしそうな重要なニュースに自然と目がいくようになりますよ!