国内量産化へ政府が後押し 「ドローン」関連株が上昇

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株式市場で「ドローン」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は17.3%と、東証株価指数(TOPIX、3.1%高)を大きく上回りました(1月9日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

国産ドローン、2030年に8万台の生産体制整備へ

ドローン関連株が上昇したきっかけは、政府のドローン(無人航空機)国産化支援を巡る報道です。

1月7日、読売新聞オンラインで、政府がドローンの国内量産化を支援する方針であることが報じられました。

報道によると、ドローンは国内での利用拡大が見込まれているものの、海外製への依存度が高く、供給の9割以上を中国メーカーが占めているそうです。

政府は国産ドローンの安定供給に向け、研究開発や設備投資に必要な費用の最大50%を助成し、2030年時点で8万台の生産体制を整備する目標を掲げました。

支援対象には消防や災害用のみならず、インフラ点検や農業分野で使用されるドローンも含まれるとされます。

国内でドローンを開発するメーカーの業績拡大に寄与するとの期待から、関連銘柄への物色を誘いました。

測量や点検用、運航管理システムなどを展開【テラドローン】

上昇率首位のテラドローンは測量や点検、農業分野のドローン生産を展開する2016年設立の新興企業です。ドローンを安全に運航させるための管理システムの開発や導入も担っていて、ドローンによるソリューションの提供と併せて収益の柱となっています。

海外でのサービス提供国数は14カ国(24年1月時点)に及び、25年1月期の海外売上高は56%を占めました。24年には世界的なドローン市場調査機関が掲げたランキングで、産業用ドローンサービス企業として世界1位を獲得。

国内でも、従来のものと比べて安価なうえ高精細な測量が可能な「Terra Lidar」シリーズを投入し、トップクラスのシェアを誇っています。また、11月には日本で初めて「クマよけスプレー搭載ドローン」を発売するなどスピード感のある開発体制も特徴です。

運航システム、ハード、ソフト、各種サービスが一体となった幅広い事業展開は、他社の追随を許さない大きな武器となっています。

遠隔制御システム開発、パイロット養成にも力【ブルーイノベーション】

上昇率2位のブルーイノベーションは、複数のドローンや産業用ロボットを遠隔で制御できるシステムを開発しています。ドローンを活用した点検や測量を得意とし、屋内・屋外のほか、水中や下水道での点検など、幅広い分野でサービスを展開しています。

災害時の備えとなるダム監視用のドローン離発着設備や、プラント点検業務に特化したドローンパイロット養成サービスなども手掛けており、国内でのドローン利用拡大が事業の追い風となりそうです。

各社特色のあるドローンサービスを提供

ACSLは、物流やインフラ点検などの用途を中心とした産業用ドローンの開発を主軸としています。独自の制御技術を用いた国産フライトコントローラを搭載していて、セキュリティー面での信頼性が特徴となっています。

リベラウェアは小型ドローンの開発に定評があります。同社が開発した「IBIS(アイビス)2」は世界最小級の産業用ドローンで、一般的なドローンでは進入困難な狭小空間での活用が可能です。

双葉電子工業は長年培った技術力を生かし、1台で複数の用途に対応できるマルチユースドローンを開発しています 。

新型ドローン普及へ操縦資格新設の動きも

ドローンを巡っては、固定翼を備えた垂直離着陸(VTOL)型ドローン操縦の国家資格を、政府が新設するとも報じられました。

VTOL型はヘリコプターのように垂直離着陸が可能な一方、固定翼を備えていることで高速で飛行できる点が特徴です。その利便性の高さから、より効率的な活用が見込まれています。

資格の新設により、政府は今後、急成長が見込まれるVTOL型ドローンの普及を後押しする構えです。

過去にはトランプ米大統領によるドローンの利用促進に向けた大統領令への署名が国内でも材料視され、関連銘柄への物色を誘いました(『米国で規制緩和が進展 「ドローン」関連株が上昇)

業界では、規制緩和などによる利用環境整備の動きが続いており、ドローンの利活用の幅は一段と広がっていきそうです。

※ACSL(6232)は記事執筆時点で証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。