株式市場で「半導体製造装置」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は9.7%と、東証株価指数(TOPIX、5.0%)を大きく上回りました(1月16日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
市場拡大への期待高まる
半導体製造装置関連株が買われたきっかけは、国内外の関連企業の決算発表や、業界団体の市場予測などポジティブな材料が相次いだことです。
1月9日にウエハー搬送装置を手掛けるローツェ、15日に半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が決算を発表。いずれも半導体関連の足元の業績が好調で、TSMCは設備投資を拡大する見通しを示しました。
15日には、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)が半導体の需要予測を発表。2026年度の国産の半導体製造装置の販売高は前年度比12%増の5兆5004億円になるとの見通しを明らかにしました。26年度は人工知能(AI)サーバー向け先端ロジックに対する投資拡大が持続し、27年度も成長を見込んでいます。
また、1月9日から15日にかけてSOX指数は上昇基調が続き、1月15日・16日にかけて過去最高値を更新。外部環境も追い風となり、半導体製造装置銘柄の物色を誘いました。

米国向け好調で約6%増収【ローツェ】
上昇率首位の「 ローツェ 」の25年3~11月の連結決算は、売上高が前年同期比約6%増の944億円でした。米国向けが好調で、主力の半導体関連装置も約4%の増収でした。26年2月期業績見通しは据え置いたものの、「生成AI(人工知能)の需要拡大に伴い、先端プロセスの新規設備投資は増加、拡大」を見込んでいます。
ロボットや機械を自律的に動かすフィジカルAI分野での需要拡大などで半導体関連装置の堅調な需要が続けば、ローツェの業績にも大きな追い風となりそうです。
TSMCが主要取引先【タツモ】
上昇率2位の「 タツモ 」は先端半導体やパッケージを製造する装置やクリーン搬送ロボットなど、幅広い半導体製造装置の製造や販売を手掛けています。同社はTSMCが主要な取引先で、24年12月期の売上高は全体の10%超を占めています。TSMCが設備投資の拡大を続ければ、同社への成長期待も一段と高まりそうです。
グローバルニッチトップも上位に
「 TOWA 」は半導体の回路を傷や汚れから守るために回路部分を樹脂で覆い固める「モールディング装置」で世界シェアの6割超を占めています。
「 レーザーテック 」はウエハーに回路を形成する際の原版となるフォトマスクなどを主力とし、マスクブランクス欠陥検査装置で高水準の世界シェアを誇ります。
「 芝浦メカトロニクス 」は半導体製造装置でグローバルニッチトップ製品の開発を推進し、ウエハーの研磨後洗浄装置などに強みを持ちます。
選挙期間中もホットなテーマ
高市早苗政権の経済対策も将来的な追い風となる可能性があります。半導体は高市政権が掲げる重点投資対象17分野の一つです。2月8日投開票の衆院選で自民党が勝利すれば、高市政権が積極財政を進めやすくなるとの見方が根強くあります。選挙戦を通じて具体的な振興策が意識されれば、半導体製造装置関連銘柄への物色が続くことも十分考えられます。
過去には米中が生産を強化するとの思惑から、半導体製造装置関連銘柄の物色を誘ったこともありました(『米中の生産強化は追い風 「半導体製造装置」関連株が上昇』)。半導体製造は世界各国が取り組んでおり、引き続きホットなテーマとして注目されそうです。