電力網に不動産、ITも! DAIBOUCHOUさんが選ぶテーマ11銘柄

億り人さん、いま気になっている銘柄を教えてください!/ DAIBOUCHOU日興フロッギー編集部

株式投資で10億円を超える資産を築いたDAIBOUCHOUさん。現在は約500社以上の銘柄に分散し、安定したパフォーマンスを目指しています。1銘柄の値上がり・値下がりに一喜一憂したくない人に、参考になりそうなスタイルです。とはいえ、どんな銘柄に分散すればよいのか迷ってしまうーーそんな方のために、DAIBOUCHOUさんが長期保有を考えている20銘柄を教えてくれました。

※本記事のPERや配当利回りは特別に記載がない限り、2025年12月15日時点です。また、PERは12月15日時点の今期東洋経済予想を基に記載しています。

約500社への分散投資で2025年も50%増

「今年(2025年)のパフォーマンスですか? 50%増くらいです。地合いが良かったですし、不動産関連銘柄も全般的に好調でした」

と教えてくれたのは、専業投資家のDAIBOUCHOUさんだ。

「この地合いの良さは当面続くのではないでしょうか。不動産は、とくに都心部でだいぶ値上がりしましたし、ゴールドも高い。どの投資先も高値圏にあり、割安な投資先が見当たらないなか、株式市場なら割安な銘柄、成長に期待が持てる銘柄がたくさんある。今後も資金が集まるのでは」

DAIBOUCHOUさんの投資スタイルの特徴は「分散」。1銘柄に資金を集中させず、分散を徹底させている。 特定の銘柄から受けるリスクを避けるため、1銘柄あたりの投資比率はすべて2%を下回っている。最も比率の高い銘柄でも1.87%だ。

「今は約500銘柄を保有しています。これだけの数に分散すると、1つの銘柄で悪材料が出て20%下がったとしても、ポートフォリオ全体ではダメージが少なくなる。特定の銘柄の好不調に左右されにくくなります」

それら約500銘柄のなかから、テーマ性があり長期的な上昇トレンドが期待できる会社、持っていて安心感のある割安銘柄をピックアップしました

「電力網」に注目【テスホールディングス】

前編ではテーマ性のある銘柄を教えてもらおう。DAIBOUCHOUさんが注目する一つ目のテーマは「電力網」だ。

「再生可能エネルギー普及のため、政府はこれまで『FIT』(固定価格買取制度)を進めていました。FITとは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定の価格で一定の期間買い取ってくれる制度です。ただFITには、需要が少ない時期でも電力が多く作られて余ってしまったり、真夏には電力が足りなくなったりと、需給のミスマッチが発生する問題がありました」

そのため、政府は電力の市場価格を参照しながら、市場価格との差を補助金として上乗せする「FIP」への転換を推進している。

「需要の多い時期には、電力の市場価格も高く売れます。そのため、再生可能エネルギー事業者は、需要が多いときに電力を売れるように蓄電所の整備などを進めています」

蓄電所とは、巨大な乾電池のような電力を貯める施設だ。

「蓄電所の分野で強いのが『 テスホールディングス 』。蓄電所の大型受注が続いていますが、受注から完成まで2年ほどかかるそうです。つまり、決算に反映されるのはまだ先。会社の予想を見ても、2025年6月期に約25億円だった営業利益は、2027年6月期には64億円と見込まれています」

カエル先生の一言

テスホールディングスが2024年8月14日に発表した中期経営計画によると、2027年6月期には64億円、2030年6月期には134億円の営業利益を計画しています。

将来の好決算に期待して先回り買いしておく、という選択肢もありそうだ。

変圧器の省エネ基準が変更【ダイヘン】【正興電機製作所】

FIPにともなって、「変圧器」にも注目だという。

変圧器は発電所や工場など電気に関わる多くの場所で使われますが、2026年から変圧器の省エネ基準が変わります。新たな『2026トップランナー変圧器』の基準に満たない変圧器は、2026年4月以降、出荷できなくなります。変圧器メーカーには駆け込み需要が期待できますし、新基準のもとでは単価アップが期待できる

変圧器メーカーの株価上昇に期待できそう。どんな銘柄が有望だろうか?

「旧財閥系のメーカーも変圧器を作っていますが、規模の大きい会社だと変圧器が業績に与える影響は小さい。変圧器の大手である「 ダイヘン 」や、変電用機器を製造・販売する「 正興電機製作所 」といったメーカーが良いのでは。こうした電力網関連は、息の長いトレンドになってくれることを期待しています」

電力を「計算能力」に変えて売る【ミライト・ワン】

電力に関連してもう1社、DAIBOUCHOUさんが教えてくれた。コンテナ型データセンター※に取り組む「 ミライト・ワン 」だ。

※コンテナ内にサーバーやネットワーク機器などが設置された、移動可能な施設のこと

「通常の建物型のデータセンターだと設置場所が限られてしまうし、消費電力の増加やサーバー冷却方法の進化などにより、データセンターに求められる構造も変わってきています。コンテナ型なら比較的柔軟に対応できるし、どんな場所でも設置しやすいメリットがあります

それはそれですごいが、電力とは関係ない話のようにも……?

「田舎のメガソーラー※で作った電力を都心部へ送るには送電コストがかかるし、季節や天候により需給のミスマッチも起きやすい。より安定した売上のため『電力を売る』のではなく、データセンターを経由して『GPUパワー(計算能力)を売る』んです

※1メガワット以上の出力を持つ大規模な太陽光発電設備のこと

「GPUパワーを売る」とはどういうことだろう。

「AIの普及で需要が増えているGPU(画像処理装置)の計算能力を提供します。ミライト・ワンは、パートナー企業と協力し、計算能力を提供する事業者と必要とする事業者のマッチングサービスも行っています。今後もGPUパワーへの需要は高まるでしょうし、有望では」

カエル先生の一言

ミライト・ワンとモルゲンロット社が提供するマッチングサービス「Cloud Bouquet™(クラウドブーケ)」では、コンテナ型データセンターの計算力に余裕がある時は、計算力を必要としている外部企業に計算力を貸し出し、収益を得ることができます。

電力網の専門的な話まで披露してくれたDAIBOUCHOUさん。専門知識はChatGPTに概略を聞いてから各社のIR資料などを調べていくそう。電力網は息の長いテーマとなるかもしれない。

リノベが得意なグロース不動産【コロンビア・ワークス】

DAIBOUCHOUさんの2025年の好パフォーマンスに寄与したという不動産関連銘柄は、今後もまだ期待できそう。そこで2つ目のテーマは「不動産銘柄」だ

「不動産の活況があと数年は続くという仮定のもと、不動産銘柄をいくつか選びました。長期保有には向かないかもしれませんが、成長力が際立つのが『 コロンビア・ワークス 』と『 グローバル・リンク・マネジメント 』です」

コロンビア・ワークスは、中古物件のリノベーションを得意とする会社だ。

入居者の属性に合わせてマンションの1階にピラティスのスタジオなどを誘致するなど、物件の付加価値を高めるのが特徴。家賃を相場より高めに設定できます。PERは10倍以下ですが、中期経営計画(2025年12月期~2027年12月期)では年間20%を超えるペースで営業利益を増やそうとしています。今の市況が続くなら、達成できるのでは」

20年で利益100倍?!【グローバル・リンク・マネジメント】

都心部の物件を中心にマンションを販売するグローバル・リンク・マネジメントも、同じく中期経営計画を発表している。

「グローバル・リンク・マネジメントは20年で経常利益100倍という長期の目標を立てています。その壮大な目標の達成見込みはともかく、売上、利益とも伸ばしているのは確かなので、今後も業績を伸ばしていくのではと」

カエル先生の一言

上場した2017年から2024年にかけて、グローバル・リンク・マネジメントは経常利益の年平均成長率25%を維持しています。また、2020年から2040年にかけて、20年で経常利益を100倍にすることを目指しています。

ショック耐性あり【サンフロンティア不動産】

不動産から、さらに「 サンフロンティア不動産 」と「 スター・マイカ・HD 」「 エリアリンク 」の3社を教えてくれた。

「コロンビア・ワークスやグローバル・リンク・マネジメントと比べると、比較的おとなしめなのが、この3社です」

まずはサンフロンティア不動産から。

建築資材の高騰により、新築物件のコストが高くなっている。サンフロンティア不動産が主力とする、中古ビルのリノベーション需要が見込まれます。PERも7倍台と割安で、自己資本比率が50%弱と不動産セクターのわりには高い。金融ショックなどが起きて不動産市況が低迷して、今抱えている物件が赤字になることはあっても、手持ち資金で新たな物件を安く仕入れるチャンスとなるかもしれない、と見ています」

「入居者あり」を狙う【スター・マイカ・HD】

スター・マイカも同じくリノベーションを得意とするが、こちらはファミリー向けマンションが中心だ。

「中古分譲マンション市場では、入居済みの物件が敬遠されやすい。自分がすぐに住むことはできないし、投資用だとしても室内を確認しにくいためです。スター・マイカはそんな物件を購入し、入居者に購入を持ちかけるし、買ってもらえなければ退去を待つ。そうした物件を多数持って、回転させています。市況が悪化しても、実需のある物件なので、そこまで大きなインパクトは出ないと見ています」

データ活用でさらなる成長【エリアリンク】

エリアリンクは少し毛色が違う。日本最大級のレンタルトランクルーム「ハローストレージ」を運営する会社だ。

「2023年に創業社長が退任し、新たな社長が就任しました。新社長はデータ活用が上手で、周辺住民の属性などから効率的な出店ができるようになってきた。トランクルームの存在が広く知られるようになったことで認知度が向上していますし、一度使い始めたら抜けにくいサブスク的な要素もある。今後も成長できるのでは」

「不動産」というテーマから派生した5社、どれも投資妙味がありそうだ。

IT×駐輪場の異色事業【NCD】

3つめのテーマが「IT」だ。

「ひとつは『 NCD 』。ここはIT関連事業と駐輪場事業という系統の異なる事業を2本柱とする会社。どちらの事業もストック型の売上比率が約8割を占めていて、安定した売上が期待できる。会社予想配当利回りも4%を超えています(2025年12月15日終値時点で4.09%)」

駐輪場事業ではDX化を進めているという。

「自治体や大型のショッピングセンターでの実績も多く、これまでのような管理人さんが常駐する駐輪場ではなくITを活用した駐輪場を展開しています」

ソフト会社からロボット会社へ【豆蔵】

もう1社が「 豆蔵 」だ。

「もともとは自動車の組み込みソフトが強みでしたが、最近はAIにも注力しています。『AIに注力する』という会社は多いのですが、社長の話を聞いていると、豆蔵はたしかにAIに強いと感じます」

「優秀な若手AIエンジニアが集まっているようですし、ソフトウェア会社からロボティクス会社へと変化しつつある。AIを本格的に活用した会社として注目しています」

AIという最旬のテーマに関わる企業で、将来の成長が期待できそうだ。

ちなみに、豆蔵は直近の2~3ヵ月で大きく株価が上昇したが、DAIBOUCHOUさんは利益を確定しつつも、まだ保有しているそう。

今後は豆蔵のように急騰が狙えそうな、ロボットとAIのかけあわせが業績に寄与する出遅れ株を探すと良いかもしれない。DAIBOUCHOUさんが教えてくれたのは、テーマ性があるだけでなく、長期的な成長も期待できる銘柄ばかり。

後編では、割安感があると考える銘柄を挙げてもらいました。DAIBOUCHOUさんならではの知識と経験に基づいて選ばれた9銘柄を教えてもらいましょう。

次回は1/14(水)配信予定です。