街歩き投資の達人www9945さんが選ぶ、バリュー5銘柄

億り人さん、いま気になっている銘柄を教えてください!/ www9945日興フロッギー編集部

億り人のwww9945さんへ前回取材したのは約1年前。その間に資産は3億円増え、11億円を突破したといいます。うらやましいほどの審美眼を持つwww9945さんに、フロッギー編集部が最近気になっている銘柄を聞いてきました。www9945さんが今、気になる11銘柄を一挙公開! 前編の本記事では、割安感があるという5銘柄を紹介します。

※本記事のPERやROE、時価総額は特別に記載がない限り、2025年12月1日時点の数値です

資産11億円突破! 約1年で3億円プラス!!

「資産ですか? 先日、11億円を突破しました」

にこやかにそう教えてくれたのは、フロッギーではおなじみのwww9945さん。一緒に池袋を歩きながら銘柄の探し方を教えてくれた約1年前、資産はまだ8億円だった。1年で3億円も増えた?!

5億円くらいからが早かったですね。相場全体の地合いが良かったこともありますが、ポートフォリオをIP※関連に寄せたのが功を奏しました

※アニメやゲームのコンテンツやキャラクターなど、知的財産として価値があるもののこと

そういえば、www9945さんが池袋で目を向けたのも、アニメやゲームとの「コラボカフェ」や「 サンリオ 」の店舗、アミューズメント施設やカプセルトイ専門店など、いずれもIPが絡むものだった。

「銘柄でいうと「 コナミグループ 」や「 ハピネット 」「 カプコン 」「 U-NEXT HD 」などが上がってくれて、多くは2倍以上になりました。サンリオも大きく上がって利益確定しましたが、株主優待のために100株だけ残しています」

どれも池袋の街歩きで名前の挙がった銘柄ばかり。www9945さんは身をもって「株式投資のヒントは街にあり」ということを示してくれた。

「資産8億円の億り人、池袋で銘柄を探す www9945さん前編」を読む

IP関連への集中投資が成功するも今後には不安も……

「マスクの着用が個人の判断となった2023年3月以降、池袋は『IPの街』に変わりました。それは今も続いています。池袋駅の通路壁面を埋め尽くした『鬼滅の刃』のポスターの前は、若い子の撮影スポットになっていましたし、エンタメ系の人気は今もすごい」

今日の趣旨はwww9945さんに、中長期的に期待できる銘柄を教えてもらうこと。そうなるとIP関連銘柄が中心になる?

2023、24年とIP関連がもてはやされすぎました。トレンドであればいいのですが、みんなが注目した結果、ブームになってしまい、割高さも目立ちます

ソニーグループ 」や「 任天堂 」、コナミ、カプコンなど大型はまだ残しているが、「 IGポート 」など中小型の銘柄は利益確定したという。

「その資金で、他のセクターへの分散を進めています」

新たに資金を投じている銘柄などから、フロッギー編集部に11社を教えてくれた。半分が割安さに着目したバリュー銘柄、もう半分が成長性に着目したグロース銘柄だ。今回は割安感のある5銘柄を紹介していこう。

www9945さんのポートフォリオ1位【光通信】

www9945さんが最初に教えてくれたのは「 光通信 」。

私のポートフォリオで9.8%と、もっとも多くの比率を占めている銘柄です。通信回線、電力、宅配水、保険など、一度契約すると長く売上の発生する契約を、地道に積み上げていく会社です。サブスク的な契約が多いため、売上が急減するリスクの低い、いわばディフェンシブ銘柄※といえます」

※業績が景気動向に左右されにくい業種の銘柄のこと

www9945さんが着目したポイントがもうひとつある。

この会社は『アクティビスト』(物言う株主)。中小型株を中心に、幅広く投資しています。純投資額は年々増えていて、時価は約1.2兆円(2025年3月期時点)ほどに膨れ上がっています。光通信の時価総額約1.9兆円から純投資約1.2兆円を差し引くと、約7000億円になります。それに対して本業の営業利益は年1050億円(2025年3月期時点)ですから、PER7倍程度※でしかないんですよ。営業利益は年々伸びているのに、この評価は低いと思います」

※約7000億円(時価総額約1.9兆円ー純投資約1.2兆円)を本業の営業利益年1050億円(2025年3月期時点)で割って計算

光通信のポートフォリオには同じように営業に強みのある会社もあり、M&Aして事業の拡大を図ることもあるとか。

投資が順調で、本業の成長性もある二刀流経営。持っていて安心な会社です」

見過ごされた食品会社【エスビー食品】

投資先の含み資産に着目した光通信に対して、シンプルにPERから割安感があるのは「 エスビー食品 」だ。

「バリュエーションの面で注目しました。同業の『 ハウス食品 』がPER20倍程度なのに対して、エスビー食品は10倍程度と割安さが目立ちます。ROEでもハウス食品が5%未満なのに対して、エスビー食品は約11%と資本効率も高い(PER・ROEともに2026年3月期東洋経済予想)。いわば『見過ごされた食品会社』です

今後の増益要因もあるという。

「7月にレトルトカレーなどを最大11%値上げしました。コストプッシュインフレ※は落ち着いてきている中での値上げですから、値上げ分がそのまま利益になるのでは」

※原材料や人件費など、生産コストが原因で起こるインフレのこと

さらに「和食銘柄」という意味でも注目されるかもしれない。

「イギリスでは日本のカレーが流行っているそうです。ところがエスビー食品の海外売上高比率は10%(2025年3月期時点)。バリュエーションの低さは多分、このせいでしょう。海外進出している和食銘柄はPERが30倍を超えるものもあります。今後、海外進出を進めればバリュエーションの見直しが入るのでは」

カエル先生の一言

2025年3月期決算説明会資料によると、ヱスビー食品は、長期目標として海外売上高比率40%超に向けて、拠点増強及び、 海外サプライチェーンの強化を進めています。

VAIO買収。M&A積極化で収益源拡大【ノジマ】

ノジマ 」もバリュエーション見直しへの期待が持てる会社だという。

「家電量販店大手のノジマですが、じつは家電の売上は全体の35%しかありません。最大のウェイトを占めているのは携帯電話のキャリアショップ事業です(2025年3月期時点)。2015年と2023年に販売代理店を買収しましたが、これが稼ぎ頭となっています」

ノジマで注目されるのはM&Aだという。

「アニメ専門チャンネル『アニマックス』やノートパソコンメーカーの『VAIO』など、ノジマは異分野のM&Aを積極的に進めています。買収した会社に野島廣司社長の『ノジマイズム』を植え付け、会社を蘇らせるのが上手な印象です」

「今年1月に子会社化したVAIOの買収額は約112億円。かなり安い印象です。VAIOは法人向けが約9割を占めています。今、企業で決定権を持っている40代、50代はVAIOが強いブランドを持っていたころに育った世代。PERは8倍程度と低いため、『ノジマイズム×VAIO』による株価再評価にも期待が持てます(PERは2026年3月期東洋経済予想)」

家賃上昇なら収益拡大か【イントラスト】

次はwww9945さんらしく、日常生活がきっかけとなった銘柄だ。

「私は賃貸に住んでいるんですが、先日、大家さんから『次の更新では家賃を5%上げるから』と予告されました。値上げが進んでいる食品などに比べ、家賃の値上げはまだこれからのようです」

家賃は「インフレの遅行指標」とwww9945さんは表現する。

「これからも家賃の上昇が続くとしたらどんな会社が儲かるか? たとえば家賃から一定の比率を受け取る家賃保証の会社が考えられます。そのひとつが「 イントラスト 」。家賃債務保証を主力とし営業利益率とROEはともに20%超(2026年3月期東洋経済予想)。収益性が高い会社です。配当利回りも3%を超えていて、割安さもあります(2025年12月1日時点での会社予想配当利回りは3.24%)」

家賃保証会社なら他にも上場企業はあるが、イントラストの強みは?

ここは病院や介護施設など新分野へ挑戦しています。病院で問題となっているのが診療費や入院費の取りっぱぐれ。そうした未収金に対する医療費用保証をイントラストは始めています」

建設資材高騰が追い風に【明豊ファシリティワークス】

インフレからの着想で、もう1社、名前が挙がった。

「自治体の担当者は数年おきにローテーションしていくため、専門性は高くない。いざ公民館を建て替えようとなっても知識が少なく、外部人材に頼ることになります。そんな場面で活躍するのが、自治体向けに業務支援を行う『 明豊ファシリティワークス 』です」

「あの資材の想定コスト、稟議書にどう書けばいいだろう」なんていうとき、明豊ファシリティが建設のプロとしてサポートしてくれるそう。今後の成長性という面ではどうか。

「建設資材の高騰、人材不足、労務費の上昇といった環境下で、上司から『コスト削減を』と迫られた担当者は明豊ファシリティを頼らざるをえないし、今後、新しい政権のもと、財政出動による景気刺激策をといった話になってくれば、フォローの風が吹くのでは」

収益性や配当利回りの観点からはどうか。

「人件費以外に大きなコストのかからないコンサル会社とあって、営業利益率は20%を超えます。配当利回りも約4%と高い(2025年12月1日時点での会社予想配当利回りは4.03%)。株に詳しくない知り合いに相談されたとき、薦めやすい銘柄です」

www9945さんが教えてくれたのは、割安感だけでなくテーマ性もある銘柄ばかり。

後編では、成長性に着目したグロース銘柄を6つ挙げてもらいました。ユニークな視点を持つwww9945さんがなぜその銘柄を選んだのか? その理由を教えてもらいましょう。

次回は12/25(木)配信予定です。